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【豪快に】バーチャルだって飯テロがしたい！【バーチャルならできる】

再生リスト：毎日90秒シリーズ

　白い空間の中に、赤い大きなリボンを頭の後ろに下げた少女が一人。

「こんにちは、人類。彩羽根トーカです」

コメント：こんにちは！

コメント：今日もかわいい

コメント：いつ見ても飽きない

コメント：こんにちはー

「ところで人類、元気ですか？　人類はご飯を食べないと生きていけないそうですね？　ちゃんと食べてますか？」

コメント：オカンかな？

コメント：食べてます！

コメント：昼抜いたわ

コメント：これから食べる予定

「私はね、知ってるんですよ。人類は食べることが好きだって。そして食べ物のことをTwitterについつい投稿して、お腹を空かせた人類に悔しい思いをさせるんだって」

コメント：よう見とる

コメント：ついついツイッターに……？

コメント：審議中

コメント：飯テロ死すべし慈悲はない

「……そういうの、ちょっと楽しいですよね！？　というわけで彩羽根トーカ、飯テロかまさせてもらいます！」

コメント：かまさせてもらいますじゃあないんだよｗｗｗｗ

コメント：トーカ飯

コメント：飯テロ許すぞどんどんやれ

コメント：リスナーの手首が高速回転

「Twitterで流れてくるいろんな飯テロをね、勉強しましたので。まず作る料理はね、やっぱり肉がいいですよね？　ステーキ？　ローストビーフ？　うーん……和食がいいですね！　じゃあとんかつ？　いやもう一声！　そう、かつ丼にしましょう！」

コメント：いいね！

コメント：肉は正義

コメント：かつ丼！　かつ丼！　今夜はかつ丼だ！

コメント：トーカちゃんの手料理！？

「使う機材はこちらです！」

　トーカが後ろにオブジェクトを呼び出す。

　それは──調理器具というにはあまりに大きすぎた。鋼鉄の四角形に、長い持ち手のついたもの。

　それは、ホットサンドメーカー（等身大）。

コメント：ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

コメント：いやデカ

コメント：草

コメント：はい

コメント：知ってた

コメント：あっ

「私は知ってるんですよ、人類。これがあらゆる飯テロを生み出す神の調理器具だって」

コメント：そうですね

コメント：あの動画好き

コメント：ホットサンドメーカー（ホットサンド作らない）

コメント：何これ

「それでは行きます……んンッ」

　トーカは声をチューニングする。　

「それじゃあ今日は、カツのドンで優勝していくことにするわね」

コメント：こらｗｗｗｗｗｗｗ

コメント：草

コメント：トンのカツのドン

コメント：自分を大蛇丸だと思いこんでいる一般Vtuber

コメント：一般じゃないんだよなあ……

　軽快な音楽と共に、巨大なホットサンドメーカーの周囲でトーカが動き始める。

　──ちなみになぜか料理中、トーカの顔は常に正面を向いて笑顔だった。

　まずは巨大な分厚い豚ロース肉が、スローモーションで落下してくる。

コメント：おお

コメント：いい肉

コメント：テクスチャすげえ

コメント：リヴァイアサン並の肉だな

　急にこの場面だけサングラスをかけたトーカが、塩コショウを握りこむようにつかみ、自分の肘にかかるようなポーズでふりかける。

コメント：ちょｗｗｗｗｗ

コメント：ソルトバエ草

コメント：肘にかかってるよ！

コメント：サングラスで笑顔なのこわい

　さらに巨大肉を移動させ、どすんと小麦粉の上に落下させる。さらに追い小麦粉を上からドサーッ！

コメント：草

コメント：いや雑！

コメント：豪快で草

コメント：ヒェ

　一抱えもある卵を膝で割り、ぱかりと巨大な黄身をホットサンドメーカーの中に投入。身長ほどもある菜箸でぐるぐると溶き、ずだ袋からパン粉をバサーッ！

コメント：いやいやいやｗｗｗｗｗ

コメント：あるあるこういう動画

コメント：規模がやばいｗｗｗｗｗｗｗ

コメント：現実じゃできん

　小麦粉まぶした巨大肉をびたん！　もういっちょパン粉をバサーッ！

　どっぽどっぽと油をふりかけ、ホットサンドメーカーを閉じてロック！　大火力でジュー！

コメント：燃えてる燃えてる

コメント：いや火力草

コメント：（炎）ホットサンドメーカー（炎）

コメント：編集の勢いがヤバい

　よいしょとホットサンドメーカーを持ち上げ、くるりとひっくり返してまだまだジュー！

　パチン、とロックを外して開いて出てきたのは、まぎれもなくとんかつ！

コメント：ってなんでやねん！

コメント：ピッカピカのとんかつでてきて草

コメント：そうはならんやろ

コメント：なってるやろがい！

コメント：まるで店で出されたとんかつみたいだ

コメント：いくらホットサンドメーカーがすごくてもこうはならないよｗｗｗｗｗｗｗｗ

コメント：3分クッキングかな？

　さらに巨大とんかつを巨大包丁でザクザクカット！　両手でタマネギを高速で薄切りして山盛り投入！　出汁とかしょうゆとかみりんをドボドボ注いで、溶き卵をダバーッ！　ホットサンドメーカーをロック！　大火力でジュワー！

コメント：豪快が過ぎるｗｗｗｗ

コメント：こっち見て切るの怖いｗｗｗｗ

コメント：何もかもドバドバで草

コメント：でもうまそう

　上から落下してきた巨大どんぶりへ、追いかけるようにほかほかの白米が上から着地！

コメント：お米だー！

コメント：お米様だ！

コメント：この重量感

　セイヤとホットサンドメーカーを持ち上げ、ロックを外し開くとスローモーションで落下していく黄金の卵とじとんかつ……！

コメント：おぉ

コメント：うまそう

コメント：あああああ

　丼の上に着地し、ふんわりと卵が広がり、汁気が絶妙に白米に染みる。

　最後にスマホを構えたトーカが、真剣な表情でそれを撮影し──SNSに投稿された風の一枚の画像となった。

　サイバネ・ランチ

　（巨大かつ丼の画像）

　かつ。サクサクなる衣。肉は脂までプリプリでジューシー。