家に行くことに?
結局、生物の授業の後は、何もなかった。
もんちゃんは、下駄箱の中でおとなしくしていたようだ。
なぜだろうか。家から脱出してこの渚ヶ丘学園まで来れるんだから、ガムテープなんで余裕でびりびり突破するかと思ったが。
意外と強いのかなガムテープ。
僕はそんなことを考えながら、放課後、木田さんを見つけたので声をかけた。
「今日は……」
「今日は大丈夫。頑張ってもんちゃんを家に連れて帰るだけだから」
「あ、でも今日は僕文芸部ないからひ……」
暇だし。と言おうとして止まった。木田さんは、僕と一緒に下校することに抵抗があるかもしれないし、放課後一緒にいるのだって嫌かもしれない。
「あ、なんでもない。じゃあね」
だから僕はそう言って文芸部の活動場所である図書室の横の部屋へ向かうそぶりを見せた。
「あ、でもっ、でも、できたらお礼をしたくて……」
でも木田さんはそう僕を呼び止めて、だから僕はぴたりそしてくるんと、美少女から出たお礼という言葉に、木田さんに潜るもんちゃん並に超敏感に反応してしまった。
「お、お礼はいいよ」
「でも、またもんちゃんのことで迷惑かけるかもしれない……たぶんかけちゃう……」
「いやいや、僕ももんちゃん結構愛着湧いてきたわ」
意思疎通できるくらいになったら、木田さんのおっぱいについて詳しく聞く……じゃなかったそんなことしないから。僕しない。
「……それは嬉しい。でも、それとは関係なくお礼をしたいから、あの、家に……私お菓子作りするから、よかったら……」
「え? お菓子……」
「甘いのは苦手……?」
「いやいやいや! 好きだよ」
「じゃあ……来てくれる? あの、実は家の中でも、もんちゃんに結構苦労してて……長沢くんなら、何か解決策を思いついてくれるかもしれないし……ごめんなさい。長沢くんに頼りすぎだよね」
「いやそれはない全然ない余裕でない! じゃあ、おじゃま、しようかな……」
あれ、もしかして、舞美以外の女の子の家行くの、初めてかな。これももんちゃんのおかげかな。
家に帰ったらもんちゃんを粘土で再現して崇め奉らないと。小学生の時粘土得意だったからそれを生かす時がきたな。




