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10話

 チラッと審判を横目で見つめるリンドグレン。この女。こいつも。


「……お前も『龍』だったな。いくらで売れる?」


 無口な男の発言。その言葉に誘導され、全員がそちらのほうを向く。


 視線を浴び、アストリッドは一歩後退した。


「やめてくださいよ。『霞龍』は一般的ですんで。そこまで」


「そうだ、やめときなよ。こいつだけで充分だ。その子を足しても二束三文にしかならないよ」


 場を制すラグナル。こいつ、とはもちろんトゥルッカのこと。目の前の小さな子供。これだけ殺せば。余計なことは雑念でしかない。チームの気を引き締める。水龍の亜種など。履いて捨てるほどいるのだから。


 ふぅ、とわざとらしく安心を演出したアストリッドは、現状をまとめる。


「そういうことです。じゃ、最後の確認です。エイリークの方々の解放率は十二パーセント。エギルの方は……四パーセントで」


 多少言いづらそうに。そしてエイリークの面々をチラリと確認。すると当然のごとく。


「はぁッ!?」


 まず最初に憤慨したのはウールヴル。こめかみに血管が浮き出そうなほどに不快感を示した。


 そして静かに怒りを露わにしているのはリーダーのラグナル。氷のような温度の視線を相手に投げかける。


「こいつは。なめられているのかな?」


 鼻で笑う。聞き間違い? 伝達ミス? いずれにせよ、いい気持ちはしない。


 解放率。龍は常に力を抑えるために専用の拘束をしているが、この『龍の夜』だけは外すことが許されている。制御されていても人間など太刀打ちできないほどの膂力を持っているわけだが、実は拘束は制御のためだけではない。


 この闘争の数分間だけは外れるわけだが、であれば百パーセントで闘うのか、と言われればそうではない。解放すればするほど自身の『龍』に喰われてしまうため、それを防ぐために事前にどこまで解放するかを申請する。そして運営側も調整を担っている。一般的には十パーセント前後。それ以上は危険な水域になる。

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