ブルークの町
俺が『破滅を呼ぶゴブリン』を殲滅した場所は、町の外壁から約3キロ地点だったので、何とか日が落ちるまでに町にたどり着くことが出来そうだ。
そして町の外壁まで付くことが出来たのだが、そこにはたくさんの人が並んでいた。
「仕方ないな。えーと、列の後ろは何処だ?」
列の最後尾を見つけたジンヤは一応、列に並んだがやっぱり不思議になり、近くの商人らしき人に理由を尋ねてみることにした。
「すいません」
「ん?どうした坊主?」
坊主が通じるのは、中学生くらいまでで良い気がするんだけど、やっぱり俺は、年齢より若く見えるのかね?……気にしないでおこう。
「いつもこんなに並んでるのか?」
「いや、いつもはこんなに混んではいないぞ。ただ、さっき直ぐ近くで大きな爆発があっただろう?」
その原因俺です。やらかしちゃったんです!!
本当にすみませんでした。次からはもっと注意をはらうから!!
「へ、へえー。それが原因だったんだな」
「ん、どうした坊主?顔色悪いぞ?」
そりゃあ、ここに居る人全員に迷惑かけてるんだから、顔色も悪くなるよ。
だって、それをこの先に居る門番らしき居る人に行ったら俺、確実に捕まるんと思うんだ。
「流石に、最初の町で捕まるのは勘弁してほしいよな……はぁーー(ボソッ)」
「本当に大丈夫か坊主?何なら、今からでも教会で見てもらった方がいいんじゃないか?」
「い、いや!全然問題は無い!!」
「お、おう。ならいいが……」
やばっ、流石に否定し過ぎたか?商人のおっさんドン引きしちゃってるし。
でも、流石に「はい、俺がその爆発の原因です」って、正直に言う訳にはいかないしな。……何か別の事を考えよう。
―――――あっ、そう言えばこの商人のおっさんの名前効いてないや。
「そう言えば、普通に話してたけど、俺の名前は『ジンヤ』だ。おっさんの名前を聞いてもいいか?」
「……おっさん……。まあいいか、俺は商会『ルサノス』の商会長『カディオス・ルサノス』だ。そのおっさんと言う呼び方は気に入らないが、よろしくな!」
どうやら、おっさんの名前は『カディオス』と言うらしい。中なか友好的な人だし、何か困ったときはこの人を頼ることにしよう。
そして、それからしばらくはこの町の事をおっさんに聞いていた。
それで分かったことは、この町の名前が『ブルーク』と言うことも分かった。それにしても、おっさんが「そろそろ町の門に着くから、身分証を用意しとけよ」と言った時はさすがに驚いた。
その驚く俺を見てか、おっさんは―――――
「あー、身分証を失くしたのかお前?だったら、銀貨2枚で『身分証』が貰えるらしいぞ」
と、少しばかりの助言もしてくれた。そんな少しばかりのトラブルもあったが、無事に門番のもとまでたどり着くことが出来た。
「身分の証明となる物を持っていませんか?」
「すいません、ここに来る前に盗賊に襲われてしまって……その時に身分証も奪われてしまったんです」
「それでしたら、銀貨2枚をお支払いください。仮の身分証を発行いたします」
これもおっさんの助言のおかげだ。
どうやら、盗賊に襲われる人は多いらしく、これで十分に通ることが出来るとおっさんが言っていた。
何気におっさんには、結構お世話になっていると俺も思っている。
「はい、銀貨2枚ちゃんと確認しました。これが仮の身分証となりますので、3日以内に正式な身分証を作ってもらい、ここに持ってきてください」
ちなみにこの銀貨は、迷宮を攻略した時の心臓部で『迷宮の核(最上級)』といっしょにたくさんの財宝があったのだが、その中の一番rateが低いのをおっさんに売って、得たお金である。
その時のおっさんは、目を輝かせており、金貨50枚で買ってくれた。だから、銀貨2枚の消費なんて安い物である。
門番の人からもらったのは、おっさんが持っていたのとは違い、木で出来たものだった。そこに、簡単な情報が書いてあり、有効期限の欄には『3日』という数字が書いてあった。
俺は門番の話を聞き終えると、一番気になっていることを聞いた。
「ちなみに、この町で一番簡単に身分証を手に入れる方法はありますか?」
「そうですねー。この町でしたら、冒険者ギルドがお勧めです」
「わかりました。それでは、また」
やっと、異世界に来てから2つ目の町に来ることが出来たぞ!!
まず初めに行くのは『冒険者ギルド』ってところだな。
この世界での貨幣の価値を日本円に直しました。
半銅貨=10円
銅貨=100円
大銅貨=1000円
銀貨=10000円
大銀貨=100000円
金貨=1000000円
白金貨=10000000円
黒金貨=100000000円
魔金貨=1000000000円
です。
ちなみに、この世界の一般の家庭が大銀貨1枚で1ヶ月生きていけます。
ジンヤが売ったものは『rate S』だったのですが、それで金貨50枚なので、日本円で5千万円というになりますね。
『rate SSS+』レベルのものを売ったらどうなるんでしょうね。




