決着
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7属性の叫び―――――それは、魔法属性の『火属性』『水属性』『風属性』『土属性』『時空属性』『光属性』『闇属性』を融合させ、本来人間が作り出すことが出来ない属性の『無属性』として放つ魔法だ。
そして、この魔法の階級は『禁呪』だ。
ジンヤもこの魔法を習得するのは大変だった。なんせ習得条件が、7属性の魔法スキルのレベルを10以上にする必要があったのだ。
ジンヤがこの魔法の事を知ってから、習得するまでに徹夜で多大な時間を掛けた。
『グァーーーー!!!!』
それが熾天使に向かって放たれる。魔法障壁を展開しているようだが、そんな物でこの禁呪を破ることは出来ない。
「これで素直に死んで行け!!」
部屋中に轟音が響き渡る。正直、どうして今でもこの部屋が消滅していないか不思議になるレベルだ。
『クソ!ワレハ!ワレハコンナトコロデ!!!』
勝負の勝敗は既に目に見えている。だが、それでも熾天使は己の死を受け入れる事が出来ないでいた。
ならば、ジンヤが最後の慈悲としてすることは一つだけだ。
「ラストだ!『凝縮』!!」
『っ!?………ワレハ………』
遂に、禁呪が魔法障壁を突破して熾天使に直撃する。
その先は無残な死に方だった。『禁呪』により、体は跡形もなく消え去ったのだ。
熾天使が消え去ったボス部屋の真ん中で―――――
「この禁呪は、しばらく封印しなきゃな」
当たり前のことを言っている奴が居た。
そんなのは当たり前のことだぞ、ジンヤ。
だが―――――
「…出来れば、禁呪じたいを使う機会は来てほしくないんだが、それは無理だよな……」
そう。俺の直感が『禁呪を使うときはまた来る』と言っているのだ。
「はぁ……」
『迷宮主の死亡を確認。宝物庫のロックを解除します』
そんな感じで、ジンヤがため息を吐いていると、急に声が鳴り響いた。
「何だ、宝物でももらえるのか?そう言えばさっきから、あのあたりが明るくなっているな」
確かに、熾天使の後ろにある扉が光を帯びていた。
戦っている時は、熾天使に気が散っていて気が付かなかっただけと言うのもあり得るが……それはないな。
「……はあ。どうせ、この奈落から出るんだし、最後くらい付き合ってやるか」




