20-33 ボス部屋前で遭遇しました
クラン【十人十色】とギルド【天使の抱擁】によるレイドパーティが、ダンジョン攻略を開始してから数時間。どのパーティも安定してモンスターを倒し、道中は順調そのものである。
やはり【十人十色】を構成するギルドのトップが勢揃いしている事に加え、【天使の抱擁】側もアンヘルとヴィクトという強力な戦力が居る事が大きいだろう。
そうして攻略は順調に進み、まずヒイロのパーティがボス部屋の前に到達したのだが……そこで少々困った事が起きたのだった。
というのも辿り着いたボス部屋の前には、他陣営のプレイヤーが大勢集まっていたのだ。人数としてはおよそ三十人で、三パーティがそこに集結している。恐らく彼等は、残る二パーティを待ちつつ休息をとっているのだろう。
それ自体はまだ良いのだが、ヒイロ達の姿を見て真っ先に立ち上がった人物……その青年に、ヒイロ達は見覚えがあった。
「……おや? これはこれは、ご無沙汰しています。ここでお会いするとは、奇遇ですね」
にこやかにそう挨拶する青年と、ヒイロ・レン・シオン・ダイスは会話した事があった。
――確か、【聖光の騎士団】のディレック……だったか。
ヒイロ達が彼と会話したのは、[ウィスタリア森林]を浄化するエクストラクエストを発見する直前……[腐食の密林]の付近で、ホープ率いる調査パーティと遭遇した時の事だ。
彼は【七色の橋】に対してとても友好的で、実に善良な青年だ。そもそも過去はどうあれ、今現在のギルド【聖光の騎士団】やクラン【騎士団連盟】も自分達には好意的だ。故に、その点に関しては問題は何もない。
だがしかし、彼は一つだけ非常に厄介な懸念要素を持ち合わせている。そしてその要素は、現時点でのヒイロ達には致命的な問題となりかねないものだった。
――確かこの方は、【天使の抱擁】を毛嫌いしているのだとか……。
それは【忍者ふぁんくらぶ】のアヤメとイナズマから、マップ浄化イベントの最中に伝えられた情報だ。ディレックは【天使の抱擁】に対してかなり厳しい態度で、彼等のやる事なす事に食って掛かっているという話だった。
今回のダンジョンアタックで【天使の抱擁】とレイドパーティを組むヒイロ達にとっては、接触を避けたい相手の筆頭と言っても良いだろう。
「……それでは、シオンさん」
「……! かしこまりました、お嬢様。他のパーティに、ボス部屋の前に到達した旨をメッセージでお伝え致します」
「えぇ、お願いしますね」
まるでいつもそうしているかの様に指示を出すレンと、言葉の裏に隠された本当の指示に思い至ったシオン。シオンは真っ先に、ジンの率いるパーティに向けてメッセージを送る。
『現在ボス部屋の前に、クラン【騎士団連盟】の面々が待機しております。その中には【聖光の騎士団】ディレック氏が居る為、連絡があるまでは最下層に来ずに待機して頂ければと存じます』
ジンとケインのパーティや、【天使の抱擁】パーティに参加しているユージンならば、このメッセージの内容を即座に理解する事だろう。
マップ浄化クエストに参加しなかった【ラピュセル】の三人は、この指示の意味が解らないだろうが……彼女達のパーティには、アヤメとコタロウが居る。二人から事の詳細が説明されるだろうから、問題は無いだろう。
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丁度その頃。
「ジンくん? どうかしましたか?」
「あー、うん……今、シオン殿から連絡があったでゴザル。最下層に行くのは、少し待つでゴザルよ」
「はい? ジンさん、何かあったんですか?」
「……ソラネコ殿、ボス部屋の前に【騎士団連盟】……というか、【聖光の騎士団】のディレック殿が……」
「待ちましょう!!」
「即答ですね」
「即答でしたね」
「転送オブジェクトに入る直前に、シオンさんから連絡が来て良かったですね……」
実は、間一髪であった。
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シオンが仲間達に状況説明のメッセージを送信している間に、ヒイロは時間稼ぎがてらディレックの注意を引き付ける事にする。
ちなみにその間、ミリア・カイル・アクアは後ろの方に控える事にしていた。
理由は当然、カイルとアクアの素性である。二人が運営の人間である事がバレたら、非常に厄介な事になる。それに気付かれない様に、他の勢力との接触を必要最低限に抑える方向性だ。
これは勿論アウスも同様であり、そんな三人とパーティを組む【魔弾の射手】は皆そうする事にしていた。勿論、三人が不自然にならない様にする為である。
ちなみにそんな三人は、自分の装備である銃火器を取り出して弄り始めていた。これは簡単なメンテナンスをしたり、マガジンに弾丸を込めたりといった作業である。何も知らないプレイヤー達が見れば、いかにも「エリアボス戦の為に、準備が必要なんですよ」と言わんばかりであった。
それはさておき、ヒイロはディレックに不思議に思った点について質問をする事にした。
「そう言えば【騎士団連盟】は、既にここのエリアボスは討伐済みだったのでは?」
二日前のワールドアナウンスラッシュの際に、クラン【騎士団連盟】がこのダンジョンを攻略した事がアナウンスされていた。だから彼等がここに居るのは、意外といえば意外である。
そんなヒイロの質問に、ディレックが笑顔を浮かべて頷いてみせた。
「えぇ、クランの半分以上は、既にこのダンジョンは攻略済みです。今回はそれ以外のメンバーがエリアボスを討伐できる様に、キャリー役として我々が参加しているんですよ」
「あぁ、成程……皆が新大陸に行けるようにしているんですね」
「その通りです。元々【聖印の巨匠】は、生産専門のギルドですしね。新たなエリアに向かう際には、我々からメンバーを出すのが通例なんですよ。今回はクラン全体で、それを行っていると思って頂ければ」
「成程、いい体制構築ですね。流石、攻略の最前線だ」
ギルドやクラン全体のレベルを底上げするべく、上位のプレイヤーが同行するシステムが構築されている様だ。これについては、流石だなとヒイロも感心してしまう。
そこで、次はダイスが気付いた事に付いて口を開いた。
「へぇ……クラン内の各ギルドから一人ずつ、メンバーを出し合っているのか」
「えっ? もしかしてダイスさん、我々の事を覚えていらっしゃるんですか?」
「そりゃあな、これでも俺は最前線レイドに参加してたしさ。アンタの堅実な前衛っぷりも、ちゃーんと覚えてるぜ?」
意外そうな顔をするディレックに対し、ダイスは苦笑しながら視線を待機中の面々に向ける。
「【聖光】の精鋭メンバーはディレック以外に、タイガと【ミュゼ】。一緒に居る【絶対無敵】のメンバーはタイガとジョー、それにカガミだったっけか。それにあっちの【白銀】のメンバーは、確か【アロン】に【クラウ】……あと【デュラン】だろ」
ダイスは【桃園の誓い】を結成する前は、【聖光の騎士団】が主催するレイドパーティに参加していたプレイヤーだ。故に最前線で顔を合わせた事があるプレイヤーの顔と名前は記憶しており、ディレックや他のメンバーの事も覚えていたのだ。
ダイスはその程度は当たり前……と考えているようだが、ディレックは感心と感動で胸がいっぱいだった。
実際に今回のキャリー役を任されたのは、ギルドの主力メンバーから漏れた面々だ。決して弱くは無いのだが、飛び抜けて強い訳でも無い……という評価のプレイヤー達である。
そんなキャリー役のメンバーの名前を全て言い当てたダイスに、ディレックは目を丸くしているのだった。
――俺達みたいな、目立たないプレイヤーの事まで覚えてたなんて……トップランカー達から見れば、格下なのに。流石は、【桃園の誓い】のダイスさんだ。
驚くディレックに対し、ヒイロは「おぉ……」と声を漏らしていた。
「流石ですね、ダイスさん」
「まぁあんまり会話はしてなかったけど、それでも一緒に戦う仲間だった訳だしな」
ダイスは当たり前と言わんばかりにそう言うが、ヒイロからの感心した様な視線は止まない。そんな彼の態度に、ダイスもいささか照れ臭さが出て来てしまう。
「あー、まぁレイドパーティに参加してる時点で、期待値の高いプレイヤー達だったって話だ。そこに参加していたプレイヤーは、レンさんやシオン……それに、フレイヤやゲイルも覚えてるはずだぜ?」
照れ臭そうにしつつも、それを誇ってふんぞり返る様な事をしない。そんなダイスを目の当たりにしたディレックは、彼の評価を上方修正する。
――レイド時代のあの頃から、周囲を見て潤滑油の様な立ち回りをする人だったが……想像していた以上に、周りの事を見ているんだな。いやはや、改めて【聖光の騎士団】に来て欲しい人材だった。
ディレックは、非常に向上心の強い男であった。自分を高めるだけでなく、仲間達もより高みへ……という考えを持つプレイヤーだ。勿論それを周囲に押し付けたりせず、ギルドやクランが円滑に運営できる様にと考えている。その事から、彼は味方からは慕われるタイプだったりする。
そんな彼の欠点は、上の許可を取る前に行動を起こしてしまう……という点か。とはいえ、それは自分の利益の為ではなく……主に、ギルドやクランの為である。
良かれと思っての事であり、尚且つ取り返しのつかない様な事には発展させないので、ギルド上層部……というか、主にライデンもそんなに強く言わないのが実態だったりする。
……
ヒイロ達がディレックと会話をしていると、そこへ一組のパーティが転送されて来る。
その場に居るヒイロ達の姿を見て、彼等はまず驚きの表情を浮かべた。それはそうだろう、自分達の仲間が待っていると思いきや、別の勢力……それも【十人十色】が居て、自陣営のメンバーと会話をしているのだから。
そんなパーティの中で、キャリー役であろう女性プレイヤーが歩み寄って来た。
「ヴェ、【十人十色】……!? ちょっ、ディレックさん!! 何故、【十人十色】の皆様が!?」
「おぉノーリス、待っていたぞ。【十人十色】の皆さんは、たまたま同じタイミングでダンジョン攻略をしていた様でな」
「うわぁ……こんなに近くで【十人十色】の皆さんを見る事が出来たのは、第四回イベント以来ですよ~!!」
ヒイロ達の姿を見て興奮状態のノーリスは、どうやら親【十人十色】のプレイヤーらしい。逆にその後方で控えている面々は、どう接して良いのか解らないといった表情だ。
しかしそこで、ディレックが咳払いをする。それはノーリスに、「何かを忘れていないか?」という注意喚起のつもりで発したものだ。
「んん……? あっ……」
それが自分に向けてものであり、ディレックが何かを思い出せという事を言外に告げている事に気付いたノーリス。そうして数秒前までのことを振り返り……ある事を失念していたのに、気付いた。
「こほん……大変失礼しました、【十人十色】の皆様。私は【聖光の騎士団】に所属する、魔法職のノーリスといいます。以後、どうぞ宜しくお願いします」
ノーリスが姿勢を正して騎士らしい丁寧な自己紹介をすると、ディレックがやれやれと表情を緩めた。そんな様子から、二人はそれなりに親しい間柄なのだろうとヒイロ達は察する。
「丁寧なご挨拶、痛み入ります。【七色の橋】のギルドマスターを務める、ヒイロです」
そうしてレンやシオン、ダイス達も自己紹介をして、再び談笑が始まる。
ちなみにノーリス……本名【宇野 栗栖】は、ヒイロやレンを始めとする【七色の橋】のファンだったりする。
彼女は第一回イベントの時から、彼等の活躍を見て胸を躍らせていた。それこそ”とある事件”の時には、問題を引き起こしたあの男に対して強い怒りを抱いていたくらいだ。
不正騒動は何かの間違いだと思って彼等を信じていたし、真相が公になって彼等の身の潔白が証明された事を喜んだりするくらいには、【七色の橋】の大ファンなのである。
ちなみにその要因は、ジン達の様に大人顔負けで人を見る目が養われている……という訳では無い。
――うああぁ、超最高……!! 生レンさんや生ヒイロさん、マジ美形……!!
理由は単純で、彼女は美形が好きだからだ。そして一度推した以上は、よっぽど確たる証拠が無いならば……とことんまで推しを信じるタイプの、オタク気質な女性だからである。ちなみに曖昧な噂やデマに流されないあたりは、しっかりしている方だ。
そんな彼女なので、一時はAWO界隈で大層話題になった彼女の事も推していた。
「そういえば、皆さんは【天使の抱擁】の件をご存知ですか? なんでも昨夜、彼等が北側の第三エリアで目撃されたそうで……」
そう、彼女にとってはアンジェリカも、推しの対象だった。流石に【聖光の騎士団】を大切に思っていたのでギルド移籍は考えなかったが、彼女の活動を応援している一人だったのだ。
そして彼女は、他のプレイヤーと違う点が一つあった。
――アンジェリカさんが何故、スパイ達と関わっていたのか……そこには何か、事情がある気がしてならないのよね。【十人十色】の皆様は案外、事情通なところもあるし……何か、ご存知なんじゃないかしら?
第四回イベントでの、スパイ掃討戦……その時に見せたアンジェリカの様子から、彼女は違和感を感じていた。
そう思ったのは、彼女がスパイ達に指示を出している様に見えなかったし、スパイ達の活動については「あぁ、そうなんだ?」といった風に、感心を抱いていない様子が見受けられたからだ。
だからこそ、何かしらの事情があって【禁断の果実】と関わっていたのではないか? その真相が解るまでは、彼女を非難したりするべきではないのではないか? と考えているのだ。
つまる所、彼女は弁えたオタクなのである。
そんな訳で【天使の抱擁】のメンバーならば、姿を晦ませたアンジェリカの事情について何か解るんじゃないかと彼女は考えていた。勿論ノーリスは、彼等に対して悪感情は抱いていない。ただ純粋に、推しの事を聞きたいだけだった。
そこでノーリスは、彼等の事について何か知らないだろうか? と思い問い掛けたのだが……ヒイロやレンといった推しとの遭遇で、隣に居る男の事を忘れてしまっていた。
「……何だと? 【天使の抱擁】が?」
ディレックが発したのはこれまでと違い、非常に不機嫌そうな低い声だった。その声色は明らかに、嫌悪感を滲ませたものである。
そんなディレックの反応に、ノーリスは「あ……やっば」と思ったが……既に、ディレックのスイッチは入ってしまっている。
「チッ……未だにあの女に擦り寄る奴等め、何を企んでいる?」
贖罪と治療の為にゲームを再開した彼女を、支える為ですが? と言いたいが、言う訳にはいかないのでヒイロは苦々しい思いを呑み込んだ。
しかしながら、ディレックの様子はどこかおかしい。他のゴシップ好きなプレイヤー達がアンジェリカや【禁断の果実】、【天使の抱擁】を叩くのとは違う。明確に、そして深い怒りを向けていると察して余りある。
「……ディレックさんは、【天使の抱擁】をよく思っていないんですね」
ヒイロの言葉に、ディレックは険しい表情で口を開いた。
「それはそうでしょう! あいつらは、全てのプレイヤーを裏切ったアンジェリカの仲間ですよ!」
即座にそう口にしたディレックは、先程までの朗らかな好青年といった様子とは真逆の印象を与える。それにその言葉には、明確に指摘するべき点があった。
「……つまりアンジェリカさんの仲間だから、【天使の抱擁】が許せないと?」
冷静に、落ち着いた声で、そうヒイロは告げた。その表情は真剣なもので、ディレックはヒイロの言わんとするところを察した。怒りに身を震わせてはいるものの、冷静さは失っていなかったらしい。
「……彼等がギルドを存続させるという事は、アンジェリカが復帰して再び何かを起こす可能性があるという事です。あんな大事件がまた起きれば、このゲームがどうなるか解ったものではないでしょう」
ディレックは、何かを隠している。しかし、彼はそれに触れたくないらしい。だからこそ、それらしい理屈を並べ立てているのだとヒイロは察した。
だがこれ以上、彼の事情に突っ込んでいくのは得策では無いだろう。
「そうですか……ですが、ディレックさん? それは、【聖光の騎士団】や【騎士団連盟】の総意なんでしょうか?」
ヒイロから浴びせられたその言葉に、ディレックは「当たり前だ」と言おうとしたが……しかし、言えなかった。トップ陣はそんな見解を公にしていないし、自分達にもそんな話はしていない。
そこで彼は、ヒイロが本当に言いたい事に気付いた。
――……俺が【天使の抱擁】に対して攻撃的でいたら、ギルドやクランに迷惑が掛かる……彼は、それを伝えようとしているのか。
それは俗にいう『組織の看板を背負う立場』……というものだ。
自分は一軍とは言えずとも、こうしてキャリー役を任される立場にある。ギルドの一員であるそんな自分が、考え無しに【天使の抱擁】を糾弾するとどうなるか? 何も知らない外部のプレイヤー達が、「それがあいつらの総意だ」と考えてもおかしくない。
そして一度冷静になれば、ヒイロがわざわざそれに言及した意味も理解できた。確かに【天使の抱擁】はアンジェリカが結成したギルドだが、今残っているギルドメンバーがスパイ活動をした訳では無いのだと。
そして自分の行動で周囲が誤解した結果、ギルドやクランに迷惑が掛かる可能性がある……それは、ディレックも理解できる部分だ。
――自分の所属する組織に迷惑を掛ける行為は、慎むべき……か。流石だな、彼は。まだ若い少年でありながら、【七色の橋】のギルドマスターを務めるだけある。
ヒイロの言葉からその意図を汲み取ったディレックは、自分もまだ未熟だなと反省しつつ頷いた。
「そこまでで結構です、ヒイロさん。あなたの仰りたい事は、よく理解出来ました……どうやら、俺は視野が狭かった様だ。ご忠告、ありがとうございます」
険しかった表情はいくらか和らいで、薄く笑みを浮かべながらディレックはヒイロに一礼する。感情的には納得はし切れていないが、理性で感情を抑え込む事に成功したのだろう。
本当はヒイロとしても、ディレックを論破して認識を改めさせたい所ではあった。
しかしあまりやり過ぎても逆効果だろうし、まかり間違って彼を頑なにさせてクラン同士の関係悪化なんて事にするわけにはいかない。ここまで築き上げてきた友好関係が、一気に水の泡になってしまう。
だから、彼のギルドやクランに対する意識の高さ……そこを利用して、多少でも良いから攻撃的な態度を改めさせる方向性で釘を刺したのだ。
――しかし気になるな……アンジェリカさんや【禁断の果実】をそこまで憎むのは、何故なんだろうか。
そんな事を考えた所で、【騎士団連盟】側の最後のパーティが転移して来た。五組目のパーティが態勢を整えて、【騎士団連盟】はいよいよボス戦に挑む。
「それでは、お先に行かせて頂きます。こうしてお話をする機会が出来て、とても良かったです」
「いえいえ、こちらこそ。どうか、ご武運を」
簡単な挨拶を交わしてボス戦に挑む【騎士団連盟】を見送ってから、ヒイロ達は他のパーティに「もう来ても大丈夫だ」と連絡を送るのだった。




