ロードオブゴブリン
――――――そして、現在に至る。
「「「「ギョーーーーーーーァァァァ!!!」」」」
ジンヤが大量の魔物と遭遇して、かれこれもう3時間ほど経っている。その間、ジンヤはずっと走り続けていた。
つまり、いい加減にイライラとしてくるわけで―――――
「ああ、もう鬱陶しいな!!」
こうなったら魔物ごと吹き飛ばしてやろうか、と思うが残念ながら、そう簡単に物事は進んでくれない。
その原因としては、主に追いかけてくる魔物たちのステータスだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
破滅を呼ぶゴブリン(最上種)
LV3356 種族 魔物
HP 38721/38721
MP 8952/8952
STR 58900
DEF 46382
VIT 19469
INT 2740
AGI 7841
スキル 超剣術LV80 暗黒魔法LV38 指揮LV99+ 猛毒魔法LV21
基本属性魔法LV99+ 咆哮LV99+ 魔力操作LV99+
固有スキル 繁栄 透明化
称号 剣術を極めし者 合成魔法完成者 超越者 世界の破壊者 女の敵
ゴブリンの尊敬者 最上種
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
否、魔物たちでは無く、明らかにこの恐ろしいステータスを持ったゴブリンが原因である。
こいつを倒すだけならば別に『中級魔法』でも構わない。だが、こいつのスキル『指揮LV99+』で普通、魔物は自我を持たないのだが、まるで意思を持っているような動きになるのだ。
一番厄介そうな、固有スキル『透明化』に関しては、俺のスキル『神鑑定』で場所が普通に分かるので、さほど問題ではない。
そして、この統率の取れた魔物を蹂躙するには『中級魔法』程度の範囲が狭い魔法では意味が無いのだ。すると、必然として『上級魔法』を使うことになるのだが……お分かりいただけただろうか?
ジンヤのステータスで、そんな事をしたらここら一体で大災害が起きてしまうのだ。
「うーん、一体どうしたら良いんだ?」
このまま、走り続けてもいいけれど、そうしてはいけない理由が出来てしまった。
――――――5キロくらい先に、壁のような物が見えてきた。
「町に、着いちゃうんだよな……」
ジンヤが『千里眼』で確認してから直ぐに魔物が追いかけてきたので、全力で走ってしまったのだ。そのため、まだ日も暮れていないのに50キロ近く走っていた。
……もちろん、ジンヤが走った地面はきれいに抉れていたが……。
「なるべく、周りに被害が少ない魔法ってないのか?」
雷は地面を砕くし、炎はこの辺りを焼け野原にしてしまう。水魔法に至っては論外だ。この辺りを一面、海にしてしまう。
「うーん……」
基本属性魔法はつかえ―――――
「あっ!」
「『重力魔法』があるじゃないか!」




