19-02 バレンタインデーを迎えました・その2
バレンタイン当日、隼と拓真が通う[日近中学校]。こちらでも、生徒達がバレンタインで盛り上がっていた。
「相田君、この前は解らない所を教えてくれてありがとう! そのお礼ってわけじゃないけど、良かったらこれ」
「比下さん、そんな気を使わなくても良かったのに。まぁ折角だし、ありがたく受け取っとくッス」
隼は率先して、クラスメイトと関わる様な生徒ではない。だがクラスメイトが困っている時に、さりげなく助け船を出したり手伝ったりする事はある。また成績優秀者なので、学業面で頼られることも多いのだ。
そんな訳で、彼もそれなりに女子生徒からの受けは悪くないのである。
そんな隼の様子を見て、クラスメイトの一人が声を掛けた。
「おいおい相田、彼女以外からチョコ貰ったら嫉妬されちゃうんじゃねーの?」
隼に彼女が居る事を知っている少年、吉田米永。どうやら彼は自分は貰っていないのに、彼女が居る隼がチョコを貰っているのが気に食わないらしい。教室の隅から隅まで聞こえる様に、大きな声でそんな言葉を口にしたのはそれ故だろう。
「へ~、相田君って彼女いるんだ! うちの学校?」
「いや、よその学校ッスよ。女子校」
隼が素直に答えるので、クラスメイトの女子……【比下 梨子】は興味津々に会話に興じる。すると、他のクラスメイトも隼の席に集まっていった。
「マジでか、相田に彼女が居るとは……!!」
「俺、クリスマスの時にその彼女見たわ。めっちゃ美少女!」
「そうそう! なんつーか、大和撫子って感じ?」
「えー、見た~い!! 相田君、写真とか無いの!?」
「申し訳ないんスけど、宗教上の理由で写真は見せられないッス」
「「「何その宗教……」」」
忍者教かな?
そんな賑やかな教室を、一人の男子生徒が訪ねて来た。
「やぁ隼、囲まれてるね」
「ん? タク、どうかしたッスか?」
訪ねて来たのは拓真だった。その手には、紙袋を一つ持っている。
「届け物、姉さんからね」
「鏡美さん? ありがたいッスね、後で会った時にお礼言わないと」
鏡美は仁と英雄だけでなく、隼用のチョコも用意していた。更に言うと、彼女は音也用も用意していたりする。数満と【桃園の誓い】メンバーのチョコは手渡しや預けるのが困難なので、【七色の橋】のJCメンバーと一緒に郵送したらしい。
「じゃあ、また後で」
「うん、サンキューッス」
軽く手を挙げて去っていく拓真を見て、クラスメイトが不思議そうな表情を浮かべていた。
「他のクラスの、名井家君だっけ?」
「相田君、名井家君と仲が良かったの?」
「そういや最近、名井家と廊下とかでよく話してるよな」
学校ではクラスが違う事もあり、四六時中一緒に居るという訳では無い隼と拓真。休み時間に雑談をしたり、自習時間に図書室で一緒に勉強をしたりAWOトークをする事はある。だがクラスメイト達は、二人が仲間であり親友である事を知らない。
「ん、まぁ親友ッスね」
彼がそこまで断言した事で、クラスメイト達は内心で驚いた。隼は基本的に特定の誰かと、深く関わらないタイプだと思っていたのだ。そんな彼が親友とまで言ったものだから、クラスメイト達も拓真に興味を抱く。
「ちなみに、名井家から受け取ったのってバレンタインチョコだよな? 誰からのだ?」
「ん? タクのお姉さんッス」
「へぇ、名井家君のお姉さんとも知り合いなんだ~」
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隼がクラスメイトに囲まれているその頃、教室に戻った拓真はクラスメイト達の会話が耳に入った。
「浦田君が今もここに居たら、チョコ渡したのにな~」
「本当にね。急に来なくなって、そのまま転校していったけど……何があったんだろうね~」
善人の仮面を被り、陰では伊賀星美紀の為に手段を選ばず暗躍していた少年……霧人の事が話題に出る度に、拓真の胸はチクリと痛みを感じていた。
――彼は酷い人だった……でも、僕をイジメから助けてくれた事は事実だったんだよね。
彼のした事は、許す事は出来ない。しかしだからといって、彼の全てを否定する訳ではない。打算や思惑があったにせよ、自分は彼に助けられた。その事実について、拓真は今も感謝の念を抱いている。
霧人が姿を消したのは、【禁断の果実】の行いが明らかになったせいだろう。
初音家によって告訴されたスパイ達が、その後どうなったのか? それは、当事者達と初音家でなければ解らない。だが霧人がいくら中学三年生という立場であっても、無罪放免であったとは思えない。恐らくは両親に連絡が入り、その結果が高校受験目前での転校に至ったのだろう。
拓真がそんな事を考えていると、一人の女子生徒が歩み寄って来た。それはあまり生活態度の良くない、所謂ギャル系の生徒だ。
「名井家~、ちょっと良い~?」
「……うん、別に構わないけど」
そうして彼女が差し出したのは、バレンタインのチョコだった。
「えーと、ウチずっと前からさ~、名井家が好きだったんだよね。これ、受け取って~」
それは、告白の言葉とは思えないくらいに棒読みだった。しかも彼女が普段からつるんでいる男女が、こちらを見てニヤニヤと笑っている。
――これは、アレか……悪戯というか、嫌がらせの類か。
チョコの包みを開けたら、チョコではない何かが入っているのだろうか。それとも、大きく「ハズレ」と書かれたチョコなのだろうか。
そもそも本気で告白するなら、クラスメイトの前でするとは思えない。どこかに呼び出してするものだろうと考えれば、それは自分の反応を仲間内で楽しむ為の悪質な悪戯が目的なのだろう。
そんな女子生徒を前にして、拓真は思う……幼稚だな、と。
拓真が女子生徒と比較したのは、日頃から行動を共にしているゲーム仲間だ。
社会人の鳴子や、大学生である和美と紀子と比べるのは流石に可哀そうだろう。しかし高校生である仁や英雄は、一学年しか違わないのに大人びている。数満とは出会って間もないので詳しくは解らないが、彼も彼で周囲に気を配っている辺りはやはり大人っぽい。
そして親友の隼は、本当に同い年? と思う事ばかりだ。更にその下に、姫乃・恋・愛・千夜・音也……そして恋人である優が居る。彼等と比べたら、やはり彼女達の行動は幼稚過ぎて呆れてしまう。
それはさておき、そんな幼稚な行いに付き合う必要も無い。相手が本命という体裁で渡そうとしたなら、断る理由も十分だ。そう思って、拓真はハッキリと返事をした。
「ごめん、僕には恋人が居るんだ。義理ならまだ良いだろうけど、本命ならそれは受け取れない」
その言葉に、女子生徒だけでなくクラスメイト全員の視線が集まった。
「え、嘘でしょ?」
「名井家に彼女とか、それゲームの話じゃね?」
「吐くならもうちょい、マシな嘘吐いた方が良いのに……」
教室内から、そんなヒソヒソ話が聞こえて来る。勿論、拓真に聞こえる声量でだ。ちなみにそんな彼等の嫌がらせも、拓真はどこ吹く風である。
――というか、彼等は受験は大丈夫なのかな……もう来週くらいに各学校の入学試験なのに。
至極真っ当な正論である。ちなみに拓真は、受験に対する備えはバッチリと言える所まで突き詰めている。
そんな時だった。
「お邪魔するッス……あ、タク。今、大丈夫?」
「隼? あぁ、まぁ大丈夫なんじゃないかな」
隼が拓真を訪ねて来るのは、これが初めてだ。大体はお互いのクラスの廊下で落ち合ったり、図書室に集まったりするのである。なので、隼の登場にクラスメイト達も驚いてしまった。
「あれって、相田だよな?」
「成績が学年トップの、相田君……だよね?」
「何でそんな秀才が、名井家なんかと……」
「うちのクラスに来るなんて、珍しいな」
そんな声は一切意に介さず、隼は拓真に声を掛ける。
「さっき確認するの忘れててさ。今日の放課後は、[初女]に直行でおk?」
「うん、勿論。着替える時間は、正直無いもんね」
「そうッスね。まぁお互い、彼女を待たせる訳にはいかないワケで」
隼が彼女という言葉を意図的に使った事で、クラスメイト達は察した……先程の拓真の「恋人が居る」という宣言は、真実なのだと。
「ホームルーム終わったら合流でおk?」
「おk、校門で落ち合おう」
「んじゃ、それで! おっと、もう予鈴かな。お邪魔したッス~」
そうして隼が退室すると同時に、予鈴が鳴る。拓真は何も無かったかのように自分の席に向かい、次の授業の準備を始めた。
その様子を見て、悪戯に加担しなかった生徒達は……拓真が、自分達よりも大人っぽく感じられた。
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一方、[乙野谷中学校]。その二年三組の教室でも、バレンタインムード真っただ中である。
「隣のクラスでカップル成立だって~!」
「えー、誰々!?」
「【葉桜 司】君と、【南曇 眞】さんだって」
「マジ!? 葉桜君狙ってたのに~!!」
「それ、マジか!? くそぉ、南曇狙ってたのに!!」
「俺の南曇さんが……おのれ葉桜ァ……!!」
「おい、三年の【淵戸 愛流】先輩が……!! 先輩に、彼氏が居た事が発覚した……!!」
「何だと……!? 生徒会長に、彼氏が……ッ!!」
そんな会話を耳にしながら、音也はここ最近の事を考えていた。
――どうしよう、仲間が大人な人ばっかりだから……クラスの同年代が、ひたすら子供っぽく見えてきてしまう……いや、僕もそりゃあ子供なんだけど……!!
【七色の橋】の中高生は、精神的に成熟しているメンバーが多い。これには音也自身も含まれるが、本人は自分はまだまだだと思っている。ちなみに勿論、仁は別格の存在だろう。
また【七色の橋】と協力関係を結んでいるのは、【桃園の誓い】【魔弾の射手】【忍者ふぁんくらぶ】……そして新たに【ラピュセル】が加わったのだが、どのギルドも大人か大学生が中心のギルドである。
そんな大人や大人っぽいメンバー達と、日頃から一緒に行動しているからだろうか。先の拓真と同様に、音也自身も考え方や感じ方が引っ張られて、精神面の成長が促されているのだ。
そんな馬鹿騒ぎをするクラスメイト達から視線を外して、音也は携帯端末を操作した。日本ではバレンタインは女性から男性にチョコレートを贈る日だが、これは日本だけの風習だという話は有名だ。
外国では、男性から女性に花やプレゼントを贈る事もあるらしい。それを見て、音也は感謝の気持ちを込めて花を用意するのはどうかと考えた。
――RAINの男子グループチャットで、聞いてみようかな。
遠方に住む数満は無理だが、仁・英雄・隼・拓真・音也で花を選んで贈るのはどうだろうと思ったのだ。一人一本ずつ選んだ花を、一つの花束にして感謝の気持ちとして贈る。これならそこまでかさばらず、尚且つ喜んで貰えるのではないか。
音也は【七色の橋】男子メンバーで作ったグループチャットにその内容を打ち込んでいく。すると、反応はすぐに返って来た。
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【ジン】
いい考えだと思うよ、僕は賛成。
【ジュン】
俺も賛成に一票(・ω・)/
【英雄】
うん、良いね。
最寄り駅から[初女]までの間に、花屋があったはず。
【拓真】
音也君、ナイスアイディアだね!
僕も賛成だよ!
―――――――――――――――――――――――――――――――
どうやら男子メンバーには、好感触だったらしい。後は、女子メンバーが喜んでくれたらいい……そんな事を考えていると、クラスメイトの一人が歩み寄って来た。
「古我君、はいコレ!」
「あ、中州さん……どうもありがとう」
音也はその容姿もあって、女子からのウケは良い。もっとも男子としてではなく、女子として見られている面は否めない。そんな訳で、音也も地味にチョコを貰う回数は多いのだ。
それでも悪意では無く、善意でくれたものならば音也はそれを拒絶しない。勿論交際を申し込まれたならばそれは丁重にお断りするが、現状そういった様子は無さそうである。
そんな音也を、数人の男子生徒が面白くなさそうに見ていた。それは誰からもチョコを貰えていない、まぁ日頃の行いがアレな男子達である。
「女みてーな顔のくせに、何でアイツが俺等より……伴田も、あんなナヨナヨしたやつのどこが良いんだか……」
そう言うのは、クラスメイトの張井である。彼はクリスマスの日に、音也と千夜が一緒に買い物をしている所に遭遇した男子達のリーダー格だ。
小学校時代は同じ学校に通っていた千夜は、久し振りに会ったら随分とお洒落で可愛い女の子になっていた。しかも、そんな千夜が音也の恋人だと彼は知っているのだ。
するとそこで、一人の男子が音也に絡んだ。
「古我ちゃーん、俺にはチョコねーの?」
「……なに、男から貰いたいの? ごめん、僕そっちの趣味は無い」
「あはは、冗談だって。随分貰ってんじゃん」
冗談だと言うクラスメイトの少年だが、彼の眼は微妙に笑っていない。どうやら、彼も張井と同様に音也が沢山チョコを貰えているのが気にくわない様だ。
「ところで古我、さっきから携帯端末で何見てんの?」
「別に大した事じゃないよ、ゲーム仲間とRAINしてるだけ」
「え、古我ってゲームとかするん? ちょっと意外だな。なんてゲーム」
「AWOっていう、VRMMOだけど」
そんな会話を盗み聞きしていた張井は、AWOというタイトル名に聞き覚えがあった。それは、年が離れた彼の兄がプレイしているゲームなのだ。
――へぇ……AWOねぇ、面白そうとは思ってたけど……。
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そして【七色の橋】男子メンバーで、唯一遠方に住む数満。彼も学校に登校すると、バレンタインムードに満ちた面々を目の当たりにしていた。
「ほーれ、男子共! 義理チョコ配布の時間だぞ~」
「一人一個あるから、安心しろ~!」
「その一個が小さくねぇか?」
「嫌なら別に……」
「いやいやいや! いります!」
教室内は、実に賑やかである。数満のクラスに在籍する陽キャ系の女子達は、何気に人当たりが良くクラスメイトを差別したりしない。それでいて、陰キャだったり控え目だったり群れない系女子とも良好な関係を築いている。
男子も男子で、陽キャ・オタク・スポーツマン・真面目君とタイプは分かれる。しかし互いに交流を持つし、険悪な仲である生徒は居ない。
実は、その理由は数満が事の発端となっている。
高校に入学し、クラスが決まり、そして互いのタイプが解って来て……やはり最初に発生するのは陰キャやオタクといった、そういった生徒に対する偏見から発生する格差。そしてそのヒエラルキーが定着しようとしていた、その時の事だ。
「ガキくせぇ事してんじゃねーよ、高校生にもなって」
そう言って虐げられそうになっていた、オタク男子をフォローしたのが数満だった。見た目は厳ついヤンキーな数満だが、彼は寺野家の人間……そう、仁のイトコである。
「人の好きなモンにケチつけるとか、小学生か? 人の粗ばっか探してゴチャゴチャ言うより、良い所見付けて認める方が人間としてマシなんじゃねーの?」
その性格の根底は善良であり、加えて他人に対する思い遣り深い人物なのだ。更に、彼は見た目だけの人間ではない。
「っつーか、今時オタクなんざ珍しくねーんだろ。俺もバイクが好きだし、お前等もファッションが好きだろ。勉強第一でも良いし、スポーツ頑張るのも良い事だ。自分の一番大事な物なんてのは、人それぞれ……そこに優劣なんざねーだろうがよ」
オタクがマンガやアニメ、ゲームに熱中するのも趣味。ギャルが服や化粧品に心血を注ぐのも、これまた個人の趣味。運動部がスポーツに力を入れるのも、真面目な生徒が勉学に励むのも、その人の自由であり個性なのだ。
それを認め、否定しない。それが数満のスタンスであり、目に留まった理不尽に対してはハッキリと自分の意見を言う。それが、寺野数満であった。
そんな彼のハッキリとした物言いに、一部の生徒は不満を抱いていたのだが……二学期にその不満を抱いていた生徒の一人が、上級生達に絡まれた事があった。それは所謂、ギャル系の女子だ。
彼女は要するに、上級生のチャラい層に、乱暴されそうになったのである。それを目撃した数満は、その生徒を庇った。
「クッソだせぇ真似してんなぁ、センパイ? そいつ、俺のクラスメイトなんでさ……嫌がってんの見たら、まぁ止めさせて貰おうか」
そして先に暴力に訴えた上級生を、数満はあっさりと撃退した。それも圧勝でありつつ、大きな怪我はさせない様に。あくまで正当防衛の範疇内で、手加減をした上で。そうしてチャラ男達を教師に突き出し、女子生徒が理不尽な目に遭遇しようとしていた事について説明をする所まで。
つまるところ、やはり仁のイトコは仁のイトコだった訳だ。
その一件は当事者のギャル女子によってクラスに広まり、数満に対する認識は一新された。
「ほら、アニキ!! ダラダラ寝てないでチョコ受け取りに来てよ~!」
「そうっすよアニキ~、女子達が丹精込めて作ってくれたチョコですよ~!」
今ではクラスの誰もが、数満の事をアニキと呼ぶ様になった。真面目で内気な勉学少年でさえ、今では数満にはアニキと呼び掛けるのだ。
「その呼び方、やめね? 同い年だろうがよ」
乱暴な物言いではあるが、数満は相手を否定しない。そして面倒見も良く、聞かれた事にはしっかり応える。そんな彼なので、クラスメイト達からは友愛と尊敬の念を込め……アニキと呼ばれていた。
やれやれといった様子で、数満は男子生徒が形成する列の最後尾に並ぶ。そんな様子に、クラスメイト達は思った……ちゃんと最後尾に並んだり、自分達の声に反応してくれる所はやはり彼らしいなと。ほっこり。
そこで、一人の少年が数満に声を掛ける。数満の並んだ列に、サッと並んで最後尾に立った少年だ。彼はクラスの中でも、かなり重度のガチオタ勢である。
「ところでアニキ……これ、聞いても良いのか迷ったんだけど」
「おう、まぁアニキ呼びはナシで良いんだが……何だ?」
話を聞こうという態度を示した数満に、少年は一つ頷いて携帯端末を差し出す。
「これ、もしかしてアニキでは?」
そこに映っていたのは、どこからどう見ても【七色の橋】のイカヅチさんでした。本当にありがとうございました。
「……まぁ俺だな。義妹に付き合って、一緒にこのゲームやってっから」
「や は り で ゴ ザ ル か ! ?」
「うぉっ!? お、おい何だよ……!?」
教室内の空気が、一変する。両手を合わせて数満を拝み始める、オタク系男子生徒。そんな男子生徒を前にして、何が何だか解らない……といった表情をする数満。そして、そんな二人に何事か? といった視線を向けるクラスメイト達。
その沈黙を破ったのは、まぁそこはやっぱりオタク君だ。
「という事は!! やっぱりアニキは、頭領様のイトコなんですよね!?」
「頭領……様……!? さてはお前、【忍者ふぁんくらぶ】だな!?」
「然り!! まさかこんな身近に、頭領様と縁のある方がいたとは!! しかも、それが我がクラスの誇るアニキ!!」
「だから、同い年だろうが……」
「え、何々? 何の話~?」
「何かおもろい事~?」
こうして、数満がVRMMOをプレイしているとクラス中に知れ渡る事となるのだった。
次回投稿予定日:2024/8/15(本編)
隼は私生活では何気にこう……アシストタイプな気がします。さり気なくアシストする、仕事人みたいな。
拓真や音也は、仁達の影響で精神的に成長している感が出せたらなと。
そして数満。仁と血縁関係にあるので、彼にピッタリなのは何かと考え……最終的に、彼はアニキになりました。スーパースターアニキ。
しかし、本当にどこにでもいるな【忍者】……。




