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第3話 とりあえず昼メシです

今回は会話中心の話です。

昼休みです。私たちは今屋上でお弁当を食べています。


メンバーはいつもの三人と…


「それにしてもすごい転校生が来たなぁ!」


「イケメンだし…売れるね。」


「でも…少し怖くないかな?あんなに不良さんたちをボコボコにしてたし…」


タカ君の友達二人と私とサユリの親友とを加えての6人です。


「でも悪いヤツじゃないと思うぞ?」


「そうかもしれないけど…」


「そういえば今日はやけに三人とも静かだな。」


「まぁ…いろいろあってね…」


「タカと相原が静かなのはわかるけど、川村が静かなのは気味悪いなぁ…」


「なっ…それどーゆー意味よ!!」


「ちょっとサユリ!お茶こぼれちゃったよ!」


「うっさい!タカは黙ってなさい!」


「もう…」


相変わらずタカ君とサユリは仲が良いです。


そんな普段と同じような昼食を取っていたとき…


(ガチャ)


「あー、先客がいるわぁ。」


またリュウ君が現れました。










食堂でテキトーに惣菜パンとコーヒー牛乳を買って、屋上に上がると、すでに何人かいるのが見えた。


「あー、先客がいるわぁ。」


どうすっかなぁ?別の場所行くか?でも面倒だなぁ。


「リュウ?」


「ん?」


なんだ。よく見たらタカじゃん。他に何人かいるけど。


てか、あの二人いるじゃねぇか!うわっ、気まずっ!!


「よかったら一緒に食べない?」


「「……!?」」


あー、あの二人がいるからなぁ。今もビクッてしたし。ん?でも俺はフツーにしてて良いんだっけ?


「おーい、転校生ー!早く来いよー!」


ま、考えてもしょーがねーか。


「おう、じゃあ混ざらせてもらうぞ。」










リュウ君が私たちの輪の仲に入ってきました。


「俺は尾崎勇人おざきゆうとってんだ。よろしくな!」


「僕は坂本一輝さかもとかずき。よろしく、転校生。」


「転校生はやめれ。リュウでいいよ。」


「わ、私は鶴見麻衣つるみまいっていいます。よ、よろしく…」


マイちゃんは少しリュウ君を怖がってます…。


「ん?なんでビビってんの?」


「まぁさっきのアレを見たらね…誰だって怖いよ。」


「ん?アレって何だよ、タカ?俺はゴミ掃除しただけだぞ?」


「いや、だから…」


「ゴミ掃除って…すごいこと言うな、リュウって。」


「えーっと、尾崎だったか?」


「ユウトでいいぜ。」


「僕の方もカズでいいよ。」


「じゃあ、ユウトにカズ。だってアレってゴミだろ?たいして強くもねーのに、俺にケンカ売ってくるし。」


り、リュウ君…すごいこと言ってます…。


「じゃあアレか?お前より強いヤツがケンカ売ってきたらそいつはゴミじゃないのか?」


「この学校にはいねーだろ?」


よっぽど自分の強さに自信があるようです。まぁあれだけ強ければ当然かも…。


「そーでもないかもよ?」


「ん?強いヤツいんの?」


坂本君のメガネが怪しく光ります。


「確かにE組の学級委員長とかは強いだろうね。僕あそこの人たち苦手だなぁ…」


「E組?そういえば校長っぽいハゲもなんか『E組に比べたらマシな方ですよ』とか言ってたな。」


「E組っていうのはいわゆるヤンキーを集めた組だ。うちの学校って受験さえすれば定員割れで入れるから、そういうヤツらも集まってくるわけ。で、毎年そういうヤツらを一カ所にまとめるんだ。」


「ふむふむ…」


「で、E組では委員長…つまり、クラスのリーダーはケンカで決めるっていうからね。」


「ほーほー。」


リュウがあごに手を当てて話しに聞き入っています。


……こうして見ていると、少しずつリュウが帰ってきたことを感じてきます。性格とかはずいぶん変わっちゃったみたいだけど。


「あー、つまりE組ってとこには強いヤツがいると…?」


「僕らも基本的に関わらないようにしてるから、なんとも言えないけどね。まぁ何にせよ、いくらリュウでも関わらないほうが……」


「おもしれぇ…!」


「え…?」


「ヒッ…!」



リュウが邪悪な笑みを浮かべます。とても嫌な予感がします。


「今日帰りにでも覗いて見るかぁ…楽しくなってきたなぁ…」


「い、いや…だから…」


「……聞いてなさそうだな。」


尾崎君も坂本君も説得するのは諦めちゃったようです。


「り、リュウ?あんまり暴れると今度こそ停学になっちゃうよ?それにE組じゃなくても強い人はいるし…」


「そーなの?」


「うん。校内で暴力事件が起きたとき…ほとんどはE組の人たちが原因になるんだけど、無関係な人に危害がないように静める人たちがいるんだ。」


「それって、風紀委員的なヤツか?」


「風紀委員とは少し違うかな。だってその人たちは武力行使しても特に問題にならないんだ。さっきのリュウみたいな処分を受けるだけ。」


「ふーん…つまり、そいつらは強いんだ?」


「ヤンキーばかりのE組を静められるくらいだからね。相当強いと思うよ。」


「なるほどなるほど……」


リュウが話に聞き入っていた、その時……


「佐伯龍治ってのはいるかぁ!?」


「ヒィ…!」


「い、E組…」


噂をすれば、E組の人がやって来てしまいました。人数は三人、全員モヒカンでいかにもヤンキーって感じです。


「てめぇか?転校早々調子乗っちゃってんのはぁ?」


三人はリュウに声をかけますが……


「う~ん、つまりぃ…」


全然見向きもしてません。










あー、つまりE組ってとこにゴミがたくさんあってぇ…


『おい、てめぇ!聞いてんのかコラ!』


それをまとめてるヤツ、処理するヤツがいて…


『おい!話聞けぇ!』


で、そいつらは俺と同じかそれ以上強いと。


『いい加減にしねぇと……』


(バキッ)


『あ、青山!?』


ふーん、なかなかおもしろそーな学校だな、ここって。


『テメェ!よくも青山を!!』


「ん?」


『死ねぇ!!』


(バキッ)


「……お前が死ね。」


なんかいきなり来たから殴っちゃったじゃねーか。ま、『死ねぇ!!』とか言ってたし問題無いか。


「クソッ!黄瀬までやりやがったな!!」


「お前ら、何?」


よく見るとタカ達はちょっと離れた場所にいるし、変なゴミが二つ倒れてた。気付かないうちにもう一人殴ってたんだな、俺。


「よくも二人を!!ぶっ殺してやる!!」


てかコイツらヤンキーなのにこの学校の制服着てるな。例のE組のヤツか?


「この一年E組の赤井、仲間をやられて黙ってられるか!」


「……自己紹介、ごくろーさん。」


E組と発覚。わざわざ名乗ってくれちゃったよ。


「仲間のカタキィィィ!!」


(バキッ)


ま、名乗ったところでザコに変わりはないけど。


「ぐ…うぅ…」


お!まだ立ってる。手加減したとはいえ、コイツ打たれ強いな。


だったら……


(グッ)


昨日“は●めの一歩”で見た技…


「カエルパーンチ!」


(ドゴォ!)


おー、なんか普段と違う音出た。コレ、結構いいかも。










(バキッ)


「ぐ…うぅ…」


リュウ君のパンチを受けたヤンキーさん、もうかなりグロッキーです。


(グッ)


するとそれを見たリュウ君は…


「カエルパーンチ!」


しゃがんでジャンプする勢いでヤンキーさんのアゴを殴り飛ばしました。たぶん2メートルくらい飛んでます。


「はぁい!終了!!」


リュウ君はそんなのに見向きもせず、私たちのところへ戻ってきました。


「や、やりすぎじゃない…?」


「死にはしないって。」


そーいう問題じゃないと思うけど…


「く…テメェ…このままで済むと思うなよ…」


「ん?まだ意識あったんだ。」


最初にリュウ君にやられたヤンキーさんが倒れたままこっちを見てました。


「俺達に手を出したんだ……“あの人”が黙っちゃいねぇ……」


「ふーん、じゃあ“あの人”に言っといて。『もっと強いヤツ連れて来い』って。」


“あの人”についてちょっとは話を聞いてあげようよ、リュウ君…


「お前…!あの人が誰かとか気にならねーのか!」


「正直どーでもいい。ていうか…」


(ガッ)


「えっ…ちょっ、待っ…」


「早く伝えて来いよ。」


リュウ君はヤンキーさんを片手で持ち上げて……


(ブォン)


ヤンキーさんを屋上の入口の半開きになったドアにむけて投げちゃいました。


「ああああああああああああああああ…!!」


(バゴン!)


「さて、飯食うか。」


「「「「「「……………………………………」」」」」」


なんか…すごい音がしましたけど…


「どーした?食おーぜ?」


だから…やり過ぎだって…


その後、屋上から下りる階段の壁にさっきのヤンキーさんが頭から突き刺さっていたのは、また別の話です…

相原 葵


年齢;16才

職業;高校一年生

容姿;髪は少し薄めの茶色でショート。彼女にしたいランキング2位のいわゆる美少女。

性格;割と常識人。ただ怒るといろいろな意味で恐い。リュウのことが気になっている…?

本人より一言;「リュウ君が迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします。」

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