第9話 明日への願い(後編)
5人は玉座に戻ってきた。外は徐々に暗くなってきた。何時だろう。サラは時計を見た。午後10時半だ。あと1時間半で世界が作り直されてしまう。早くしないと。
サラは光の石板をはめた。石板は光り輝き、くぼみと一体になった。
「あと2つか」
マルコスは光る石板をじっと見ていた。あと少しで全部集まる。果たしてこの先には何が待ち構えているんだろう。
「がんばろう!」
5人は次の扉にやって来た。その扉には闇の印がある。この先には闇の印があるはずだ。あと2つだ。頑張ろう。
「次はここだな」
5人は扉に入った。その中は骸骨だらけだ。まるでシリンド山の洞窟のようだ。やはりここも最高神のいる洞窟や祠をイメージしたんだろうか?
「骸骨だらけだな」
レミーは辺りを見渡した。見るだけでもゾクッとする。だが進まなければ自分たちにも、人間にも明日はない。
「まるでシリンド山の洞窟だよ」
5人はびくびくしながら進み始めた。だが、すぐに敵が襲い掛かってきた。3匹の黒いオオカミと2匹のドラゴンの戦士と動く石像とドラゴンの賢者だ。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。7匹は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。7匹は大きなダメージを受け、2匹の黒いオオカミと1匹のドラゴンの戦士の体がしびれた。
「大地の裁きを!」
サムは魔法で大きな地響きを起こした。7匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は少し表情が苦しくなった。
「星の裁きを!」
ドラゴンの賢者は魔法で大量の隕石を落とした。だが5人はびくともしない。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、氷を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの賢者は表情が苦しくなった。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの賢者はますます表情が苦しくなった。
「死ね!」
黒いオオカミは目を赤く光らせた。突然、マルコスとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「ガオー!」
ドラゴンの戦士は灼熱の炎を吐いた。だが3人はびくともしない。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。7匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は倒れた。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンはレミーに噛みついた。レミーは一撃で倒れた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。6匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミは少し表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。6匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミは表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。6匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミはますます表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いオオカミは倒れた。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。別の黒いオオカミは倒れた。
「死ね!」
ドラゴンの戦士は目を赤く光らせた。突然、レミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、レミーとバズを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。4匹は大きなダメージを受け、残った黒いオオカミは倒れた。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンは灼熱の炎を吐いた。だが5人はびくともしない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。3匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士は少し表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。3匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士は表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。3匹は大きなダメージを受けた。2匹のドラゴンの戦士は倒れ、黒いドラゴンは少し表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いドラゴンは表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。黒いドラゴンはますます表情が苦しくなった。
「とどめだ!」
サラは灼熱の炎を吐いた。黒いドラゴンは倒れた。
「敵が多いわね」
「そんなこと言ってないで進みましょ!」
5人は更に進もうとした。だが、すぐに敵が襲い掛かってきた。2匹の黒いオオカミと4匹のドラゴンの戦士と2匹の黒いドラゴンとドラゴンの賢者だ。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。9匹は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。9匹は大きなダメージを受け、1匹の黒いオオカミと3匹のドラゴンの戦士は体がしびれた。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で溶岩を起こした。9匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は少し表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
ドラゴンの賢者は魔法で強烈な雷を落とした。5人は大きなダメージを受けたが、しびれない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの賢者は表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの賢者はますます表情が苦しくなった。
「死ね!」
黒いオオカミは目を赤く光らせた。突然、マルコスとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「食らえ!」
ドラゴンの戦士は持っていた槍でサラを突いた。だが、サラの皮膚は硬く、槍が真っ二つに折れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとレミーを復帰させた。
「グルルル・・・」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。9匹は大きなダメージを受けた。ドラゴンの賢者は倒れ、2匹の黒いドラゴンは目が回った。
「ガオー!」
黒いドラゴンは氷の息を吐いた。5人は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「グルルル・・・」
もう1匹の黒いドラゴンはサムに噛みついた。サムは一撃で倒れた。
「命の奇跡を!」
バズは魔法でサムを復帰させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。8匹は大きなダメージを受け、2匹の黒いオオカミは少し表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いオオカミは表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。黒いオオカミは倒れた。
「死ね!」
ドラゴンの戦士は目を赤く光らせた。突然、サムとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、サムとバズを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。7匹は大きなダメージを受け、黒いオオカミは倒れた。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンはバズに噛みついた。だが、目が回っていて、簡単によけられた。
「ガオー!」
もう1匹の黒いドラゴンはサラに噛みついた。だが、サラの皮膚は硬く、歯が欠けた。
「雪の裁きを!」
バズは魔法で猛吹雪を起こした。6匹は大きなダメージを受け、4匹のドラゴンの戦士は少し表情が苦しくなった。
「大地の裁きを!」
続けてバズは魔法で大きな地響きを起こした。6匹は大きなダメージを受け、4匹のドラゴンの戦士は表情が苦しくなった。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。6匹は大きなダメージを受け、4匹のドラゴンの戦士はますます表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの戦士は倒れた。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。別のドラゴンの戦士は倒れた。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。4匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士は倒れた。
「グルルル・・・」
続けてサラは氷の息を吐いた。2匹の黒いドラゴンは大きなダメージを受け、少し表情が苦しくなった。
「ギャオー!」
黒いドラゴンはサムに噛みついた。だが、目が回っていて、簡単によけられた。
「グルルル・・・」
もう1匹の黒いドラゴンは灼熱の炎を吐いた。だが、5人はびくともしない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。2匹の黒いドラゴンは表情が苦しくなった。
「大地の裁きを!」
続けてバズは魔法で大きな地響きを起こした。2匹の黒いドラゴンはますます表情が苦しくなった。
「とどめだ! 天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。2匹の黒いドラゴンは倒れた。
5人は進み続けた。だが、なかなか出口が見えない。それでも5人は進み続けた。このままではあと1時間半で自分が消えてしまう。人間も消えてしまう。
しばらく歩いていると、出口が見えてきた。その先には台座ではなく、骸骨が垂れ下がっている。
「出口だ!」
「今度は何だろう」
ようやく出口が見えた。だが、あと少しの所で敵が襲い掛かってきた。3匹の黒いオオカミと3匹のドラゴンの戦士と黒いドラゴンとドラゴンの賢者だ。
「大地の裁きを!」
バズは魔法で大きな地響きを起こした。8匹は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。8匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミと2匹のドラゴンの戦士は体がしびれた。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。8匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
ドラゴンの賢者は魔法で巨大な火柱を起こした。5人は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの賢者はますます表情が苦しくなった。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの賢者は倒れた。
「死ね!」
ドラゴンの戦士は目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「グルルル・・・」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。7匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミは少し表情が苦しくなった。
「ガオー!」
黒いドラゴンはサムに噛みついた。だが、サムは倒れない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。7匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミは表情が苦しくなった。
「大地の裁きを!」
続けてバズは魔法で大きな地響きを起こした。7匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミはますます表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。7匹は大きなダメージを受けた。3匹の黒いオオカミは倒れ、ドラゴンの戦士は3匹とも体がしびれた。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの戦士は少し表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの戦士は表情が苦しくなった。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。4匹は大きなダメージを受け、1匹のドラゴンの戦士は倒れた。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。3匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士は少し表情が苦しくなった。
「ガオー!」
黒いドラゴンはレミーに噛みついた。レミーは一撃で倒れた。
「命の奇跡を!」
バズは魔法でレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。3匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士は表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。3匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士はますます表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの戦士は倒れた。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。2匹は大きなダメージを受けた。残ったドラゴンの戦士は倒れ、黒いドラゴンは少し表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
続けてサラは氷の息を吐いた。黒いドラゴンは表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
バズは魔法で強烈な雷を落とした。黒いドラゴンはますます表情が苦しくなった。
「とどめだ! 天の裁きを!」
続けてバズは魔法で黒いドラゴンを氷漬けにした。黒いドラゴンは倒れた。
洞窟を抜けると、そこは部屋だ。部屋の至る所に骸骨がある。とても不気味な部屋だ。
「ここに石板があるのかな?」
マルコスは部屋の真ん中にぶら下がっている骸骨をよく見た。口の中に石板がある。
「骸骨の口の中にある!」
「口が閉じるんじゃないかな?」
石板を取ろうとしたら、口が閉じて手が?みちぎられるんじゃないか? レミーは不安になった。だが、取らなければ明日はない。
「取ろう!」
サラは石板を取った。だが、口は閉じない。レミーは首をかしげた。
だがその時、周りにある骸骨が動き出し、1つに固まった。骸骨は巨大な黒いドラゴンゾンビになった。
「こんな仕掛けだったのか」
巨大な黒いドラゴンゾンビが襲い掛かってきた。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。だが黒いドラゴンゾンビはびくともしない。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。それでも黒いドラゴンゾンビはびくともしない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。黒いドラゴンゾンビはしびれない。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いドラゴンゾンビにはあまり効かない。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。黒いドラゴンゾンビの表情は変わらない。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。黒いドラゴンゾンビはバラバラにならない。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。黒いドラゴンゾンビの体に火が点かない。
「死ね!」
黒いドラゴンゾンビは目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「天の裁きを!」
バズは魔法で強烈な雷を落とした。黒いドラゴンゾンビはしびれない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。黒いドラゴンゾンビの体に火が点かない。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。だが黒いドラゴンゾンビはびくともしない。
「ここで死ね!」
黒いドラゴンゾンビは死の息を吐いた。レミーは一撃で倒れた。
「命の奇跡を!」
バズは魔法でレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。それでも黒いドラゴンゾンビには効かない。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で溶岩を起こした。黒いドラゴンゾンビの表情は変わらない。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いドラゴンゾンビには全く効いていないようだ。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。これも全く効いていないようだ。
「死ね!」
黒いドラゴンゾンビは目を赤く光らせた。突然、サムとレミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、サムとレミーとバズを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。それでも黒いドラゴンゾンビの表情は変わらない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。黒いドラゴンゾンビはびくともしない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。黒いドラゴンゾンビの体に火が点かない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。黒いドラゴンゾンビはしびれない。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いドラゴンゾンビはびくともしない。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも黒いドラゴンゾンビはびくともしない。
「死ね!」
黒いドラゴンゾンビは目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーとバズを復帰させた。
「ガオー!」
サラは空高く飛び上がり、炎をまとって体当たりした。黒いドラゴンゾンビは非常に大きなダメージを受け、一気に表情が苦しくなった。
「とどめだ! 星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。黒いドラゴンゾンビは倒れ、ばらばらになった。そして、元の骨に戻った。
「何とか倒したな」
バズは息を切らしていた。疲れているけど、王神龍を封印するまで気が抜けない。
ドラゴンゾンビを倒すと、ぶら下がっている骸骨の後ろに魔法陣ができた。
「さぁ、行こう!」
5人は魔法陣に乗り、玉座に戻った。残すはあと1つ。早く見つけなければ、明日はない。
5人は玉座に戻ってきた。辺りはますます暗くなっている。サラは不安になった。あとどれぐらいなんだろう。でも、焦ってばかりいたら時間を食って人間が絶滅してしまう。
サラは闇の石板をはめた。石板はくぼみと一体になり、光り出した。あと1つになった。だが、本当にこれで王神龍の元に行けるんだろうか? サラは不安になった。だが、進めなければ何も起きない。
「残り1個か」
光る床をじっと見て、サラは思った。全部集めると、何が起こるんだろう。
「あと少しだね」
「うん」
「頑張りましょ!」
5人は最後の扉に向かった。いよいよこれが最後だ。その先の石板を取って、玉座の裏にはめた時、何が起こるんだろう。
5人は扉の前にやって来た。その扉には時の印が刻まれている。その先には何があるんだろう。
「残るはここか」
「入ろう!」
「うん!」
5人は扉の中に入った。中はつららだらけの洞窟だ。やはりここも最高神のいる祠をイメージしているようだ。
「つららだらけだ!」
「まるで最果ての祠のようだ」
5人は最果ての祠のことを思い出した。今度はどんな仕掛けがあるんだろう。
「きっとこの先に石板があるはずだ! あと少しだ! 頑張ろう!」
5人は期待を胸に進み始めた。だが、すぐに敵が襲い掛かってきた。2匹の黒いオオカミと3匹のドラゴンの戦士と2匹の黒いドラゴンとドラゴンの賢者だ。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。8匹は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。8匹は大きなダメージを受け、1匹の黒いオオカミと2匹のドラゴンの戦士は体がしびれた。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。8匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は少し表情が苦しくなった。
「星の裁きを!」
ドラゴンの賢者は魔法で大量の隕石を落とした。だが5人はびくともしない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの賢者は表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの賢者はますます表情が苦しくなった。
「死ね!」
黒いオオカミは目を赤く光らせた。突然、マルコスとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「息絶えろ!」
ドラゴンの戦士は光り輝く槍でサラを突いた。だが、サラの皮膚は硬く、槍が真っ二つに折れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。8匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は倒れた。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンは灼熱の炎を吐いた。5人は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「ガオー!」
もう1匹の黒いドラゴンは氷の息を吐いた。だが5人はびくともしない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。7匹は大きなダメージを受け、2匹の黒いオオカミは少し表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。7匹は大きなダメージを受け、2匹の黒いオオカミは表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。7匹は大きなダメージを受け、2匹の黒いオオカミはますます表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いオオカミは倒れた。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。もう1匹の黒いオオカミは倒れた。
「死ね!」
ドラゴンの戦士は目を赤く光らせた。突然、サムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、サムとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。5匹は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンは雷を吐いた。だが、5人はしびれない。
「ガオー!」
もう1匹の黒いドラゴンはレミーに噛みついた。レミーは一撃で倒れた。
「命の奇跡を!」
バズは魔法でレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。5匹は大きなダメージを受け、3匹のドラゴンの戦士は少し表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。5匹は大きなダメージを受け、3匹のドラゴンの戦士は表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。1匹のドラゴンの戦士が倒れた。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。4匹は大きなダメージを受け、2匹のドラゴンの戦士は倒れた。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。だが2匹の黒いドラゴンはびくともしない。
「ガオー!」
黒いドラゴンは灼熱の炎を吐いた。5人は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「ギャオー!」
もう1匹の黒いドラゴンはサムに噛みついた。だが、サムは倒れない。
「癒しの力を!」
バズは魔法で5人を回復させた。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。2匹の黒いドラゴンは少し表情が苦しくなった。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大きな地響きを起こした。2匹の黒いドラゴンは表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いドラゴンはますます表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。もう1匹の黒いドラゴンもますます表情が苦しくなった。
「とどめだ!」
サラは灼熱の炎を吐いた。2匹の黒いドラゴンは倒れた。
「しつこいな」
「あと少しよ! 頑張りましょ!」
5人は再び進み始めた。そこは凍り付く程に寒い。まるでサイカビレッジのようだ。
しばらく進むと、洞窟の出口が見えてきた。その先には氷でできた部屋がある。
「出口だ!」
「今度はどんな部屋だ?」
5人は出口に向かって走った。だが、あと少しの所で、敵が襲い掛かってきた。4匹の黒いオオカミと2匹の黒いドラゴンとドラゴンの賢者だ。
「炎の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。だが7匹はびくともしない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。7匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミの体がしびれた。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。7匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は少し表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
ドラゴンの賢者は魔法で強烈な雷を落とした。だが5人はびくともしない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。ドラゴンの賢者は表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。ドラゴンの賢者はますます表情が苦しくなった。
「死ね!」
黒いオオカミは目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。7匹は大きなダメージを受け、ドラゴンの賢者は倒れた。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンはサラに噛みついた。だが、サラの皮膚が硬く、歯が欠けた。
「ギャオー!」
もう1匹の黒いドラゴンはレミーに噛みついた。レミーは一撃で倒れた。
「命の奇跡を!」
バズは魔法でレミーを復帰させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。6匹は大きなダメージを受け、4匹の黒いオオカミは少し表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。6匹は大きなダメージを受けて、4匹の黒いオオカミは表情が苦しくなった。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。1匹の黒いオオカミは倒れた。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。5匹は大きなダメージを受け、3匹の黒いオオカミは倒れた。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。2匹の黒いドラゴンは大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「グルルル・・・」
黒いドラゴンは氷の息を吐いた。だが、5人はびくともしない。
「ガオー!」
もう1匹の黒いドラゴンは灼熱の炎を吐いた。それでも5人はびくともしない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。2匹の黒いドラゴンは大きなダメージを受け、少し表情が苦しくなった。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。2匹の黒いドラゴンは表情が苦しくなった。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。2匹の黒いドラゴンはますます表情が苦しくなった。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いドラゴンは倒れた。
「とどめだ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。残った黒いドラゴンは倒れた。
5人は部屋に入った。そこは氷でできた部屋で、側面には氷漬けになった怪物がいる。
「ここは?」
「氷張りの部屋だ!」
と、サムは向こうにあり大きな黒いマンモスが目に入った。
「何だあの大きなマンモスは!」
サラは黒いマンモスの前にある台座を見た。その上には石板がある。その石板を取れば何かが起こる。果たしてそれは王神龍の元にたどり着ける鍵となるのか?
「石板だ!」
「取るぞ!」
「うん」
5人は石板を取った。その時、向こうの氷が崩れ、その向こうから黒いマンモスが現れた。黒いマンモスは動き出した。
「な、何だ?」
「氷が崩れて現れるとは!」
黒いマンモスはゆっくりと5人に近づいてきた。狙っているようだ。
「ぐずぐず言ってないで、戦うわよ!」
「うん!」
黒いマンモスが襲い掛かってきた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。だが、黒いマンモスはびくともしない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。それでも黒いマンモスはびくともしない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。黒いマンモスはしびれない。
「それっ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。だが、黒いマンモスには全く効かない。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。この攻撃も全く効かないようだ。
「ガオー!」
サラは灼熱の炎を吐いた。黒いマンモスの体に火が点かない。
「グルルル・・・」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。黒いマンモスは目を回さない。
「パオーン!」
黒いマンモスは目を赤く光らせた。突然、マルコスは苦しみ出し、倒れた。
「命の奇跡を!」
バズは魔法でマルコスを復帰させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。黒いマンモスの表情は変わらない。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。それでも黒いマンモスの表情は変わらない。
「食らえ!」
レミーは炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いマンモスは全く効いていないようだ。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。黒いマンモスの表情はちっとも変わらない。
「パオーン!」
巨大なマンモスは目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。それでも黒いマンモスはびくともしない。
「天の裁きを!」
バズは魔法で強烈な雷を落とした。黒いマンモスの表情は変わらない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。それでも黒いマンモスの表情は変わらない。
「大地の裁きを!」
サムは魔法で大きな地響きを起こした。黒いマンモスはそれでもびくともしない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いマンモスには全く効いていないようだ。
「食らえ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも黒いマンモスには全く効いていないようだ。
「ガオー!」
黒いマンモスは目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となて、マルコスとサムとレミーとバズを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。黒いマンモスは微動だにしない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。それでも黒いマンモスはびくともしない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。黒いマンモスの体に火が点かない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。黒いマンモスの体はしびれない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。黒いマンモスの表情は変わらない。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも黒いマンモスの表情は変わらない。
「パオーン!」
黒いマンモスは目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーとバズを復帰させた。
「ガオー!」
サラは空高く飛び上がり、炎をまとって体当たりした。黒いマンモスは非常い大きなダメージを受け、一気に表情が苦しくなった。
「とどめだ! 星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。黒いマンモスは倒れた。
黒いマンモスが倒れると、台座の後ろに魔法陣が現れた。ここに乗れば、玉座の裏に戻れる。
「これで全部そろったわね!」
「うん」
5人は魔法陣に乗り、玉座の裏に戻ってきた。床は光り輝いている。だが、1つだけ、くぼみが光っていない。そこに石板をはめた時、何かが起こるかもしれない。
「早くはめよう!」
サラは石板をはめた。石板は床と一体になり、光り輝いた。そして、その光はよりっそう強くなった。
「これで全部そろったわね」
「ああ」
マルコスは石板をじっと見ていた。何が起こるんだろう。
「これで何が起こるんだろう?」
突然、玉座の裏の壁が光った。5人は驚いた。
「壁が光った!」
「な、何だ?」
光った壁は階段になった。その先は真っ暗だ。その階段はどこまでも続いているように見える。
「隠し階段か?」
「そうみたいだな」
サラは首をかしげた。その階段はどこに続いているんだろう。
「一番高い所に通じているんじゃないかな?」
マルコスは思っていた。この階段は城の一番高い所まで通じていて、その先に王神龍がいるんじゃないかな?
「行ってみよう!」
5人は階段を進み始めた。階段は暗い。その先が見えない。どこまで続くんだろうか?
しばらく進むと、窓から外の景色が見えた。そこから見えるのは、城の塔と見渡す限りの雲の海と夜空だ。もう暗い。時間は午後11時ぐらい。あと1時間ぐらいしかない。急がねば。
進むにつれて、周りには雲の海と夜空しか見えなくなった。どうやらこの階段が一番高い所に続くようだ。
「やはりこの階段が一番高い所に続くようだ」
サラは気を引き締めた。もうすぐ王神龍の所に行ける。これが最後だ。頑張らねば。
5人は城の屋上の展望台にたどり着いた。5人は展望台から真下を見た。そこはアカザ城の最も高い場所だ。地上とは比べ物にならないほどの寒さだ。地上では体感したことのない暴風が吹き荒れていたる。周りに広がるのは、どこまでも続くような雲の海。まるで世界一高い山の頂上にたどり着いたようだ。
サラは前を見た。太陽が沈んでいく。それはまるで消えゆく今の世界のようだった。いや、それはあってはならないことだ。世界を救って再び人間に朝日を見せたい。
サラは下を見た。雲ばかりで何も見えないが、この下に多くの人間がいることを感じた。そう思うと、世界を救わねばならないとより強く感じた。
その時、誰かの声が聞こえた。その声は、城の頂上の展望台の中央から聞こえた。
「ようこそ。いつ来るか楽しみにしていましたよ」
5人は辺りを見渡した。しかし、誰もいない。
「どこだ!」
しばらくして、誰かが蜃気楼のように姿を現した。白い忍者のような服に、白いマント。サラとマルコスとサムは、それが誰なのかわかった。10年前に敗れたロン、いや、王神龍だ。王神龍の姿は10年前と全く変わっていない。その変わらない姿は、王神龍が神のフォースを得て、永遠の命を得て、不老不死となったことを証明していた。
「王神龍!」
サラは叫んだ。そして、10年前に敗れたことを思い出した。今日はその恨みを晴らす日だ。絶対封印して、世界を救わねば。
「ロン!」
レミーは母のことを思い出した。母は毎年夏にロンを探していた。そしてようやく見つけた。それを早く母に伝えねば。
それに反応して、王神龍は裁きの雷を放った。人間だった時の名前を言われたくなかった。
「黙れ! 私はロンではない。私はロンという存在を捨てた。私はやがて世界の最高神となる存在、王神龍である。私は神だ。いい加減にひざまずかんか!」
王神龍は5人をにらみつけた。呼び捨てにした5人は許せなかった。偉大なる創造神王神龍様と言えと叫びたかった。
「いやよ! あなた、悪い神様でしょ? 悪い神様の前で、ひざまずくもんか! それに、あなたがロンだということは、みんな知っているわよ!」
「静かにしろ!」
その時、5人の手前に雷が落ちた。裁きの雷だ。10年前同様、相変わらず強烈だったが、5人はそれで屈することはなかった。4大精霊に守られているからだ。しかし王神龍は驚かない。5人は4大精霊のオーブを手に入れたことを知っていた。裁きの雷を全く受けないことを知っていた。
「やめて!」
「やめろ!」
5人は拳を握り締めた。世界を作り直し、人間を絶滅させようとする王神龍が許せなかった。
「何をする!」
「フッフッフ、私は世界を支配する力、神の力を手に入れた。もう誰も倒せやしない。私に勝てるものなど、この世に存在しない」
王神龍は自信に満ちている。犬神から与えられた大いなる力で、理想の世界を作ってやると野望を抱いていた。
「あなたは人間を苦しめて、それでも人間なの?」
サラの言葉を耳にした瞬間、王神龍は裁きの雷を放った。
「黙れ! 私はもはや人間ではない。君たちは何度言ったらわかるんだ? 私は人間の体を捨て、この世界を作り変えることのできる神となった。私は世界を支配する神の龍、王神龍である!」
サラは拳を握り締めた。こんなことをする王神龍が許せない。
「ほほう。それではそなたに聞く。何故人間は人間と争う。何故人間は人間を苦しめる。そんな人間など、最低のカスだ。そんなこの世界の人間を滅ぼし、新しい世界を作ろうじゃないか?」
王神龍は笑みを浮かべている。もう恐れるものはいない。王神龍には自信があった。犬神に出会い、神の力を与えられ、龍の力も与えられて、王神龍となった。
「そうはさせないぞ。みんな、『愛』を持っている!」
サムは反論した。これまで支えてくれた人々の愛を思い出していた。今度は僕たちがその愛を見せる時だと思っていた。
「いや、人間は『愛』を持ってない! あるのは『悪』ばかりだ! 君たちにはわからないのか?」
王神龍は怒っていた。今まで苦しめてきた人間への怒りに満ちていた。
「『悪』もあるけど、『愛』もあるわ! ちゃんとわかって!」
レミーは母の与えた愛情を思い出した。今度は自分が愛を見せたい。
「うるさい!」
王神龍は再び裁きの雷を落とした。しかし5人は雷をよけた。
「やめろ!」
マルコスは拳を握り締めた。
「憎しみしか生まない人間など、この世界にはいらない。私が私を崇拝する人間だけの世界をつくろうではないか!」
王神龍は明日、自分は世界の最高神になることを夢に見ていた。
「家族! 身内! 友達! みんな愛で生かされ、守られている。なのにどうして、人間を滅ぼそうとする?」
サラは5人を代表して熱く語った。
「うるさい!」
王神龍はまたしても裁きの雷を落とした。
「もう言うな! 私は人間ではない! ロンではない! 明日からこの世界を支配する神、王神龍だ!」
王神龍は拳を握り締めた。これまでに自分を苦しめてきた人々のことを思い出すと、今でも腹が立つ。
「何を言ってるの? 人間を消さないで! 人間も大切よ!」
サラはこの旅で会った人々のことを思い出した。この人たちのためにも、世界を救わねば。
「憎しみしか生まない人間など、ただのカスだ! 消えればいい!」
王神龍は地上の人たちに向かって裁きの雷を放った。下の人には当たらなかったが、木が折れた。
「やめろ王神龍!」
サムは拳を握り締めた。洗脳され、邪教の言いなりにされた。
「裏切者めが! これでも食らえ!」
王神龍は裏切り者のサムに向かって裁きの雷を放った。だが、サムに当たらない。
「もうやめろ、人間の敵が!」
バズは杖を振り、強烈な雷を落とした。だが、王神龍には当たらない。
「人間はこの世界の敵だ! 消えればいいのさ!」
王神龍は不敵な笑みを浮かべた。この世界を汚れさせる人間が許せない。この世界から消え去ればいいのさ。
「そんなことはない! 人間もかけがえのない命! そんなのを消そうとするなんて、許せない!」
サラは今までに出会った人々の想いを考えた。必ず世界を救って彼らに会うんだ!
「黙れ! 人間の味方め!」
王神龍は裁きの雷を放った。だが、5人には当たらない。
「やめろって言ってるんだ!」
サムは怒った。人間を苦しめ続け、消そうとする王神龍が許せなかった。
「うるさい!」
王神龍はまたもや裁きの雷を放った。それでも5人には当たらない。
「ロン、お願い、やめて!」
突然、後ろで女の声がした。5人は振り返った。そこにはフェネスがいる。服がボロボロで、立つのも困難そうだ。
「お母さん?」
レミーは驚いた。まさかこんな所で再会できるとは。だが、今は再会できたと喜んでいる場合じゃない。最後の戦いのときだ。それも、人間の明日をかけた戦いだ。まだ喜べない。
「フェネス先生!」
サラとマルコスも驚いた。こんな所で会えるなんて。
「あの時守れなくて、ごめんね」
フェネスはいじめられていたロンを守ることができなかったことを謝った。今なら間に合う。謝れば、元の優しいロンに戻ってくれると思っていた。
「もう遅い! 一生かけても償えぬ罪だ!」
だが、ロンは裁きの雷を放った。フェネスは大きなダメージを受けたが、何とか立ち上がった。
「そんなことをする神なんて、許せない!」
マルコスは拳を握り締めた。今すぐあいつをぶん殴りたい。
「あなたはどうしてこんなにも人間を憎むの?」
サラの問いかけに、すると、王神龍は表情を変えた。
「私はかつて人間だった。私は楽しい一家団欒を夢に見ていた。家族愛に包まれていきたかった。しかし私は愛に包まれなかった。生まれてすぐ両親は離婚した。私はアルコール中速の父と暮らした。毎日酒を飲み、暴力をふるう父が嫌いだった。学校では父に殴られたあざのことでいじめにあった。地獄のような日々だった。その時私は思った。人間が憎い。いつかすべての人間を苦しめたい。大学生になって、経済学を学んでいる時も、そんな気持ちでいっぱいだった」
王神龍は拳を握り締めていた。忘れたくても忘れられないつらい思い出であり、それが自分を動かす力だった。
ロンの人生は全くと言っていいほど幸せではなかった。
ロンはメンス家の長男として生まれた。兄弟姉妹がいなかった。
ロンは母親にあやしてもらった記憶がない。ロンが生まれた直後、両親が養育費でもめて、離婚したからだ。あやしてもらったのはロンが物心つく前のことだ。両親が離婚してから、ロンは父との2人暮らしだった。
父は全く働かなかった。職業訓練校に通わなかった。職業安定所に行かなかった。そのため、全く金がたまらなかった。借金がたまるばかりだった。
そんな父は毎日パチンコ屋に行っていた。父はパチンコ屋で10時間近く打ち続けたこともあった。しかし、お金がたまることは全くなかった。
父は酒癖が悪く、家ではロンにたびたび暴力をふるっていた。そのため、ロンの顔はあざだらけだった。
ロンは6歳の春に小学校に入学したころからいじめられていた。それはどれもひどい内容だった。直や細かくちぎった消しゴムを授業中に投げつけられた。授業中、教科書やノートで頭を叩かれた。トイレに行くと、頭上から大量の水をかけられた。自分の机や椅子に大量の画鋲が置かれていた。通りすがりにわざと殴られ、あるいは物で叩かれた。歩いていると、いじめグループに通せんぼをさせられた。金を持ってこいと電話やメールで脅迫された。いたずら電話やメールが何度も届いた。自分の持ち物を取られ、隠され、破壊され、時には焼却炉で燃やされた。
それでも先生は遊びだと思い、ロンをかわいそうだと思わなかった。ロンはその様子を憎たらしく見ていた。
何をやってもだめで、損ばかりしていた。誰からも頼りにされず、誰にも助けてもらえなかった。友達が1人もおらず、孤独な毎日を送っていた。そのため、いつも暗い表情をしていて、コミュニケーション能力に欠けていた。
唯一の良いところは、成績が良かったところである。しかし、それは全く生かされなかった。コミュニケーション能力に欠けているため、就職先では全くと言っていいほど使い物にならなかった。いつ解雇されてもおかしくなかった。
貧しい生活のため、十分な服が買えなかった。そのため、いつもぼろぼろの服を着ていた。はやりのテレビゲームや携帯ゲームのソフトをさせてもらえなかった。普通の子供なら普通にさせてもらえるのに、ロンにはさせてもらえなかった。手が汚いと思われたからである。無理やり取り上げて、何とかやろうとした。しかし彼にはできなかった。以前取り上げた時に仕返しをされたからだ。また仕返しをされると思った。
それらのことをロンの学校の生徒は知っていたものの、止めようとする勇気がなかった。離れたところでロンを見ているだけだった。中には、その様子を笑う人もいた。弱弱しいロンがおかしくてたまらなかったからだ。
その時、ロンは人類に対して不信感を覚えた。彼らは僕を無視している、馬鹿にしていると思った。いつか、奴らを痛い目にあわせたかった。彼らが苦しむ顔が見たかった。どれだけ苦しい思いをしてきたか、わかってほしかった。
彼らは知らなかった。後にその思いが世界を揺るがすこととなる。それによって、人間は絶滅の危機にさらされる。
中学校になるとロンへのいじめはさらにひどくなった。いじめグループの人数が増え、更に多くの子供たちがいじめるようになった。ロンの憎しみはより一層強くなっていった。
中学校2年になると、ロンはいじめを避けるために、学校の制服を着て家を出たまま学校に行かなかった。近くの川にかかる橋の下の土手で、誰にも見つからないように、じっとしていた。
お昼になったら私服に着替えて近くのコンビニに行き、弁当を食べていた。そして、下校時刻まで帰らないことが多かった。
学校に行くのは1ヶ月に数回ぐらいだった。いじめの事実を知らない担任の先生は、学校をさぼってばかりいるロンを許さなかった。学校に来るたび、ロンは担任の先生に叱られた。それでも行こうとしない場合、先生は父を呼び出し、まっすぐ登下校するように伝えた。しかし、何度伝えても父はそれをロンに言うことはなかった。
ロンの父は、ロンが15歳の時に死んだ。高校の入学式の翌日だった。自宅で気を失っているのを知り合いに発見された。父の知り合いはすぐに通報した。しばらくして、救急隊が駆けつけて、救急車で病院に運ばれた。しかし、父はすでに死んでいた。父の死因はアルコール飲料の飲みすぎによる肝硬変だったらしい。
通夜や葬儀では、父の関係者の多くが、涙を流し、悲しんでいたという。ロンはまだ若いにもかかわらず、しっかりと通夜や葬儀の司会をした。
ロンは全く涙を流さず、悲しまなかった。人から見ると、真剣に視界をやっているから涙を流さないように見えた。しかし本当は、父が許せなかったからだった。
高校生になると、ロンはいじめられなくなった。しかし、その理由は先生に話して解決したからではなかった。いじめられていた生徒と別の高校になったからである。
ロンは高校を卒業後、サラリーマンとなった。しかし、サラリーマンになってもロンは表情が暗く、全く友達ができなかった。仕事もほとんどさせてもらえず、上司から頼りにしてもらえなかった。ただ金をもらい、生きていくために仕事に就いているだけのようだった。
王神龍は更に語った。王神龍は不気味な笑みを浮かべている。
「そんなる日、私は犬神に出会った。私は犬神から、世界を支配する力、『神の力』を得ることができる、『神のオーブ』を与えられた。そして私は『神の力』を得た。それから私は、半年の眠りを経て、ロンという存在を捨て、世界を支配する神、王神龍となった」
それは10年半前のことだった。ここはリプコットシティの郊外にある住宅地。この住宅地にはおよそ10万人の人が住んでいる。この住宅地はリプコットシティの中心部から少し離れた丘陵地にあり、電車に乗るとおよそ30分でリプコットシティの中心部に行くことができる。この住宅地にはたくさんの1戸建て住宅やいくつもの高層マンションが立ち並び、その街で働く人々やその家族が多く暮らしていた。
また、この住宅地の中には女子高校があり、朝は多くの女子高生が乗り降りする。この住宅地ができたのは、女子高校ができたからだ。住宅地ができたことによって、人口が増え始め、急速に発展していった。この住宅地ができたころ、そこに住む人はこの高校に通勤する子供たちの家族がほとんどだった。しかし、リプコットシティの中心部に近いことから、この住宅地ではリプコットシティの中心部に働く人々やその家族も暮らすようになった。そのため、さらに人口が増えた。
住宅地の高架線を1本の電車が走っていた。その電車はステンレス製の車体で、下半分が青く塗装されていた。ドアは1両あたり4扉。車内はロングシート。1両の長さはおよそ20m。その電車は10両編成だった。この路線はこの近くに女子高校ができるおよそ30年前にできた。開業当初は2両編成の電車が走る路線で、とても閑散としていた。日中の電車に誰も乗っていないことがしばしばあった。
しかし、女子高校ができてからは線路改良により高架線となり、電車が4両編成になった。その後、住宅地の住人が多くなり、さらなる人口増加によって利用者が増え、今では10両編成の電車が常に走っている。現在の時間帯、10両編成の車内はすいていた。乗客はまばらで、つり革につかまる客はおらず、ロングシートには空席が目立っていた。ラッシュアワーにはあふれんばかりの乗客を乗せて走っているらしい。今はとても静かな車内だった。聞こえるのはインバータの音と線路の継ぎ目の音だけだった。
そんな電車の先頭車両に、1人の男が乗っていた。その男は誰も座っていないロングシートに座り、下を向いていた。とてもハンサムな顔をしていたが、表情はとても暗そうだった。その男の名は、ロン=メンス。この街の中心部で働く会社員だ。
ロンは入社して4年目。今年の秋に36歳になった。ロンは、いつものように仕事を終えて、帰路についていた。ロンは、黒い背広の上に白いコートを着ていた。左手には黒い鞄を持っていた。冬のロンは、いつもこんな服装だった。
ロンは複数の路線を乗り継いで職場に向かっていた。通勤時間はおよそ1時間。その仕事はとても忙しくて、帰るのが午前0時以降という日も少なくなかった。しかし今日は午後6時で終わることができた。仕事の量がいつもより少なかったからだ。ロンはとても疲れていたが、しっかりと仕事をこなしていた。その頑張りは、昇進できるぐらいだった。そんなロンを尊敬する後輩もいた。しかし、ロンは表情の悪さでなかなか昇進できずにいた。ロンは昇進しようとありとあらゆる努力をしたが、どれも無駄だった。その原因はどれも表情の悪さだった。
電車の車内で、ロンは今日あったことを思い出していた。目を閉じると、今日あったことが走馬灯のようによみがえる。ロンは今日も上司に怒られた。その原因は接客態度の悪さだった。
「メンス、なんでお前はいつも暗い表情をしているんだ。もっと笑顔で接客しろ。雰囲気が暗くなるだろ。じゃないとクビにするぞ!」
上司の怒鳴り声で、ロンは目を覚ました。しかし、そこに上司の姿はなかった。ロンは夢を見ていたのだ。ロンは上司の叫び声を思い出していたのだ。それを思い出すと、ロンは下を向いてしまう。電車の車内から、ロンは街の明かりを見ていた。まだ6時だからか、いつもより街の明かりが多かった。とてもきれいだ。どこもとても温かそうだ。おそらく、彼らは家族そろって晩ごはんを食べているのだろう。
これを見るたび、ロンは思った。とてもうらやましい。いつか、彼らのような幸せな家庭を築きたい。でも、幸せな家庭を築けるのは、いつなのだろう。ひょっとしたら、築けないまま、一生を終えるのでは?そんなの嫌だ。早く幸せになりたい。ロンはいつの間にか涙目になっていた。
ここ最近、ロンは落ち込んでいた。毎日のように接客のことで上司に注意されたからだ。積極的な態度を取らず、いつも暗い表情をしているからである。こんな顔をしていたら、接する相手も暗くなってしまう。早く改善しろ。上司は何度言われてもなかなか改善しようとしないロンにあきれ顔だった。頼りにならないと思っていた。
ロンは入社して14年も経つのにちっとも進歩していない。すでに1年の試用期間を経て、正社員となったはずだ。これ以上進歩しない状況が続くならば、解雇して、新しい社員を探さなければならない。他の上司は、早くロンより素晴らしい社員がやってこないか期待していた。いつ解雇になってもおかしくない状況だった。新しい社員が入ってきたら、即解雇になることは間違いなしだった。
ロンはロングシートに座っていた。目を閉じると、今日の上司の恐ろしい形相が目に浮かぶ。そのたびに、ロンは起きあがった。その直後のロンは汗をかいていた。冬なのに汗をかいていた。ロンはあたりを見渡した。汗をかいているところを誰にも見られたくなかった。見た人がいないか心配だった。
ロンが降りる駅のホームでは、多くの女子高生が帰りの電車を待っていた。ある女子高生は立ち話をし、ある女子高生は文庫本を読み、ある女子高生は携帯ゲームをしていた。何人かの女子高生は大きなカバンを持っていた。その中にはゴルフやラケットが入っていた。この駅ができたのは、彼女たちの通う女子高校ができたことで、その交通手段を確保するためだった。その後、駅の近くに大規模な住宅地ができて、さらに乗客が増えた。それによって、通勤客も多くなった。
ホームに自動放送が流れた。
「まもなく、1番線に電車がまいります。黄色い線までお下がりください」
「まもなく、2番線に電車がまいります。黄色い線までお下がりください」
ロンを乗せた電車は駅の手前の急カーブにさしかかった。このあたりは急カーブがあるため、この先の駅を通過する快速も徐行しなければならない。電車はキーキーと音をたてて、ホームに近付いてきた。電車は、1本の島式ホームの駅にとまった。
ロンを乗せた電車が1番線に到着した。ドアの開閉を知らせるチャイムが流れ、右側のドアが開いた。乗客が1人降りてきた。このホームは緩やかな急カーブの途中にあり、電車とホームに間が広く開く箇所がある。そのため、隙間の広いところには、黄色いランプが点滅していた。また、この駅では、電車が到着すると、「足元にご注意ください。」という自動放送が流されていた。
間もなくして、逆方向から向かいのホームに電車がやってきた。その電車は、ロンの乗ってきた電車と違う形式で、少し古そうだった。こちらもステンレス製で、ボデーの下半分が青く塗装されていた。こちらの電車も10両編成で、この電車も乗客が少なかった。
電車のドアが開いた。しかし、ドアの開閉を知らせるチャイムが鳴らなかった。その電車には、そのチャイムが取り付けられていなかった。降りる人はいなかった。この駅から乗る客の大半はこの近くにある女子高生だ。
ロンはこの駅で降りた。外に出た瞬間、ロンは少し震えた。外は寒い。冷たい北風が吹いた。今日の天気は曇り時々晴れ、最高気温は摂氏6度。例年より少し寒いという。天気予報によると、深夜には雪が降るかもしれないという。街の人の中には雪が降ってほしいと祈る者もいた。このあたりで雪が降るのはごくまれで、1年に数回降るか降らないかだ。ロンも降らないかどうか気になっていた。ロンは雪が降ってほしかった。滅多に見ることのできない雪を見たかった。
乗客の乗り降りが終わった。
「扉が閉まります。ご注意ください」
駅の自動放送が流れた後、発車を知らせるブザーが鳴った。その時、1人の乗客が駆け込んできた。セーラー服を着た少女で、駅で待っていた高校生と同じ高校に通う生徒と思われる。ブザーが鳴り終わると、最後尾の運転席から出てきた車掌が最後尾の運転室から上半身を出した。車掌は、乗降客がいなくなったのを確認し、口にくわえていた笛を鳴らした。ドアの下に取り付けられたスピーカーから流れるチャイムとともに、ドアが閉まった。電車は警笛を一度鳴らして、可変電圧可変周波数インバータ制御装置特有の唸り音をあげ、ゆっくりと動き出した。電車は駅を後にした。電車は漆黒の闇に消えていった。
「扉が閉まります。ご注意ください」
少し遅れて、もう一方の電車のドアも閉まった。しかし、チャイムは鳴らなかった。電車は駅を後にした。唸り音がなく、とても静かだった。おそらく抵抗制御方式だろう。
ロンは階段を下りた。この駅は2階がホームで、1階が改札口だった。改札口の横には、事務室があり、何人かの駅員がいるが、この時間帯はいなかった。この駅は、最も混雑する平日の朝を除き、無人駅となる。その間は、その隣の駅で一括管理しているという。
ロンは有効期限半年の定期券を自動改札機に通して駅の外に出た。駅前にはバスの回転場があり、ここから路線バスが発着している。しかし、路線バスがたった今出てしまい、バス停は静まり返っていた。しかし、そのことをロンは全く気にしていなかった。ロンの家は、徒歩でも疲れないぐらい近かった。駅から家までは歩いて10分程度だ。そのため、ロンは路線バスを使ったことがほとんどなかった。使うのは、ここから少し離れたところにある市役所などに行く時ぐらいだ。今使っている定期券は、有効期限が切れるまであと4ヶ月足らずだった。
駅を降りた人々のほとんどは、女子高生だった。学校帰りなのだろう。女子高生は騒々しく騒いでいた。駅前では、女性が路上に座っていた。フリーターだろうか。駅前の女性は、まるでコギャルのようなメイクをしていた。夜中に繁華街を歩きまわっていたのだろうか。ロンは、そんな女子高生を見ずに、まっすぐ家路を急いだ。明日も朝早くから仕事が始まるからだ。少し遅いが、今日はゆっくり休み、明日に備えよう。早く寝ないと、寝坊して遅刻する。
ロンは駅のロータリーを後にして、1車線の道路横の歩道を歩いていた。太陽は5時ぐらいに沈み、街は闇に包まれていた。北から吹く冷たい北風が身にしみる。ロンは少し震えていた。冬の日の入りは早く、夏と比べると一目瞭然だった。夏は午後7時ぐらいに沈むのに対して、冬は午後5時ぐらいに沈む。夏に仕事から帰ってくる時は、明るかったのに対して、冬は日が沈み、暗い。その歩道の所々には街灯が立っていた。道路では家路を急ぐ車が多く行き交っていた。歩道沿いに設けられた街灯が、街を行く人、道路を走る車、マンションを照らしていた。とてもロマンチックな光景だが、ロンにとっては、ロマンチックだと感じるよりも、うらやましいと感じる。これほどロマンチックなことを経験した事がなかった。
その時、ロンは子供たちとすれ違った。ロンはそれに気付き、振り返った。子供たちはランドセルを背負っていた。みんな黄色い帽子をかぶっている。1年生と思われる。もう下校時刻は過ぎている。おそらく塾の帰りだろう。彼らは笑顔を見せながら喋っていた。とても楽しそうだった。
その姿をロンはうらやましそうに見ていた。多くの友達に囲まれて、楽しそうにしているからだ。自分もこんなに囲まれたかった。もし、自分がこの子供たちだったら、どんなに幸せだろう。あのころに戻りたい。もう一度人生をやり直したい。でももうやり直せない。人生とはやり直しのきかないものだ。ロンはそう思っていた。
ロンは、家路に向かっていた。ここから家までは、10分近くかかる。歩いても疲れない距離だった。近頃、このあたりは再開発が進み、この通りには瀟洒な街灯が設置された。街灯は、暖かそうにロンを照らしていた。しかし、ロンの心は暖かくならなかった。今日のことで落ち込んでいるからだ。
ロンは近頃、憎たらしい人類を殺し、自分の思い通りの世界を作りたいと思うようになっていた。幸せな家庭なんか、誰からも頼りにされたいなんか、どうでもいいと思っていた。父や、いじめていたやつらのような人類を、この世界から滅ぼしたかった。そして、自分の思い通りの世界を作りたいと思っていた。しかし、ロンは、人前では絶対に言わなかった。変人扱いされ、警察に捕まって、精神鑑定をさせられるからである。精神鑑定が一体どういう内容なのか、まったくわからない。でも、恐ろしいことをさせられるに違いない。ロンはとても怖がっていた。
家まであと少しの所に差し掛かったその時、ロンは誰かの気配に気づいた。突然かすかな風が吹いたからだ。ロンは振り向いた。しかしそこには誰もいなかった。
ロンは、誰かが待ち伏せしているんだろうと思った。いじめようと待ち伏せているんだろうと思った。誰もいないことを確認すると、ロンは前を向き、家に向かって歩き出した。下を向いてばかりでは何も進まない。前を向いて現実と向き合おう。ロンは心の中で言い聞かせていた。
近頃、ロンは誰かにつけ狙われているような感じがしていた。気配を感じて振り向いても、誰もいなかった。ロンは首をかしげた。ひょっとして、あのいじめグループ?それとも、誘拐犯?ロンは不安になっていた。上司や同僚に相談したが、原因は全くわからなかった。精神科にも相談したが、それでも原因はわからなかった。
ロンは再び前を向いて、家に向かった。みんな家の中にいて、目の前には、誰もいなかった。明かりは全くついてなかった。もう寝静まったんだろう。とても静かだった。横から誰かが出てきて、襲い掛かってきそうだった。ロンは緊張していた。
ロンはその時、見知らぬ獣人につけられていることに気が付いていなかった。ロンの後ろには、陰陽師のような服を着た獣人がいた。その獣人は鋭い目でロンを見ていた。まるでロンを狙っているようだ。
その獣人は帰宅途中のロンに声をかけた。その声は20代の若者のようで、はきはきとしていた。
「ねぇ」
その時、誰かの声が聞こえた。聞いたことのない人の声だ。誰だろう。ひょっとして、誘拐犯?ロンはそう思い、緊張しながら後ろを振り向いた。しかし、そこには誰もいなかった。見えるのは、街の明かりだけだった。
ロンは首をかしげた。昨日もこんなことがあったからだ。誰かの声が聞こえるのに、誰もいない。透明人間?ゴースト?ドッペルゲンガー?それとも、自分をいじめている奴ら?ロンはますます不安になった。
実はその時、獣人はある力によって姿をくらましていた。だから、ロンには見えなかった。
その間に、獣人は瞬間移動して、ロンの前に現れた。そして、ロンの前に姿を現した。
ロンは再び前を向いた。ロンは正面の1人の獣人に目がとまった。ロンは驚いた。その獣人は首から下が人間で、顔が柴犬だった。獣人は陰陽師のような服を着ていた。獣人の目つきは鋭く、クールな表情だった。その獣人こそ、犬神だった。
「ねぇ」
犬神は鋭い目線でロンを見ていた。まるで何かを期待しているようだった。
「誰ですか?」
ロンは少し戸惑っていた。犬神が急に出てきたので、驚いていた。
「君、強くなりたい?」
「うん!」
ロンの答えに迷いはなかった。今まで苦しめてきた人々に復讐したいからだ。いつか強くなって、かつていじめていた奴らを見返したいと思っていた。そうしたら、今までの嫌な過去を忘れることができると思ったからだ。
「世界を作り直したい?」
犬神は少しえくぼをのぞかせた。犬神はまるで何かを企んでいるかのようだった。
「うん」
ロンは今の世界にうんざりしていた。今まで自分をいじめてきた人間が1人もいない世界を作りたかった。そして、世界を作り直す神となりたかった。しかし、そんなことは無理だと思っていた。
犬神は笑顔を浮かばせていた。
「それじゃあ、俺について来い。俺が強くしてやる」
犬神はロンと手をつないだ。そしてロンは、獣人とともにどこかに消えていった。ロンの表情はとても嬉しそうだった。これから楽しいことが待っているに違いないと思ったからだ。
その時ロンは、自分に与えられる大いなる力が、どのようなものか、全くわからなかった。そしてこれが、世界を揺るがすおどろしい出来事の発端になるとは、その時誰も思っていなかった。
その後、ロンの姿を見た人は、ほとんどいないという。翌日、ロンが会社に来ないことに気づき、同僚が彼の住むマンションに入ったが、ロンはいなかった。彼はすぐに警察に捜索願を出した。しかし、ロンの行方は分からなかった。まず分かったのが、いつも通り出社したことだった。ロンの様子は普段と変わらなかったという。後に、駅の改札口を抜けたという情報が入った。それが最後の目撃情報だった。
犬神は魔法である森に瞬間移動した。そこはアカザ島のある森で、そこには犬神の隠れ家があるという。
ロンは犬神に連れられて隠れ家にやってきた。そこには結界が貼ってあって、犬神以外の者は見つけることができない。
犬神とロンは部屋に入った。部屋の中は整っていて、本棚には研究のための本がびっしりと並んでいた。
「どうぞ」
そこには、光り輝くオーブがあった。そのオーブこそ、神のオーブだ。これを持つことによって、人間は神の力を与えられ、世界を見守ることができるようになるという。しかし、それを悪用して、世界を作り直そうという奴もいた。犬神もそうだ。
犬神は神のオーブを手に取り、ロンに見せた。
「これは」
光り輝くオーブを見て、ロンは唖然となった。こんなに美しいオーブは見たことがなかったからだ。
「さあ、これを手に。これは『神のオーブ』という。そのオーブに触れた者は神のフォースを手に入れる。神のフォースを手に取ると、その者は神となり、永遠の命を得ることができる。さらに、自分が憎む者を生贄にすることで自分の思い通りの世界を創ることができる」
ロンは、神のフォースを手に取った。その瞬間、ロンは深い眠りについた。実は、神のフォースに目覚めるには、6か月の深い眠りを要す。その間に、神のフォースが徐々に蓄積されていく。
それから半年後、ロンは王神龍として目覚めた。ロンの捜索はいまだに続いていたが、なかなか見つからないため、忘れ去られていた。
「私は、新たなエデンを築き、人間を滅亡させ、世界を支配する神、王神龍として再び生を受けた。世界を支配し、人間を苦しめたいという長年の夢がかなったのだ。互いに争いあい、この世界を破壊し続ける、愚かな人間どもなど、この世界にはいらぬ。愚かな人間のいない、新しいエデンを築こうではないか! 見ろ! 明日になり、あの太陽が再び昇る時、愚かな人間は消え去り、われわれ魔族の新たな世界が幕を開ける。それはまさしく、新たな世界の門出だ。何と素晴らしいことだ。愚か者のいない、賢い魔族ばかりの、素晴らしき世界ではないか。君たちには、それがわからぬのか?どうしてどこまで愚かな人間との共生を願っている。もう諦めろ、愚かな人間ども!」
王神龍は笑みを浮かべた。明日、世界を支配するのは私だ。
「人間が大好きだから。人間にも頭のいい者がいるわ。だから、滅亡させないで!」
サラは反論した。世界を作り直そうとしている王神龍が許せなかった。
「いるわけない! みんな人間をいじめようとする、愚かなものばかりだ!」
王神龍は左手に持っている杖を振った。裁きの雷が落ちてきた。だが、5人には当たらなかった。精霊が彼らを守った。
しかし、王神龍は驚かなかった。精霊が守っていることを知っていたからだ。
「もう遅い。どれだけ苦しんだのか、わからないくせに」
王神龍はレミーに向けて裁きの雷を放った。レミーは素早くよけた。
「私、そんなロン、許せない」
サラは拳を握り締めた。
「ロン、絶対に許さない」
王神龍は不敵な笑みを浮かべた。5人に勝てる自信があった。
「さぁ、かかってこい! 我が世界を支配する神たる所以を見せつけてやる!」
王神龍が襲い掛かってきた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。王神龍の表情は変わらない。
「氷の裁きを!」
続けてバズは魔法で王神龍を氷漬けにした。それでも王神龍の表情は変わらない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。王神龍はびくともしない。
「炎の裁きを!」
王神龍は魔法で巨大な火柱を起こした。5人はびくともしない。
「天の裁きを!」
続けて王神龍は魔法で強烈な雷を落とした。それでも5人はびくともしない。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、雷を帯びた剣で斬りつけた。王神龍の体はしびれない。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。王神龍の体に火が点かない。
「癒しの力を!」
サラは魔法で5人を回復させた。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。それでも王神龍はびくともしない。
「水の裁きを!」
バズは魔法で巨大な水柱を落とした。だが王神龍はびくともしない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。王神龍の体はしびれない。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。王神龍の体に火が点かない。
「なかなか力をつけたな。だが、勝ち目はない。星の裁きを!」
王神龍は魔法で大量の隕石を落とした。5人はびくともしない。
「死ね!」
続けて王神龍は目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。王神龍はびくともしない。
「癒しの力を!」
バズは魔法でサラと自分を回復させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。王神龍には全く効いていないようだ。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。これも王神龍には全く効いていないようだ。
「天の裁きを!」
王神龍は魔法で強烈な雷を落とした。5人は大きなダメージを受け、マルコスの体がしびれた。
「ここで息絶えろ!」
王神龍は目を赤く光らせた。突然、マルコスとバズは苦しみ出し、倒れた。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。王神龍の表情は変わらない。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとバズを復帰させた。
「ガオー!」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。だが王神龍は目を回さない。
「雪の裁きを!」
バズは魔法で猛吹雪を起こした。王神龍は氷漬けにならない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。王神龍は体がしびれない。
「星の裁きを!」
サムは魔法で大量の隕石を落とした。だが王神龍はびくともしない。
「雪の裁きを!」
王神龍は魔法で猛吹雪を起こした。5人は大きなダメージを受け、マルコスとサムとレミーは氷漬けになった。
「ここで死ね!」
王神龍は目を赤く光らせた。突然、マルコスとサムとレミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとサムとレミーとバズを復帰させた。
「グルルル・・・」
続けてサラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。それでも王神龍は目を回さない。
「癒しの力を!」
バズは魔法でサラを回復させた。
「星の裁きを!」
続けてバズは魔法で大量の隕石を落とした。王神龍の表情は変わらない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。王神龍の体はしびれない。
「大地の裁きを!」
王神龍は魔法で大きな地響きを起こした。だが5人はびくともしない。
「死ね!」
続けて王神龍は目を赤く光らせた。突然、レミーは苦しみ出し、倒れた。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、雷を帯びた爪で引っかいた。だが王神龍の体はしびれない。
「命の奇跡を!」
サラは魔法でレミーを復帰させた。
「ガオー!」
サラは灼熱の炎を吐いた。王神龍の体に火が点かない。
「天の裁きを!」
バズは魔法で巨大な火柱を起こした。王神龍はびくともしない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。それでも王神龍はびくともしない。
「雪の裁きを!」
サムは魔法で猛吹雪を起こした。王神龍は氷漬けにならない。
「星の裁きを!」
王神龍は魔法で大量の隕石を落とした。5人はびくともしない。
「死ね!」
王神龍は目を赤く光らせた。突然、レミーとバズは苦しみ出し、倒れた。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、氷を帯びた爪で引っかいた。王神龍はびくともしない。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、レミーとバズを復帰させた。
「ガオー!」
サラは氷の息を吐いた。それでも王神龍は氷漬けにならない。
「雪の裁きを!」
バズは魔法で猛吹雪を起こした。王神龍はびくともしない。
「炎の裁きを!」
続けてバズは魔法で巨大な火柱を起こした。王神龍の体に火が点かない。
「天の裁きを!」
サムは魔法で強烈な雷を落とした。王神龍の体はしびれない。
「星の裁きを!」
王神龍は魔法で大量の隕石を落とした。5人はびくともしない。
「天の裁きを!」
続けて王神龍は魔法で強烈な雷を落とした。それでも5人はびくともしない。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。王神龍はびくともしない。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも王神龍はびくともしない。
「ガオー!」
サラは灼熱の炎を吐いた。王神龍の体に火が点かない。
「ギャオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。王神龍は目を回さない。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。王神龍の表情は変わらない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。王神龍の体はしびれない。
「炎の裁きを!」
サムは魔法で巨大な火柱を起こした。王神龍の体に火が点かない。
「ほほう、なかなかやるな。では、これならどうかな?」
その時、王神龍の体が光り輝いた。眩しいぐらいの光だ。5人は目をつぶった。光を浴びた王神龍は、徐々に龍へと変化していった。手足は鷹のようになり、胴体が長くなった。尻尾が生え、口がワニのようになった。頭からは鹿のような角が生えた。
サラは目を開けた。目を開けるとそこには、光輝く3つ目の白龍がいる。その龍はとても巨大だ。今まで戦ってきた敵とは比べ物にならないほどだ。王神龍は、白龍となった。王神龍は、その名の通り、龍だった。その姿は美しかった。とても邪神と思えないほどだ。
サラは驚いた。その龍は、サラの母が生贄にされる時、幻として現れたあの白龍だった。犬神があの時召喚したのは、王神龍だった。サラは、改めてその夢が正夢だったということを改めて実感した。サラは拳を握りしめた。こいつが母を殺した。母を火あぶりにして殺した。私があの時の仇を討ってやる! サラは誓った。
他の4人は開いた口がふさがらなかった。あまりの巨大さに驚いていた。
「あの時の龍・・・」
サラは母が生贄に捧げられた時のことを思い出した。
「サラ、知っているの?」
マルコスは驚いた。その時、マルコスは意識がなく、儀式を全く見ていなかった。
「お母さんが生贄になった時、炎を吐いていた龍にそっくり」
サラは拳を握り締めた。その龍を何としても封印しなければ。母の命を奪った龍。何としても封印しなければ。そして何より、世界を救うためにも封印しなければ。
「フフフ・・・、覚えているようだな。お前の母が生贄に捧げられた時に現れた白い龍は、私なのだ。私はお前の母の肉体を神炎で焼き払い、彼女の言霊を食らった。とてもおいしかったぞ。それによって私は、新たなエデンを築くための力を蓄えることができた。本当に感謝しているぞ。」
龍となった王神龍は笑みを浮かべた。自分が最も憎んでいた女の魂を食らうことができたからだ。
「許せない! 絶対に許せない! 人間を滅亡させるために、こんなことをするなんて、絶対に許せない!」
巨大な白い龍になった王神龍が襲い掛かってきた。
「星の裁きを!」
バズは魔法で大量の隕石を落とした。だが王神龍には全く効かない。
「天の裁きを!」
続けてバズは魔法で強烈な雷を落とした。これも王神龍には全く効かない。
「雪の裁きを!」
サムは魔法で猛吹雪を起こした。王神龍には全く効かない。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、氷を帯びた剣で何度も斬りつけた。王神龍はびくともしない。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも王神龍はびくともしない。
「ガオー!」
サラは力強く羽ばたき、炎の竜巻を起こした。王神龍は目を回さない。
「グルルル・・・」
続けてサラは空高く飛び上がり、炎をまとって体当たりした。王神龍は大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「ほほう。炎竜神の力を使ってきたか。ならば、私も本気になろう」
王神龍は神の炎、神炎を吐いた。神の炎が全ての命を焼き尽くす。5人は非常に大きなダメージを受けた。
「これでも食らえ!」
続けて王神龍は神の落雷、雷裁を放った。5人は再び非常に大きなダメージを受け、5人とも表情が苦しくなった。
「聖なる光の癒しを!」
バズは魔法で聖なる光を放ち、5人を回復させた。
「もっと力を!」
続けてバズは魔法でサラの力を強くした。
「もっと力を!」
サムは魔法でマルコスの力を強くした。
「それっ!」
レミーは空高く飛び上がり、雷を帯びた剣で斬りつけた。王神龍の体はしびれない。
「食らえ!」
マルコスは空高く飛び上がり、雷を帯びた爪で引っかいた。それでも王神龍の体はしびれない。
「これでどうだ!」
王神龍は神をも凍らす猛吹雪、氷破を放った。5人は非常に大きなダメージを受けたが、氷漬けにはならない。
「これでも食らえ!」
続けて王神龍は全てを破壊する息、死息を放った。5人は非常に大きなダメージを受け、マルコスとレミーは倒れた。
「不死鳥の力を、我に!」
サラは不死鳥となって、マルコスとレミーを復帰させた。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。王神龍の表情は変わらない。
「癒しの力を!」
バズは魔法でサラとサムとバズを回復させた。
「もっと力を!」
続けてバズは魔法でレミーを強くした。
「もっと力を!」
サムは魔法でサラを強くした。
「えいっ!」
レミーは空高く飛び上がり、炎を帯びた剣で何度も斬りつけた。王神龍はびくともしない。
「覚悟しろ!」
マルコスは炎を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも王神龍はびくともしない。
「ガオー!」
サラは空高く飛び上がり、炎をまとって体当たりした。王神龍は非常に大きなダメージを受けたが、それでもびくともしない。体力が高いようだ。
「グルルル・・・」
続けてサラは灼熱の炎を吐いた。王神龍の表情は変わらない。
「ここで死ね!」
王神龍は全てを滅ぼす流れ星、星乱を放った。魔法よりも大量で、大きな星が降り注ぐ。5人は非常に大きなダメージを受けたが、びくともしない。
「世界を支配する神の力を思い知れ!」
続けて王神龍は全てを粉々にする強烈な竜巻、風乱を放った。魔法で起こす竜巻よりもずっと大きく、強力だ。5人は再び非常に大きなダメージを受け、5人とも表情が苦しくなった。
「聖なる光の癒しを!」
バズは魔法で聖なる光を起こし、5人を回復させた。王神龍の攻撃があまりにも強すぎて、普通の魔法では回復が間に合わない。
「もっと力を!」
続けてバズは魔法でマルコスを強くした。
「もっと力を!」
サムは魔法でレミーを強くした。
「食らえ!」
レミーは空高く飛び上がり、雷を帯びた剣で何度も斬りつけた。王神龍の表情は変わらない。
「覚悟しろ!」
マルコスは空高く飛び上がり、雷を帯びた爪で何度も引っかいた。それでも王神龍の表情は変わらない。
「ギャオー!」
サラは氷の息を吐いた。だが、王神龍は氷漬けにならない。
「グルルル・・・」
続けてサラは空高く飛び上がり、炎をまとって体当たりした。王神龍は非常に大きなダメージを受けたが、それでもびくともしない。
「フッフッフ…、私が神のフォースによって何を得たのか、教えてやろう」
王神龍は力をためた。すると、王神龍の体が金色のベールに包まれた。ベールは王神龍の体をさらに大きく、金色に変えていった。雲行きが怪しくなり、台風が発生し、王神龍の頭上に台風の目ができた。
ベールが消えると、7つの首を持つ巨大な金色の龍がそこにいた。成層圏まで届きそうな大きさだった。7つの首はこの世界の要素を表し、それぞれの首がそれぞれの力を発揮し、世界を揺るがす力を放つという。目の前の物を見る左右の目が開いた。
続いて、真実を見る第3の目が開いた。龍は雄叫びをあげた。その龍は光り輝いていた。まぶしいぐらいだった。それこそ、邪神龍王神龍の真の姿だ。その姿は、犬神しか知らなかった。
サラ以外の4人は驚いた。これだけ大きな生き物を見たことがなかった。本当に封印できるのか、不安になった。
しかし、サラの表情は違っていた。全く驚いていなかった。サラはその龍を夢の中で見たことがあるからだ。夢の中で、黒いオーブに封印した時の龍だ。サラはあの言葉を使って黒いオーブにしたのを覚えていた。いまこそドラゴン族最高の聖なる力、カイザーフォースを使う時だ。サラはそう感じた。
「人間、何故、争い合う? 人間、何故、苦しめ合う? そんな愚かな人間は、この世界にいらぬ。我が消し去ってやろう!」
王神龍は怒りに満ちていた。今まで自分を苦しめてきた人間への怒りがにじみ出ていた。
王神龍は、両手を空に向かって掲げ、雄たけびをあげた。王神龍は、神のフォースを解き放った。その威力は凄まじく、まるで世界崩壊のようだった。空が大荒れになり、非常に激しい雷が次々と落ち、全てを吹き飛ばしそうなくらいの豪風が吹き、空から無数の火の玉が落ちてくる。5人は今までに食らったことのない強烈な一撃を受けた。5人は神のフォースの恐ろしさを知った。サラ以外の4人は一撃で倒れた。最初、5人は何が起こったのかわからなかった。
「フッフッフ…、思い知ったか?これが私の手に入れた神のフォースの真の力。これが新たな世界の最高神たる由縁。思う存分味わうがよい。そして、永遠に地獄をさまようがよい。それが私からの最高の贈り物だ。覚悟せよ、小童ども!」
サラは絶望した。もう駄目だ。カイザーフォースをもってしてでも、王神龍を封印することはできないだろう。人間を守ることができないかもしれない。サラは人類のいない明日を想像した。サラは涙を流した。
その後も王神龍は神のフォースを何度も解き放った。サラは瀕死だった。しかし、世界を守りたいという思いがサラを動かしていた。
「サラよ、なぜ私を封印する。そんなに耐えられる」
「守りたい人がいるんだ!」
サラは苦しそうな表情だった。苦しそうな表情の中で、今まで支えてくれた人々、冒険で出会った人々のことを思い出した。彼らのためにも、何としても世界を救わねばと思っていた。
「誰だ?」
「この世界の全ての人々を守りたいんだ!」
王神龍は笑みを浮かべた。サラの思想が面白おかしいと思っていた。
「そんな愚か者を守って何の徳がある?」
サラは怒りに満ちていた。人間を愚か者にするのが許せなかった。
「みんな大切な命なんだ!たとえ愚かであっても、それも大切な命。そんな命を滅亡させるなんて、無茶なことはさせない!」
「フッ・・・、地獄に落ちるがよい!」
王神龍は神のフォースを解き放った。サラは強いダメージを受けた。サラはボロボロだった。しかし、守るべき人のため、何とか立ち上がっていた。しかし、限界に近かった。それでも世界を守りたいという思いがサラを立ち上がらせていた。
「終わりだ、サラ!」
王神龍は神のフォースを解き放った。サラは気を失った。
薄れゆく意識の中で、サラは不思議な声を聴いた。夢でも聞いたことのない声だった。
「サラ・・・、ドラゴン族の血を引く人間よ・・・」
サラは起き上がった。目の前には真っ白なドラゴンがいた。
「えっ?」
「立ち上がれ! この世界のために! この世界に生きる全ての人間のために!」
ドラゴンは魔法でサラに再び力を与えた。
その時、誰かの声が聞こえた。風の精霊、シルフだった。
「今よ、サラ。カイザーの力を解き放ち、カイザードラゴンとなるのよ」
その時サラは、あの夢のことを思い出した。自分が世界を救う夢だった。きっとあの夢の続きは、カイザーフォースを解き放ち、カイザードラゴンとなり、王神龍を封印する夢に違いない。それを夢で終わらせるものか。サラは、カイザーフォースを解き放つことを決意した。
サラは立ち上がり、この世界に生きるすべての人間の平和を4大精霊に願い、目を閉じて叫んだ。
「偉大なるドラゴン族に秘められしカイザーフォースよ。今こそそのフォースを解き放ち、我がドラゴン族に力を与えよ!」
サラは、今まで支えてくれた人々や、ともに戦ったマルコス、サム、レミー、バズのことを考えながら、カイザーフォースを解き放った。
それと共に、4つの光が飛び出した。4大精霊の魂が世界中に散らばっていった。今こそ世界平和への祈りを捧げる時だということを伝えるために。
その頃、ハズタウンではマイクが1人たたずんでいた。暗闇の中、明日が本当に来るのか心配になっていた。サラが封印することができなければ、世界は滅んでしまう。自分もいなくなってしまう。サラは今、どうしているだろうか? 王神龍と戦っているんだろうか?
突然、空から光が降り注いだ。真夜中なのに、どうしてだろう。マイクは空を見上げた。
「な、何だ?」
マイクは呆然となった。何が起こったんだろう。
「真夜中なのに光が射している」
突然、ある物が映し出された。雲の上の高台だ。そこはどこだろう。マイクは食い入るように見始めた。
「サラ?」
あの赤いドラゴンはサラだ。巨大な龍と戦っている。連れ添っている4人は倒れている。サラはたった1人で立ち向かっている。
「誰かと戦ってる!」
その隣にいる女も食い入るように見ていた。誰と戦っているんだろう。
「まさか、王神龍と戦ってる?」
その時、マイクはサラが明かしたことを思い出した。世界を救うために王神龍を封印しようとしている。まさか、あの龍は王神龍だろうか?
「今、1人のドラゴン族の女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
ノームの声が聞こえた。やはりサラが王神龍と戦っているんだ。
「サラ、頑張れ! そして、必ず帰ってきてくれ! そして、平和が戻ったのを共に分かち合おう!」
マイクと隣にいる女はサラに声援を送った。必ず世界を救って戻ってきて! 共に平和が戻ったら、共に平和を分かち合おう。
サイレスシティでは、ウェンディとロブが港で海を見ていた。その先には何も見えない。サラは一体どこで戦っているんだろうか? 2人はサラのことを心配していた。王神龍を封印できたんだろうか?
「光だ!」
ロブは空を見た。すると、真夜中なのに光が射している。真夜中なのにどうして?
「真夜中に?」
ウェンディも驚いた。真夜中にどうして光が射しているんだろうか?
「見て、サラが誰かと戦ってる!」
突然、ウェンディは指をさした。誰かが戦っている様子が映し出された。サラだ。サラが巨大な敵と戦っている。すでに連れ添っている4人は倒れている。そんな中、サラは1人で戦っている。
「本当だ!」
「これが、王神龍?」
ロブは驚いた。まさか、それが王神龍? だとすると、こいつを封印すれば世界は救われる。
「そうかもしれないな」
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
サラマンダーの声が聞こえた。とても真剣な表情だ。これは世界にかかわる重要な場面。絶対に逃がせない。
「サラ、絶対に勝てると信じてる! サラが世界を救ってくれると信じてる!」
ロブは信じていた。必ずサラが世界を救ってくれると。サラは強い。だって奇跡のドラゴンだから。
「頑張れサラ、俺たちのため! そして、全世界の人間のために!」
ウェンディも応援した。サラは負けない。絶対に封印できる。だって、世界を救う運命を背負っているから。
「帰ってきたら、喜びを分かち合おう!」
「待ってるよ! 必ず封印して、帰ってきて!」
ロブは立ち上がり、サラに祈りを捧げた。王神龍を封印して、必ず世界を救って帰ってきて!そして、共に平和が戻った喜びを分かち合おう!
リプコットシティではジェームスが寂しそうに座っていた。周りはがれきの山だ。あと何年すれば元の大都会に戻るんだろう。あの頃が懐かしい。あの頃に戻りたい。でももう戻れない。多くの友達を失った。リプコットシティがどうしてこんな目にあわなければならないんだ。ジェームスは泣きそうになっていた。
「光が!」
ジェームスが見上げると、1筋の光が射している。真夜中なのに、どうして? ジェームスは首をかしげた。
「何だろう」
すると、ある様子が映し出された。赤いドラゴンが巨大な龍に立ち向かっている。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
「サラ?」
シルフは今の状況をジェームスに伝えた。戦っているのは、世界を救おうとしている、奇跡のドラゴン、サラだろう。連れ添っている4人はすでに倒れている。立ち向かっているのはサラだけだ。
「はい、そうです」
「王神龍と戦ってるんだ」
ジェームスは感心した。ついにここまで来た。あと1息だ。こいつを封印すれば、世界は救われる。あと少しだ。
「必ず世界を救うと信じてるぞ! もし世界を救って戻ってきたら、リプコットシティで会おう!」
ジェームスはサラに祈りを捧げた。必ず世界を救ってリプコットシティで再会しよう! そして、平和が戻った喜びを共に分かち合おう。
その頃、エリッサシティではパウロが星空を見ていた。明日はこの星空を見ることができるんだろうか? サラと星空を見たい。そして、平和が戻った喜びを共に分かち合いたい。
「光だ! でもこの時間にどうして?」
突然、光が降り注いだ。真夜中なのに。パウロは驚き、立ち上がった。こんな時間に光なんて、何事だろう。まさか、世界が終ろうとしているのか?
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
目の前にはウンディーネがいる。その声に反応して、リサは起きた。何が起きたんだろう。リサは全くわからなかった。真夜中なのに光が射しこんでいる。
「サラ?」
アカザ城の様子が映し出された。そこにはサラがいる。赤いドラゴンのサラは巨大な龍と戦っている。おそらくそれが、王神龍だろう。
その時、パウロはサラのことを思い出した。リプコットシティで倒れているところを救って、兄妹のように接してきた。
「はい、サラです」
「サラが本当に世界を救おうとしているなんて」
そんなサラが、世界を救うために生まれてきたドラゴンだったとは。
「頑張って!」
パウロはサラに声援を送った。必ず封印して帰ってきて!
「負けるな!」
リサもサラに声援を送った。サラは負けない。だって強い!
「サラ、絶対に帰ってこいよ! 帰ったら、話したいことがあるんだ! だから、生きて帰ってきて!」
その時パウロは、何を話そう考えていた。だがそれは、世界が救われるまで言わないでおこう。
インガーシティではキアラが男と2人ででたたずんでいた。キアラは海を見ていた。その先にはかつてアカザ島があった。故郷だったのに、神龍教によって要塞にされ、城にされて空に飛んで行った。
「な、何だ?」
突然、光が射してきた。真夜中なのに。キアラは首をかしげた。
「どうして光が?」
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
ウンディーネの声だ。このインガーシティにいるという、水の精霊だ。どうして今ここにいるんだろう。キアラは首をかしげた。
「サラ?」
「そうです」
その時、キアラはサラの事を思い出した。今、王神龍を封印しようと戦っているんだろうか? ひょっとして、今見える光景はその様子だろうか?
「ここが、アカザ島だったところ?」
「はい」
キアラは故郷の事を思い出した。もう故郷の面影はない。無念だ。神龍教によって故郷を奪われた。でも、その無念をサラが晴らしてくれる。王神龍を封印することで。
「こんな城になってしまうとは。悲しい。でも、今はそう言っていられない。サラ、頑張れ!」
キアラはサラに声援を送った。必ず世界を救ってまた会おう! そして、平和が戻った喜びを共に分かち合おう!
「頑張って! 世界を救ったら、リプコットシティで会おう!」
その隣にいた男もサラに声援を送った。見知らぬ女だが、これは世界の危機だ。声援を送らなければ、世界は滅んでしまう。
ペオンビレッジでは、長老が星空を見ていた。明日、見れるかどうか。それは今日戦っているだろうサラにかかっている。
「光?」
長老は空を見上げた。真夜中なのに光が射している。一体何だろう。
「どうしてこんな時間に?」
長老は驚いた。どうして今頃光が射すのか? 朝はまだ来ていないのに。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
「まさかこれは、奇跡の光?」
「はい」
長老は古くからの言い伝えを思い出していた。ドラゴン族には、知られざる力が秘められていて、それを発動する時に、光が降り注ぐという。その光は奇跡の光と言われている。
「サラが戦ってるのか?」
「はい」
長老はサラのことを思い出していた。
「これが奇跡の光なのか!」
「必ず世界を救うと信じてるぞ! またペオンビレッジに来てくれ! 待ってるぞ!」
長老はサラに声援を送った。必ず世界を救ってペオンビレッジに戻って来てくれ!
キュラータビレッジでは、マリーが海を見ていた。サラは今頃、どうしているんだろう。王神龍と戦っているんだろうか? それとも、世界を救って、帰還しているんだろうか?
「何この光は?」
マリーは驚いた。こんな真夜中に、どうして光が射しているんだろう。
「夜なのにどうして?」
マリーは首をかしげた。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
「まさか、サラ?」
ウンディーネの声に、マリーは反応した。そして、戦いの様子を見た。連れ添っている4人は倒れて、立ち向かっているのはサラだけだ。だが、サラも倒れそうだ。
「そうです」
「サラ、ついにここまで来たんだね。あと一息。もし世界を救ったら、またこの海で泳ごうね!」
マリーはサラが王神龍を封印することを願っていた。必ず封印して、世界を救ってくれる。だってサラは強い。
「絶対世界を救って帰ってきて!」
その隣にいた老人もサラ声援を送った。サラに会った事はないが、戦いの様子を見て、これは世界の危機だと感じた。
「頑張れ、サラ!」
マリーも声援を送った。必ず世界を救って、再び会おう! そして、この海で泳ごう!
その光はエムロックタウンでも見えた。その光を見て、ビルは驚いた。
「何だろうこの光は? こんな真夜中なのに」
真夜中なのに、どうして光がしているんだろう。真夜中ではふつうありえないことだ。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
サラマンダーの言葉に、ビルは驚いた。まさか、明日、人間が絶滅してしまうかもしれないとは。
「まさか、ロッシさんか?」
「はい」
ビルは驚いた。自分の教え子が世界を救うために戦っているなんて。
「本当に戦っているなんて!」
「本当です。ですが、今、窮地に立たされています。皆さんの力を、願いを、祈りを、サラに届けてください!」
ビルはサラのことを思った。まっすぐで前向きなサラなら、必ずやってくれるはずだ。世界を救ってくれるはずだ。
「頑張れサラ! この世界のために立ち向かえ!」
ビルはサラに祈りを捧げた。必ず世界を救ってまた会おう!
その光はナツメビレッジにも降り注いだ。わずかに残った人々はその光をじっと見ていた。こんな真夜中なのに、何だろう。
「この光は?」
アレンも驚いていた。どうしてこんな時間に光が降り注ぐんだろう。
「何だろう?」
「奇跡の光?」
魂だけとなったネルソンも、その光に反応した。ネルソンはその光のことを知っていた。それは奇跡の光といって、奇跡のドラゴンが世界を救おうとする時に見られる現象だ。これが降り注ぐ時、人間は世界平和を祈る。すると、世界が救われる。
「ネルソンさん!」
アレンは驚いた。まさか、魂だけとなったネルソンさんも来ているとは。
「本当なんですか?」
「ああ。世界が危機の時に降り注ぎ、祈りを捧げると世界が救われるという」
ネルソンはその光がどういうものか、アレンに伝えた。アレンはその言葉を食い入るように聞いていた。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
「サラの事じゃ!」
シルフの言葉に、アレンやネルソンは反応した。サラが戦っているんだろうか?
「サラ! 本当に戦ってるのか?」
突然、戦いの様子が映し出された。そこには、赤いドラゴンのサラがいた。連れ添っている4人は倒れている。見るからにピンチだ。サラも苦しそうだ。
「サラだ!」
「必ず世界を救って帰ってきて!」
アレンはサラに祈りを捧げた。必ず世界を救って再び会おう!
「ドラゴン族に秘められた力、今こそ解き放つ時! 戦え、サラ!」
魂だけになったネルソンは力いっぱい祈った。サラのために、何よりこの世界のために。
シリンドタウンでは、旅人が夜空を見ていた。明日は、この夜空を見ることができるんだろうか? 今頃、サラは何をしているんだろう。王神龍を封印するために戦っているんだろうか?
「ん? 光?」
突然、光が射しこんだ。旅人は驚いた。こんな真夜中に光が射しこむって、何事だろう。
「何だこの光は?」
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
ノームの声とともに、アカザ城の様子が映し出された。誰かが戦っている。よく見ると、サラだ。連れ添っている4人は倒れている。たった1人立ち上がっているサラも苦しそうだ。
「まさか、サラ?」
「そうです、あの女です」
旅人はサラのことを思い出した。また会いたい。そして、平和が戻った喜びを分かち合いたい。
「本当に戦ってるなんて」
「本当の事です! さぁ、今こそ、世界のために祈るのです!」
ノームは必至な表情だ。今頑張らなければ、人間が滅んでしまう。
「サラ、絶対に封印して帰ってこい! この世界のために! そして何より、この世界に生きる人間のために!」
旅人はサラのために祈った。絶対に封印して、帰ってきて。そして、世界が救われたら、リプコットシティで再会しよう!
その光は、サイカビレッジにも降り注いだ。人々は最初、オーロラだろうかと思った。だが、オーロラと違って白い。
「どうしてこんな真夜中に光が?」
トムは驚いた。どうしてこんな時間に光が射しこむんだろう。色的に見て、オーロラではないことは確かだ。
「オーロラ?」
エミリーはオーロラだと思っていた。
「いや、違う。ただの光だ」
「どうして?」
トムはじっと見ていた。一体この光は何だろう。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
「まさか、サラ?」
トムはサラのことを思い出した。誰かが戦っている様子が映し出されている。あの赤いドラゴンはサラと思われる。だが、連れ添っている4人は倒れている。立っているのはサラだけだ。
「バズも戦ってるの?」
「でも、倒れてる。でも、また立ち上がるさ。彼は選ばれし魔導士だから。その使命を果たすまで戦うはずだ」
エミリーもその様子を見ていた。よく見ると、バズも倒れている。
「バズ、頑張って! その使命を果たして!」
エミリーはバズの無事を祈った。その使命を果たすまで、絶対に死なないで! そして、世界を救ったら、再び会おう!
「サラ、無事に帰ってこいよ! 待ってるぞ!」
トムはサラの無事を祈った。もし世界を救ったら、リプコットシティで再会しよう。そして、平和が戻った喜びを共に分かち合おう!
その光は、天国にも降り注いだ。すでに死んだ人々は、しばらくここで過ごしている。その中には、サラの母、マーロスもいる。
「この光は何でしょう?」
マーロスは降り注ぐ光で目が覚めた。朝ではないのに。真夜中なのに。何だろう。
「これは、奇跡の光じゃ!」
天使を束ねる男は奇跡の光のことを知っていた。世界が危機の時に降り注ぎ、祈りを捧げることで世界が救われる。
「今、1人のドラゴン族の少女が世界を救うために戦っています。封印できなければ、明日、人間は絶滅してしまうでしょう。今こそ、全世界の人間のために祈るのです!」
「サラが!」
戦いの様子を見て、マーロスはそれがサラだと確信した。マーロスはサラのことを思い出した。まだ10歳の頃、まだ子供のドラゴンだった時よりはるかに大きくなった。そして、たくましくなった。まるで死んだ夫のようだ。とても頼もしい。
「あんたさんの娘?」
天使を束ねる男もその様子を食い入るように見ていた。今、この世界に祈りを捧げる時。もし祈らなければ、この世界は滅んでしまう。
「娘さんがこんなに強くなるとは」
「うん。こんなにもたくましくなって。サラは私の誇りよ!」
マーロスは笑顔を見せた。こんなにも強くなるなんて。私はサラの母として誇りに思っている。
「世界を救ってほしいものだ!」
天使を束ねる男はサラに期待していた。この子なら必ず世界を救ってくれるはずだ。
「うん! この世界のために頑張って!」
「頑張れサラ! 世界中の人間のためにも!」
天使を束ねる男はサラを応援した。この世界のために、何より人間のために、絶対に封印して地上に帰ってきて!
「まだここに来るべきじゃない! 私の分も生きて、いろんな経験をしてからここに来なさい!」
マーロスもサラを応援した。両親があまり長く生きられなかった分、サラには精一杯生きてほしい。2人分生きてほしい。いろんな事を経験し、やるべき事を果たしてから天国に来てほしい。
「今こそドラゴン族の力を!」
天使を束ねる男は祈りを捧げた。必ず世界を救って、地上に戻って来て。まだここに来る頃じゃない!
「サラ、頑張って!」
マーロスも祈りを捧げた。世界を救って、もっといろんな経験をして、天寿を全うしてほしい。
全世界の生きる者の声がサラに聞こえた。サラは辺りを見渡した。しかし、誰もいなかった。サラは首をかしげた。全世界の生きる者の思いは、サラの体に乗り移った。その思いがカイザーのオーブに乗り移る。そして、その光が全て集まった時、カイザーのオーブから眩しい光が発せられた。あまりにもまぶしかったので、サラは目を閉じた。
「キャッ!」
サラは叫んだ。何が起こったのかわからなかった。
サラは目を開けた。そこには、1人の赤ん坊を抱く1匹の赤いドラゴンとその妻と思われる女がいる。ドラゴンはとてもやせ細っていた。サラはそのドラゴンと女に見覚えがあった。両親だ。写真でしか見たことのない父だ。サラは、その赤ん坊は自分だとすぐに気付いた。
「お父さん? お母さん?」
サラは呆然としていた。両親だ。しかし、2人には聞こえないようだ。
「あなた、初めての子供ですよ」
マーロスは赤ん坊を抱きかかえていた。その赤ん坊こそ、サラだ。
「おお、ありがとう。かわいいな」
赤いドラゴンは笑顔を見せた。だが、どこか苦しそうだ。がんの影響だろうか?
「この子の名前、サラにしようと思うの。いいでしょ」
「サラ、いい名前だね」
赤いドラゴンは赤ん坊のサラの頭を撫でた。将来、自分みたいな赤いドラゴンになるんだろうな。
「かわいいね」
「どんなドラゴンになるのか、楽しみだな」
赤いドラゴンは赤ん坊のサラを抱きかかえた。でも、もうすぐ抱きかかえる事すらできなくなる。残された時間はあとわずかだ。もうすぐ永遠の別れが待っている。
「大きくなったら、いつか私を乗せて、空を飛んでほしいわ」
マーロスは夢を見ていた。大人になって、人を乗せて空を飛べるようになったら、私を乗せてほしい。そして、空から世界を見たい。
だが、その夢はかなうことはない。そう思うと、サラは涙が出てきた。
「思いやりのある子供になってほしいな」
「そうだね」
赤いドラゴンは赤ん坊をじっと見ていた。やはり自分の子供は可愛い。会えてよかった。生まれてきてくれて本当によかった。
「あなた、赤ん坊の姿を見ることができたね」
「本当にうれしいよ」
赤いドラゴンはほっとした。死ぬまでに自分の子供を抱くことができた。これで悔いなく死ぬことができる。
「これで安心してお別れできるね」
「うん。マーロス、子供を産んでくれて、ありがとう。そして、一緒にいてくれて、ありがとう」
赤いドラゴンは涙を流した。もう悔いはない。これで安心して死ぬことができる。短かったけど、2人で過ごした日々は最高だった。
「あなたといた時間、いつまでも大切にするわ」
「さようなら」
いつの間にか、マーロスも涙を流していた。
「さようなら、あなた。いつまでも愛してるわ」
「僕もだよ」
そして、赤いドラゴンは消えていった。その様子を見て、サラは涙を流した。
サラは再びまぶしい光に包まれた。サラは再び目を閉じた。
その間、サラの体に異変が生じていた。巨大化し、うろこが荒くなり、体が金色になった。サラはその時、何も知らなかった。
サラは目を開けた。目の前には、神の姿となった王神龍がいた。その時、サラは、あれは夢だったことに気付いた。
突然、サラは、自分の体に異変が起こっているのに気づいた。その光は、サラの体を包んでいた。
光のベールは、サラの鱗を粗く、赤い体を金色に変えていた。サラは巨大化していた。最初サラは、何が起こったのか、わからなかった。何やら全身に力がみなぎってくるようだった。自分の体が粗い鱗に包まれているのを感じていた。
ベールが消えると、サラは金色のドラゴンとなっていた。鱗の粗い、いかにも強そうな金色の巨大なドラゴンだった。そのドラゴンこそ、神を封印する力を持つドラゴン、カイザードラゴンだった。
サラは自分の手を見た。サラは驚いた。うろこが荒くなっていた。体が金色になっていた。戦闘不能になった3人の仲間がより小さく見えた。もしかして、これが、カイザーフォースの効果? だとすると、あの夢は、私がカイザードラゴンとなって、世界を救うという内容? サラはそう思った。
「サラ、やればできると信じなさい」
母の声を聞き、倒れかけていたサラは、再び立ち上がった。サラは、上を向き、大きな雄叫びをあげ、大きく息を吸い込み、光り輝く息を吐いた。それこそ、カイザードラゴンのみが吐く、聖なる光の息、ゴールデンブレスだった。その聖なる力は邪神を封印し、世界に平和をもたらす、ゴールデンブレス、別名、奇跡の光だった。
王神龍は、ゴールデンブレスを浴びた。王神龍は大きなダメージを受けた。王神龍は驚いた。自分がダメージを受けると思ってなかった。自分が封印されると思ってなかった。
王神龍はサラによって封印された。
その時サラは、ドラゴン族が『魔獣の王』と呼ばれる理由を知った。私たちドラゴン族が、『魔獣の王』と呼ばれるのは、魔力の強さだけではなく、邪神を封印するための唯一の力、『カイザーフォース』を開放できる唯一の魔獣だということもある。
王神龍の姿が、徐々に薄れていく。
「よくもやったな。だが、これだけは覚えておけ。私は神だ。神は死なない。永遠に生きる。またいつか現れよう。その時こそ、人間の最後の時、つまり滅びの時、そして、新たなエデンを迎える時だ。覚悟しろ!」
王神龍、いや、ロンは消えていった。ロンのいたところの下には、真っ黒なオーブがあった。そのオーブは城の中に消えていった。王神龍は、真っ黒なオーブに封印された。
「勝った・・・、のか?」
マルコスは立ち上がった。それにつられるように、3人も立ち上がった。
その時、フェネスが近づいてきた。フェネスは黒いオーブをじっと見ていた。
「ロン、私はあなたを助けることができなかった」
フェネスは立ち止まり、その場に崩れた。そして、泣き出した。ロンを救うことができなかった。こうなってしまったのは自分のせいだ。
「お母さん!」
レミーはフェネスに駆け寄り、肩を撫でた。
「先生!」
サラとマルコスとサムも駆け寄り、肩を撫でた。何とかして泣き止んでほしかった。
「その気持ち、よくわかりますよ!」
バズも優しく声をかけた。だが、フェネスは泣き止まない。
突然、大きな音を立てて、城が揺れ出した。6人は驚いた。何が起こったんだろう。
「な、何だ?」
その直後、城が落ち始めた。主を封印された城が落ちようとしている。
「みんな、飛び乗って!」
5人はサラの背中に飛び乗った。このまま落ちたら、みんな死んでしまう。
「城が落ちようとしている!」
6人は城が落ちるのを見ていた。あの城は、どうなってしまうんだろう。
「このままでは地上に落ちて、世界が火の海に包まれてしまう。このままではみんな死んでしまう!」
サラは心配した。このままでは、世界を救う使命を果たせない。どうすればいいんだ?
突然、4大精霊が現れた。何事だろう。6人は驚いた。
「私たちがゆっくり落ちるようにしましょう!」
4大精霊は力を出し合って、城の落ちる速さを落とそうとした。だが、思った以上に落ちない。
「だめだ。あと1人の魂が必要だ」
サラマンダーは焦っていた。あと1人の魂があればいい。でもそれは、1人が命を落とさなければならない。誰か1人が犠牲にならなければならない。
「そんな・・・」
サラは焦った。世界を救うために、こんなことになるとは。
「誰かが命を落とさなければいけないんですか?」
「はい」
ウンディーネは寂しそうだ。世界を救うために1人が犠牲になるなんて。マルコスも信じられないようだ。
「私が行く!」
サラは決めていた。1人が死ぬことで何万人の人々が救えるのなら、悔いはない。
「サラ、やめて! あなたは世界の人々に平和が戻ったことを伝えなければならないんだ!」
マルコスは止めようとした。だが、サラの考えは揺るごうとしない。
「わ、私が行く!」
その時、声をかけたのはフェネスだ。フェネスは覚悟を決めていた。
「お母さん!」
レミーは驚いた。まさか、母が命を落とすとは。やった会えたのに。
「先生!」
サラとマルコスとサムも驚いた。先生が世界を救うために命を落とすなんて。
「いいの。ロンを救うことができなかった私が悪いから。私が救わなかったから邪神が生まれたの。だったら、私の命を捧げてもいいよね・・・」
フェネスは決意を固めていた。自分が止める事ができなかったからロンが王神龍になってしまった。自分が止める事ができなかったから世界がこんなことになってしまった。そう考えると、止める事ができなかった自分に罪がある。そう感じ、ならば自分が命を絶って世界を救おう。
「お母さん・・・」
そう考えると、レミーは止める事ができなかった。
「先生・・・」
サラとマルコスとサムも同感だ。もっと生きてほしい気持ちはある。その経験をもっと多くの生徒に伝えて欲しい思いはある。
「・・・、わかった。もう止めはしない」
サラはフェネスの覚悟を止めようとはしなかった。私が教師になって、そのことを語り継いでいこう。そして、命の限り、この世界の平和を見守っていこう。
「じゃあ、行ってくるわ」
そして、フェネスの魂が抜けた。その魂は、城の落下を抑える力になった。城の落ちる速さは更に落ちた。
城は4大精霊とフェネスの魂に囲まれて、ゆっくりとインガーシティの海に落ちていった。津波の被害は全くなく、水しぶきがするだけだ。
5人はその様子をじっと見ていた。これで世界は救われた。そして、10年にわたる長い戦いは終わった。
「お母さん・・・」
レミーは母のことを思い出していた。短かったけど、いい思い出だ。これからは自分が母の分も生きていかなければならない。
「先生・・・」
サラとマルコスとサムは先生のことを思い出した。短かったけど、とてもためになった。これからはこの経験を私たちが伝えていかなければならない。
「自分で決めたことなんだ。認めよう・・・」
マルコスはフェネスの遺体をじっと見ていた。まるで眠っているように見える。だが、もう起きることはない。
「お母さん、見てて! 私、しっかり生きるから!」
レミーは涙ながらに決意した。母と別れるのはつらいけど、その経験を後世に伝えていき、母の分も生きていかなければ。
その時、東からまぶしい光が見えた。朝日が昇った。新しい朝だ。
「見て! 朝日が!」
サラは感動した。もう見れないと思われていた朝を迎えることができた。
「本当だ!」
4人も朝日を見て感動していた。もう王神龍は封印された。世界はいつも通り再び朝を迎えることができた。
世界中の人々は朝日を見て、歓喜を上げた。王神龍は封印された。人間は救われた。世界は救われた。平和が戻った。




