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2枚目のドックタグ〜喫茶店すのうどろっぷへようこそ〜  作者: jetts
外伝『もっとすのうどろっぷ』

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篠原結〜見守り繋げる者〜

 四面あるメインディスプレイには、九州、横須賀、岩手、神居それぞれの戦場の情報が目まぐるしいスピードで映し出される。


 各ディスプレイの上には二つサブモニターが付いていてメインとは異なる情報を映し出している。


 手元の二台のキーボードとタッチパネル、視線認識システムを総動員して整理した情報を各部署に割り振っていく。


 隊員同士の通信、ドローンによる映像情報、GPSや電波による位置確認、周辺環境等あらゆる情報を集めて的確に判断できる人材に割り振る。


 フィードバッグを必要な部署に振り分けて、最適なタイミングで開示する。


 俺は、夢魔によって痛覚や空腹感、喉の渇き、息苦しさなど生命維持に関する感覚を奪われてしまった。


 だが、その対価か代償なのか知らないが、十三回路までなら同時に並列で思考することが出来る。


 今、まさにその力の使う時だ。応援要請や移動指示、さまざまな情報を十三使徒よろしく即座に判断を割り振っていく。


 俺は大きな決定権を持っているわけではないが、末端の通信や位置情報を決定権や判断能力のある者に託すことで全体が循環する。


 俺は、言わばハブ。人と人、情報のまとめ役だ。


 俺に明美の様な行動力や戦闘力は無い。


 聖の様に潜入が出来るということもない。


 カーネルママのようなカリスマやリーダーシップも無い。


 まして、Whiteの実行力に及ぶ事など出来ない。


 だが、俺は俺の出来ることをする。


 それが、俺なんかの事を命がけで救ってくれた人達に出来る唯一の恩返しだ。


 俺の頭のなかで十三分割され『P1』や『Y2』『S』等固有名を与えられた並列思考が協力しながら戦況を分析し、情報を割り振っていく。


 九州を総括するP1が、凶暴化してしまった明美の側に友軍が近づかないように指示出しと敵の誘導処理を行う。


 あいつが始末書を書かないで済むようにうまくお膳立てしてやると息巻いている。


 横須賀のSが鏡花の所はドローンを集中的に導入しスナイパーの視覚支援と離脱ルートの確保を優先する。


 岩手のY2が烏崎は…………援軍要請してやるかとP2に応援の選定を依頼した。


 一方神居のY1がWhiteの淡々と必要な事を積み重ね、屍を作らず黙々と任務をこなしていく姿を眺めている。


 Y1が手を出すまでもなく循環する情報。弘幸さんと一徹さん達の重い遺産を背負いながら戦場をかけるWhite。


 弘幸さんが追い求めた平和と、一徹さんが行き着いた殺さない選択。二つの偉大な遺産を体現するWhite。


 平和と殺さずを望む貴方を、再び戦場に呼んでしまって済まない。


 せめて、せめて後始末は任せてくれ。


 俺と十三の並列思考の総力を持って貴方の純白の手と雪の一雫は守ってみせる。


 だから、食欲を奪われてから初めてまた食べたいと思ったあの、ピラウをまた食べさせてくれ。


 今日も、あの席は俺が座るからな。


 絶対に店を空けて待っててくれよ。


 俺の帰る場所はもう、あそこだけなんだ。


 マスター帰ってきてくれ。

 


 


 


 


 


 


 

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