17-07 精霊郷を見付けました
第二エリア[ホーマー大森林]で、妖精と遭遇したジン達。ファーストコンタクトを試みたところ、妖精達は[精霊郷]と呼ばれる場所から来たと言う。
「妖精さん、その[精霊郷]ってどこにあるんですか?」
ヒメノがそう問い掛けると、妖精達は笑いながら答える。
『[精霊郷]は世界の裏側にあるよ!』
『そうだよー!』
『でも、異邦人は入れるのかな?』
『大丈夫だよ、多分。だって精霊様は、異邦人に力を貸しているんだし』
そんな妖精達の会話を聞いて、ジンはある事を思い出した。それは第二エリアボスを出現させる為に、砂漠を探索していた時の事だ。
『はい、これは水の精霊を表す紋章です』
ジンのPACであるリンが教えてくれた情報に、精霊に関する話題があった。
精霊が異邦人に力を貸していると妖精の一人が口にしていたが、それは魔法の属性の事だと察する事ができる。要するに【火魔法の心得】ならば火の精霊、【風魔法の心得】ならば風の精霊が力を貸しているという意味合いだろう。
そんな精霊達だが、どうやら彼等は[精霊郷]と呼ばれるエリアに実在しているらしい。そこに行く事が出来るようなニュアンスの言葉を、妖精達は口にしていた。これはもしかしたら、もしかするかもしれない。
「[精霊郷]という場所に行くには、どうしたら良いのでゴザルか?」
ジンがそう聞いてみると、妖精達がジンに顔を向ける。
『君達は≪精霊の座≫を知っている?』
それも、砂漠探索の際にリンから聞いている。砂漠にあったのは水の≪精霊の座≫で、紋章に水属性魔法を撃つ事で魔力を充填する事が出来る。
「知っているし、見た事もあるでゴザルよ」
その言葉を聞いて、妖精達は笑顔で宙を舞う。
『それなら最初から説明しなくて大丈夫だね!』
『説明するの、大変だもんね!』
『面倒くさいよね!』
歯に衣着せない無邪気さに、ジン達は思わず苦笑してしまう。しかしながら、妖精といったものはそういう印象がある存在だ。
『君達が[精霊郷]に行くなら、[精霊郷]の入口にある≪精霊の座≫に魔力を満たせば良いんだよ!』
『そうすれば、[精霊郷]の入口が開くよ!』
『[精霊郷]の入口は、色んな所に隠されているんだ!』
『でも悪い人は入れないよ!』
『君達は大丈夫、入っても良いはずだよ!』
妖精達の言う悪い人とは、恐らく軽犯罪者や重犯罪者となったプレイヤーが該当するのだろう。プレイヤー達が集まる街に入れないのだから、[精霊郷]に入れなくても不思議ではない。
『でも……この森の≪精霊の座≫は、今使えないんだ』
妖精の一人がそう言うと、他の妖精達も悲し気な表情に変化する。この[ホーマー大森林]に≪精霊の座≫がある事すら、ジン達は知らなかった。
「そうなんですね……何か、問題があるんですか?」
リリィが妖精達に問い掛けると、妖精達がシュンとした表情で言葉を紡ぎ出す。
『この森にあるのは、樹の精霊様の座なんだ』
『でも、樹の精霊様は眠っているんだ』
『だから≪精霊の座≫に魔力は注げないんだ』
『樹の魔法は今、使えないんだ』
『精霊様が、悪いモンスターに大事なものを奪われてしまっているんだ』
確かにジン達は誰も、樹属性の魔法というものは見た事も聞いた事もない。そもそも、そんな属性があるなんて初耳であった。
「……あっ! ジンくん! 確か以前、[ビアンカ密林]で……」
ヒメノがある事を思い出してそう言えば、ジンもすぐにとあるエクストラクエストの報酬について思い出した。
それはジン達がギルド結成の準備中に、[ビアンカ密林]マップ中のモンスターを狩った事で発生したエクストラクエストだ。
エクストラボスの名は、【エルダートレント】。そのエルダートレントを倒した際に、ヒイロだけが謎のアイテムをドロップしていた。
「……エルダートレントがドロップした、あれでゴザルな!!」
「お兄ちゃんに、連絡してみます!!」
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一方その頃、ヒイロチーム。
「この辺りには、あまりプレイヤーの姿が無いな……」
「まぁうま味がある狩場ってわけでも無いもんなぁ」
ダイスとヒューゴがそう言うと、シオンが頷いて同意を示す。
「プレイヤーが密集しない点は、及第点でしょうか。ただ、景観はあまり宜しくない方かと」
というのも、第二エリア南西部には常時スリップダメージを喰らうマップ[腐食の密林]が存在する。この密林は毒々しい霧で覆われており、見ていて気分の良いものではなかった。
「ここはハズレと考えた方が良いかな」
「そうですね。折角クランホームを建てるのですから、妥協はしたくありませんし」
ヒイロとレンがそう結論付けると、他の三人からも異論は出ない。
そこで次はどこを探索するべきか? と、五人が話し合っていると……[腐食の密林]の方へと向かう、一組のパーティの姿を見付けた。
「……あれは、【聖光】?」
青い騎士服に、白銀の鎧。これはAWOプレイヤーならば誰もが一度は目にした事のある、大規模ギルド【聖光の騎士団】の標準装備だ。彼等は十人で行動しているのだが、その中の一人がヒイロ達に気付いた。
「一時、待機でお願いします」
穏やかさを感じさせるその声色に、【聖光の騎士団】のメンバーは男性も女性も即座に歩みを止めた。
金色の髪に、一部が青いメッシュ。腰に下げた刀が特徴的な美女は、ヒイロ達に向けて歩み寄った。
「ご無沙汰しております、皆さん。先日の、クリスマスイヴ以来ですね」
柔らかな笑みと口調で、挨拶をする女性。ヒイロ達も、彼女に会い話した事があった。第四回イベントの打ち上げを兼ねた、超豪華メンバーによるクリスマスパーティーの時だ。
「お久し振りです、ホープさん」
「ご無沙汰しておりました」
ヒイロとレンがそう挨拶をすると、シオンとダイスはお辞儀をするに留めた。ダイスがそうしたのは、シオンからの指導……いずれレンやヒイロの側近となる為の、指導の賜物である。
ヒューゴもそれを見て、慌ててお辞儀をする。それを見たホープは笑みを深め、穏やかな雰囲気のまま声を掛けた。
「また珍しい場所でお会いしましたね。皆さんも、[腐食の密林]へ?」
その質問に対し、ヒューゴが真っ先に反応した。
「ん? ホープさん達は、あそこに用があるんすか?」
先程から視界に嫌でも入って来る、毒々しい雰囲気の密林。そこはスリップダメージだけでなく、厄介なモンスターも多いマップである。つまり、探索場所としては不人気マップなのだ。
「えぇ、探し物がありまして。見付けられるとは限らないのですが……」
そんな会話をしていると、ホープに同行していた【聖光の騎士団】のメンバーが会話に参加しようと声を上げた。
「そうだ、皆さんも一緒に行きませんか? レンさんやシオンさん、ダイスさんは以前、最前線レイドに参加していたじゃないですか! それにヒイロさんは、アークさんと互角の勝負を繰り広げた猛者ですし!」
彼はギルドの末端メンバーであり、アバター名は【ディレック】。現実では大学生のプレイヤーで、本名は【花木 寛司】という。そんな彼なのだが、今回の探索についての重要度を理解していなかった。
――困ったわね……説明した事を、忘れてしまったのかしら? ここには、エクストラボスが居るって言ったはずなのに。
これは【聖光の騎士団】トップ陣から指示された、重要任務である。今彼女達が向かっている、[腐食の密林]……そこはかつてアンジェリカが、ゲーム配信中にユニークスキルを入手した場所だ。
そこには、エクストラボスであるNPCが居る。それを、アンジェリカのアーカイブを漁っていたメンバーから聞かされたのだ。そのNPCとPAC契約し、味方に引き込むも良し。もしくは彼から、他の特別なNPCの情報を得るも良し。
ディレックも詳細は聞いているはずなのだが、その極秘性を理解し切れていないのかもしれない。
とはいえ、彼にも彼なりの考えが無い訳では無い。【七色の橋】と【桃園の誓い】は、過去に何度も競い合った少数精鋭ギルド。そして彼等のフェアプレー精神は、ディレックとしても好ましいものだった。
そんな彼等を味方……クランに引き込めれば、【聖光の騎士団】は間違いなく最強のギルドになれる。それが、ディレックの考えだった。
これはライデンが提言し、幹部メンバーも了承した方針……『ゲーム内のパワーバランスの維持』について、聞かされていないが故である。
その理由は、ギルド内でもクランシステム実装を機に「更なる戦力増強を!」という声が、少なくないからだ。それを頭ごなしに否定し、押し付けるのは上層部に対する不満を生みかねない為である。
ギルドメンバーへの説明の仕方について、検討中の段階。この勧誘は、それ故の事である。
そんな訳でディレックはギルドの上層部の意図とは異なる方向性ではあるが、ギルドの事を考えて【七色の橋】と【桃園の誓い】を引き込もうと考えている。それは、今回のパーティリーダーであるホープも理解はしている。だからこそ、始末に負えない感は否めない。
「うーん、どうしようか?」
「……そうですね」
ヒイロとレンがそう言うと、ディレックは二人が一緒に行くか行かないか思案していると判断した。しかしそれは勘違いで、二人の発言の意図は「どうやんわり断ろうか」というものである。
友好関係を築く意思を示している事は、解っている。しかしながら、距離の詰め方がいささか性急過ぎる感があるのだ。
そんな時だった。
「ん? ヒメからメッセージ?」
ヒイロのシステム・ウィンドウに、ヒメノからのメッセージを受信したというアナウンスが表示された。
「あちらで何か、あったのでしょうか?」
「ちょっと待ってね。えーと……トラブルとかではないみたいだ。けど、俺達と大至急合流したい……だって」
そう言ってヒイロがレンに、システム・ウィンドウを見せる。そこには、『お兄ちゃんの持っている≪樹精霊の心≫の使い道が解ったかもしれません。[ホーマー大森林]で、合流は出来ますか?』と記されていた。
――この場を離れる建前にもなるし、≪樹精霊の心≫の謎も解る。一石二鳥になりそう、ナイスタイミングよ、ヒメちゃん。
メッセージの内容は見ていないものの、ダイスとヒューゴも二人の意図を察して言葉を発した。
「ふむ? あっちのメンツを考えたら、たいていの事は解決できそうだけどな」
「それな! ジン君とヒメノさんから、こういうのが来るのは珍しいんじゃね?」
これは行かなければならないだろう、そんな雰囲気を醸し出すヒイロ達。そんな彼等に、ディレックも苦笑する。
「それじゃあ、御一緒は出来なさそうですね。残念ですが」
その引き際の良さと、ヒイロ達の意思を尊重する様子。そこからヒイロ達も、「あぁ、悪い人では無いんだろうな」と感じ取る。しかし、だからといって簡単に受け入れる訳にもいかない。
「イベントなんかで機会があれば、また声を掛けて下さい」
ヒイロがそう言うと、ディレックも「えぇ、是非」と返した。
――まぁ、ギルド同士の競争やPvP以外な、協力体制を築けるイベントで一時的に共闘する分には……な。
――まぁ、そこはイベントの詳細待ちですね。第五回の仕様が未だに解りませんから。
視線で意思疎通を図ったヒイロとレンは、ホープ達に向けて声を掛ける。
「では、俺達はこれで。皆さんの探索が、上手く行くのを祈っています」
「慌ただしくて申し訳ありませんが、失礼致します」
そんな挨拶に、ホープも笑顔で会釈する。
「はい、皆さんも頑張って下さいね。それじゃあ、探索を再開しましょうか。打ち合わせ通りの陣形で、[密林]に入りましょう」
『了解!!』
素早く配置につき、進軍を再開するホープ達。その切り替えと迅速さは、確かに騎士団と呼ぶに相応しい見事なものだった。
そんな彼等を見送ると、ヒイロ達はシステム・ウィンドウのマップを確認する。
「[ホーマー大森林]だと、この位置にあるポータル・オブジェクトに飛ぶのが良いかな?」
「そうだな、そしたら一番近い街に引き返すか」
「善は急げだな」
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ヒイロ達から合流するという連絡を受けたジン達は、妖精達に案内されて[精霊郷]の入口に向かった。
ギルドマップにマーキングし、コメント欄に[精霊郷]の入口である旨を記載している。これならば、ヒイロ達との合流にも困らないだろう。
同時に他のチームにも、分担して『[精霊郷]という場所への入口を発見したので、確認します』というメッセージを送ってある。
そうこうしていると、十数分後にヒイロ達がやって来た。
「お待たせ、連絡ありがとう」
「こっちこそでゴザル。それで、件のアイテムは?」
「持っているよ、勿論」
ヒイロがシステム・ウィンドウを操作して、アイテムを実体化させる。それは淡い緑色の光を放つ、スキルオーブと同じくらいの大きさの球体だった。球体の中に紋章が描かれており、それが樹の精霊の紋章なのだろうと解る。
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アイテム《樹精霊の心》
説明:樹の精霊の心が封じられた宝玉。所有者に精霊の加護を齎す。
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『わぁ! 精霊様の心だ!』
『本当に持って来たんだ!』
『凄い、これで精霊様も眠りから覚めるよ!』
『やったー、精霊様とまたお話出来るよ!』
妖精達が喜び飛び回る様子を見て、ジン達の口元も綻ぶ。しかし、いつまでも妖精達の姿を見てほんわかしている場合ではない。
「それじゃあ、早速[精霊郷]に行ってみる?」
「そうでゴザルな。このアイテムで、樹の精霊が復活する様でゴザルし」
精霊の復活は、樹属性魔法の解禁に繋がる……ジン達はそう予想し、この場に集まったのだ。それに打算を抜きにしても、心を奪われて眠りについている樹の精霊を放ってはおけないという思いもある。
『それじゃあ、精霊様の心を≪精霊の座≫に近付けてみて!』
妖精の一人がそう言うので、ヒイロは「解った」と答えて≪樹精霊の心≫を≪精霊の座≫に近付けた。すると≪精霊の座≫の紋章が淡い光を放ち始め、数秒で光が満ちた。
「これで良いのかな?」
『バッチリだよ!』
妖精の言葉と同時に、一本の大木の幹に魔法陣が描かれていく。
「これが、[精霊郷]の入口……」
「すっごくファンタジーですね!」
その魔法陣が完成すると、一人の妖精が魔法陣に向けてふわりと舞った。
『さぁ、入ろう! この入口は、一分しかもたないから気を付けてね!』
妖精達は、一斉に魔法陣を潜っていく。
「まぁ、罠という事は無いでしょう。さぁ、行きましょうか」
レンはそう言うと、ヒイロの左腕に自分の腕を絡める。表情は涼し気であるものの、少し緊張している様だ。
「あぁ、行こう」
ヒイロとレンが先陣を切り、続いてジンとヒメノが魔法陣を潜る。更にリリィ、イナズマ、ハナビと続き、シオンとダイスが潜っていく。最後にヒューゴが潜ってから数秒で、魔法陣を構成する光が消えて[精霊郷]の入口は消え去った。
……
魔法陣を潜って、真っ先に視界に入ったのは幻想的な光景だった。
果ての見えない広大な大地には、色鮮やかな草や花。遠くに見える山から伸びている、澄み渡った小川。空では光のカーテンの様なオーロラが揺らめき、スパンコールの様に星が煌めいている。
そしてそんな幻想的な世界を、小さな妖精達が遊ぶ様に飛んでいた。宙を漂う光の粒子が、妖精達が動くたびにあっちへ、こっちへと舞い遊ぶ。
「ここが、[精霊郷]……」
「とっても綺麗……」
ジン達はその美しい光景に目を奪われ、しばしの間ぼんやりとしてしまった。
そんなジン達に、先程の妖精達が集まって来る。
『ようこそ、[精霊郷]へ!』
『さぁ、樹の精霊様のところに行こう!』
そう言われて、ジン達もここに来た目的を思い出す。あまりにも幻想的で美しい光景だったので、思考が止まってしまっていた。
「済まない、あまりにも綺麗でぼーっとしてしまったよ」
「それでは、精霊様のところへ案内して貰えますか?」
ヒイロとレンがそう言えば、妖精達は笑顔で頷いて飛び始めた。ジン達も遅れまいと歩き出して、妖精達の後を追う。
幸い妖精達の飛行速度は、ジン達にとっては小走りくらいの速さだ。お陰で見失うなんて事にはならず、一安心である。
そうして走ること、数分。妖精達に案内されて、ジン達が訪れたのは樹や草花に囲まれた森の中である。しばらく森の中を走っていくと、ジン達の目に不思議なものが映った。木の枝で形成された、球体の様なものである。
『さぁ、見えたよ!』
『ここだよー!』
『精霊様を目覚めさせてあげて!』
妖精達の言葉から、この球体が樹の精霊らしい。眠りについていると聞いていたので、恐らくこれは樹の精霊の寝床の様なものなのだろう。
「さて、どうすればいいのか……」
ヒイロがそう言って、≪樹精霊の心≫を取り出す。すると、≪樹精霊の心≫がふわりとヒイロの手から浮かび上がった。
「おぉ、浮かび上がったでゴザルな」
「何か特別な事をしなくてもいいみたいで、良かったよ」
宙に浮かぶ≪樹精霊の心≫は、球体に近付いていく。そうして目と鼻の先に近付いた所で、球体を構成している木の枝が動き出した。隙間無く集まっていた木の枝が解ける様に動いていくと、その中にいる存在の姿が徐々に露わになっていく。
『……わたしの、こころ……』
それは、深い眠りから覚める前兆か。少女の声が、ハッキリとその周囲に響き渡る。蹲るようにしていた声の主は、気だるそうにしながら身体を起こす。
緑色の長い髪に、上半身を覆うミントグリーンのドレス。そして、その下半身は大地に根付いた植物のもの。密集していた木の枝は、彼女の下半身から伸びたものだった。
そんな少女に向けて近付いていく≪樹精霊の心≫が、その胸元に吸い込まれ……やがて、少女の目が開く。
『……ようやく、目を覚ます事が出来た……とても、長い長い眠りから……』
まだ、眠りから覚め切っていないのか。どことなく、ぼんやりとした口調と声色である。しかし、少女はしっかりとジン達の姿を捉えていた。
『あなた達は……異邦人ね』
「えぇ、そうです」
ヒイロが代表して応えると、少女……樹の精霊は、ふわりと柔らかな笑みを浮かべて頷いた。
『そう……です。異邦人の皆さん、私の心を取り返してくれた事に、心からの感謝を』
ようやく意識がハッキリして来たのか、樹の精霊はハッキリと受け答えをする様になっていった。
『私は、樹を司る精霊【ドライアド】。ようこそ、[精霊郷]へ……あなた達を、歓迎しましょう』
次回投稿予定日:2023/10/18(幕間)




