初戦闘
「おっ!いたいた」
俺は今ある魔物の後を追っている。
その魔物とは……
狼だ。
あの散々追いかけられた、猫のような狼たち。
その狼たちは今、休息をとっている。
「よし!作戦を決行するぞ!!」
俺と狼の距離は、気付かれないために300メートルくらいは離れている。
なのでこっそりと、100メートルくらいまで距離を縮める。
「そーっと、そーっと」
コツ、コツ
それでもやはり、足音はしてしまうもので狼たちがこちらを見ようとする。
「キャウ?」
………。
「ふーぅ。セーフ」
何とか岩かげに隠れたので、狼たちはジンヤに気が付くこともなく休息を再開していた。
「あの狼たちの聴覚をなめてたよ。こりゃあ、100メートル地点に行くだけでも一苦労だ」
そんな感想を述べていると…
『スキル【暗歩】を習得しました。』
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【暗歩】
足音を小さくして歩くことが出来る。
取得経緯:足音がしないようにと祈ったところ習得した。
備考:発動時間があり、スキルレベルによって変動する。
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なんともタイミングがいい感じでスキルを習得した。
「俺、吸収で手に入れるだけじゃなくて動作でもスキルを習得しちゃうのか?」
ジンヤも此処で大きな声を出してしまうと、狼たちに気付かれてしまうので叫びはしなかった。
そして、試しに暗歩を使って歩いてみるが、多少変わった程度で大きな変化はない。
「うーん、これは【固定値】の影響でもあるんだろうな」
【固定値】はスキルのレベルさえも変動させなくするので、特殊な条件下以外ではレベルが上がらない。
だから今、この状況では考えて使わなければならない。
俺はその場で足踏みをし、スキルの発動時間を調べる。
勿論、狼たちに音が聞こえない程度にだが。
「3…」
「4…」
「5…」
トン、トン、トン
5秒を過ぎて、足音の大きさが元に戻ったことから分かると思うが…。
どうやら習得したばかりのLV1では、5秒間足音を小さくさせるのが限界らしい。
それでも、一気にこの状況の打開策が手に入ったのはラッキーだ。
俺は狼たちの現在距離を確認するが、狼たちは余程疲れていたのかさっきの場所から動こうとしない。
俺は深呼吸をして、岩場から出て『暗歩』を発動させる。
それでも狼たちはまだ気が付かない。
狼との距離まで250メートル。
「1…」
ここまでで時間を『1秒』使った。
地球にいたころの俺じゃあ、50メートルを2秒なんて恐ろしい速さでは走れないが、幸い今の俺の【AGI】のステータスは『500』になっている。
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【AGI】
この世界のスピードを表す。
『AGI100』で50メートルを5秒で走ることが出来る。
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勿論、50メートルが5秒で走れるのが早いと思うのは、地球での考えなのでこの世界にとってそれは早いと言うのかは分からないが…。
おれの『AGI』は表示にあった5倍だ。
だから、50メートルを1秒で走ることが出来たのだ。
そして俺はさらに距離を縮める。
「2…」
「3…」
時間を2秒使い、残り150メートル。
そこでようやく、狼たちはこちらに気が付いた。
『暗歩』は足音を小さくするだけで、消すのではないのでここまで走っていけば流石に気づくだろう。
「ギャウ!!」
「ガウー!」
「ギャオ?」
狼たちが次々と鳴き叫ぶ。
だが、もう遅い。
「『光線』!!」
そして俺は、今俺が考え付いてる中の魔法で最も威力が高い魔法を使った。
そしてその光が爆発した。
「ギャウーー!!?」
「ギャァーーー!!」
「グギャァーー!!」
狼たちはもの凄い閃光をくらい、目が見えなくなったようだ。
『ボカンッ、ドン』
そして、鈍い音が響く。
「ぐgy―――」
「gy―――――」
「ギュr―――」
俺は喜ぶのも束の間、付近に転がっていた石で狼たちを殴り、殺した。
「はぁー」
そう言えば、俺初めて生きているもの殺したな…。
でも、少し気持ちが沈むだけで別に重度の罪悪感までは感じない。
これは相手が狼からだったからだろうか?
それとも……
いや、これ以上は考えないようにしよう。
「考えたら、こいつたちどのぐらい強いんだろう?」
この場所の魔物の事だから、強いと思って一瞬で倒しちゃったけど…。
俺は死体にも鑑定が使えるのかなと思い、面白半分で使ってみた。
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キャットウルフ(死体)
LV100 種族 魔物
HP 0/1400
MP 0/100
STR 654
DEF 431
VIT 678
INT 1000
AGI 531
スキル 紫電 雷砲 気配察知LV4
称号
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―――――はい、使えました!
凄いなこれ!何でもありじゃん!
しかもこいつら、あのゴブリンよりも強いってことは…。
何事も、見た目で判断は禁止って事か…。
「…あっ!でも惜しいことしたな…。こいつらスキルもってるけど死体からは吸収できないって書いてあったな」
次からは気を―――――
付けようと言おうとした時、頭の中で音声が響く。
『吸収のレベルが上がりました。詳しくは、ステータスで確認して下さい』
スキルレベルが上がったのか?でも、俺のスキルレベルは【固定値】の効果で上がらないようになっているし…。
特殊な条件のせいかな…?
俺はそういう事にしておいて自分のステータスを確認した。
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ジンヤ・シンタニ(17)
LV1 種族 ??
職業 旅人
HP 2500/2500【固定値】
MP 900/1000【固定値】
STR 500【固定値】
DEF 500【固定値】
VIT 500【固定値】
INT 500【固定値】
AGI 500【固定値】
LUK 500【固定値】
*進化不可(限界値に達していません)
スキル 異世界言語LV- 鑑定LV3 光魔法LV7 闇魔法LV5
吸収LV2 進化LV- 精神耐性LV5
*スキルレベルは【固定】されています。
※吸収が特殊な条件下でレベルアップしました。
称号 巻き込まれたもの 精神崩壊者 逃亡者 進化した者
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「やっぱり、特殊な条件下だったんだな。…でも、詳しい事が書いてないからこれ以上は分からないんだろうな…」
そして俺は諦めて、【吸収】を鑑定した。
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【吸収LV2】
吸収はそれを受けなければ意味がなく、死体からは吸収できなかった。
しかし、レベルが上がったことで死体からも吸収できるようになった。
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「今、この状況には便利だけどチート過ぎるーー!!!」
何なんだこれは!俺が悩むとスキルのレベルでも上がるってか!!?
『その質問には答えられません』
………。
「お前に聞いてねえーー!!」
鑑定のレベルが上がったら急に便利になったな『鑑定』さん!!
もう、意図的な何かを感じるよ!
「…はぁ。石で殴り殺したから血の匂いが充満する前に吸収を使って食材を収穫しよう」
俺は吸収を使った。
『吸収が発動しました。スキル【紫電 雷砲 気配察知LV4】を習得しました』
……。
「うわぁー。これ自分に軽く引くなぁー」
だって、戦闘中からも相手のスキルを吸収出来て死んだ後も吸収できるって。
「まあ、良いか。さっさと肉をはぎ取って移動しよう」
………。
「よし!これで食料ゲットだな」
さっさとこの場から離れよう。
俺はスキルや称号を確認した場所へと戻って来た。
この場所から生還するためにはやはり、何処かに拠点が必要だと思い、比較的安全に見える此処にしたのだ。
早速、夕食にしたいんだが火を起こす手段がないな。
「火魔法とかはスキルをまだ習得していないので使えないし…」
……そうだ!さっき習得したスキルは電気に関する物が多かったから、少しスキルの効果を確認しよう。
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【紫電】
紫色の電気を放つことが出来る。
また、高電圧で#$%&?!>――――(鑑定レベルが足りません)
取得経緯:死んだ『キャットウルフ』から『スキル【吸収】』で習得した。
備考:魔物が使用でき、本来人間では使えない。
スキルの分類は【固有スキル】に分類される。
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【雷砲】
雷の球体を飛ばすことが出来る。
雷魔法の$%>!(鑑定レベルが足りません)と同等の威力を持つ。
取得経緯:死んだ『キャットウルフ』から『スキル【吸収】』で習得した。
備考:魔物が使用でき、本来人間では使えない。
スキルの分類は【固有スキル】に分類される。
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【気配察知LV4】
敵の気配を察知できるようになる。
ただし、有効範囲がありLV4では400メートル前後が限界。
取得経緯:死んだ『キャットウルフ』から『スキル【吸収】』で習得した。
備考:人間でも魔物でも習得できる。
スキルの分類は【一般スキル】に分類される。
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色々と気になることがたくさんあるけれど……気にしないようにしよう!
でも、『紫電』は高電圧と書いてあるし…その後は火に関することが入るのかな?
何はともあれ、早速夕食を作るぞ!!
ヒロインの名前やスキルの名前・武器などの名前を現在募集中です。
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ジンヤ・シンタニ(17)
LV1 種族 ??
職業 旅人
HP 2500/2500【固定値】
MP 1000/1000【固定値】
STR 500【固定値】
DEF 500【固定値】
VIT 500【固定値】
INT 500【固定値】
AGI 500【固定値】
LUK 500【固定値】
*進化不可(限界値に達していません)
スキル 異世界言語LV- 鑑定LV3 光魔法LV7 闇魔法LV5
吸収LV2 進化LV- 精神耐性LV5 気配察知LV4
固有スキル 紫電 雷砲
*スキルレベルは【固定】されています。
称号 巻き込まれたもの 精神崩壊者 逃亡者 進化した者
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