閑話1 ミリア
本当は、閑話は1つだけだったんですが、意外にも筆が進んで、文字量が4000文字を超えそうになったので、2つに分けさせてもらいました。でも、直ぐに閑話2も投稿します。
前話のあとがきに、1話だけ閑話を入れると言っていたのに、2話になってすいませんでした。
私の名前は『ミリア』
歳は15歳。年に似合わず、身長や胸はないですけど、15歳なんです!
兎も角、今は一応、ギルドの受付嬢として働いています。それでも、受付嬢になる前は、10歳でランクBまで行った凄腕冒険者だったんですよ。
でもある事件があって、冒険者を止めざるを得なくなったんですけどね。
でも、そんな私にギルドは、ここで働かないか?と、提案をしてきてくれたんです。少し悩んだけど、この時は『冒険者』と言う職を失っていたから、いい機会だと思って、ギルドの『受付嬢』になりました。
そして、12歳の頃から『受付嬢』を初めて、3年の時が経ったとき、私はしっかりとギルドの雰囲気に慣れていました。もともと、冒険者をやっていたから、冒険者の扱いには慣れていたし、同じ受付嬢の皆さんともうまくやっていました。
でもある日―――――私の運命を変える相手が現れたのです。
その人は、私のところに真っ直ぐ歩いて来ました。
どうしよう、このまま私があの人の相手をするんでしょうか?そう思うと、少し怖くなってきました。
その事を感じたのか、一瞬ですが、同僚のセリナさんが『威圧』をその人に放っていました。無理もないです。その人はローブを羽織って、顔を隠しているから性別も確認できないのです。これでは盗賊と見間違えられても不思議ではありません。
ちなみにですが、受付嬢の中には『元冒険者』の人たちがたくさんいます。なので、高ランクの冒険者でも油断すると、負けたりもするそうです。まあ、私も『Bランク』まで行ったんですけどね。
兎も角、簡単に言うと、登録もしていない人間が普通、受付嬢の『威圧』に耐えられるわけないのです。ですが、その人がセリナさんの『威圧』を受けてから結構時間が経っています。なのに、その人はどんどん私のもとにやって来るのです。
セリナさんも諦めて『見ておくから、相手をしなさい』と言う感じの目をしています。彼女がその目をしたときは大体、打つ手段が無いと言う合図なので、私も諦めて『平常心』と言うスキルを使って、表面上は冷静に対応できるようにしました。
「んー、あっ、居た居た、すみません」
「はい、何でしょうか?見たところ、このギルドは初めてのようですが?」
声を聴くと直ぐに男の人だと分かった。
……うー、私は男の人が苦手なのに……。
内心は怖くても、それを表に出さないのが『平常心』のスキル効果。
「凄いな。そんなことまで暗記をしているのですか?」
そんなの当たり前です!じゃないと、ブラック指定の冒険者が入って来ても、対処できないじゃないですか!?
「ええ。『冒険者ギルド』が、冒険者の事を知らなかったら、犯罪者が入って来ても対処出来なくなってしまいます」
それでも私は、冷静に言葉を返します。
「考えてみれば、確かにその通りですね」
「はい!なので、ギルド員になる際はそういった感じの能力の試験もあるんですよ!」
いけないです。ギルドの事になると、スキルを使っても感情を抑えられなくなってしまいます。
……気が付くと、セリナさんに注意されていました。
見ると、彼も困ったような感じの表情をしています。すると私は、急に恥ずかしくなって、必死に謝りました。
でも、謝る程に彼の表情が困った様な顔になっていきます。私が困惑していると、彼が状況を説明してくれました。
――――――えっ?私の恰好?
見れば私の服装は、肩と胸の部分に服が無い状態の物です。そんな恰好で、腰を曲げて謝っていれば―――――っ!?
「きゃーーーーーーぁぁぁ!!!!」
あまりの羞恥心で、私は受付嬢が使う控室に駆け込んでいました。
「……胸を見られました。……まだ、誰にも見せた事ないのに……」
直ぐに『閑話2』投稿します。




