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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第十六章 冬休み始まりました

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414/587

16-24 ボス部屋へ向かいました

 133 名無し

 おーい!

 フロ鯖の[ホルン]で忍者発見!!



 134 名無し

 >133

 マジか

 で、それは初代? それとも【ふぁんくらぶ】?



 135 名無し

 >133

 そうか、それで所属は?



 136 名無し

 忍者なのに普通に目撃されるの草



 137 名無し

 目撃情報がある忍者だとジンさんだろ

 【忍者ふぁんくらぶ】の忍者は全然見つからないし



 138 名無し

 >134、135

 みんな大好きジンさんだよ



 139 名無し

 >136

 今更だろ



 140 名無し

 >138

 あ、やっぱり?

 そんな気はしてたんだよね



 141 名無し

 [ホルン]に何の用だろうね

 とっくに第三エリア行ってるだろうし

 鉱石の採取か、それともクエストかな



 142 名無し

 >137

 本当にそれな

 【忍者ふぁんくらぶ】は普通のプレイ時には影も形も見当たらない



 143 名無し

 >141

 まぁ何かしらあるんだろうね

 ジンさんだし



 144 名無し

 ジンさん見てる連中が一斉にその後を付いてって草



 145 名無し

 >142

 アヤメさんに会いたい……



 146 名無し

 >144

 ストーキングしてんのか



 147 名無し

 >144

 カルガモかよ



 148 名無し

 >145

 俺に言われても……

 俺だってイナズマちゃんに会いたいよ



 149 名無し

 >145

 私はジライヤさんに会いたい



 150 名無し

 >145

 コタロウなら掲示板にたまに来るよ



 151 名無し

 おっ?

 忍者さんが誰かと会話してる!!

 NPCじゃなさそうだな



 152 名無し

 >150

 それな



 153 名無し

 >151

 お?

 相手はどんなプレイヤーだ?



 154 名無し

 >150

 【忍者ふぁんくらぶ】で掲示板ユーザーって解ってるのはコタロウだけだよな



 155 名無し

 >151

 kwsk



 156 名無し

 >151

 男か?

 それとも女か?



 157 名無し

 >153

 ローブで顔や服が隠れて解らん

 まぁ身バレ防止の変装かもな



 158 名無し

 >155、156

 多分、女性だな

 持ってるのは弓



 159 名無し

 一人で行動してるから、珍しいと思ったら……

 何かの極秘任務か!!



 160 名無し

 >158

 弓ってことはお嫁様か?



 161 名無し

 女性……だと



 162 名無し

 >160

 いや、体格からしてヒメノちゃんじゃ無いな



 163 名無し

 密会……浮気……!?



 164 名無し

 バーロー、どうせたまたま会ったフレンドってオチだろ



 165 名無し

 速報

 忍者さんと謎の女性に、金髪のイケメン少年が声掛けた

 で、ローブ着てはいるんだけど……

 隙間から、銃がチラッと見えたわ



 166 名無し

 >165

 【魔弾の射手】のヒューゴか?



 167 名無し

 >164

 せやかて〇藤



 168 名無し

 >165

 なんだ、浮気相手は【魔弾】のメンバーか



 169 名無し

 そもそもジンさんが浮気するとは思えない



 170 名無し

 >166

 いや、見た事無いやつ

 見た感じ、ジンさんと同じくらいの年代じゃないかな



 171 名無し

 >168

 いつから浮気だと錯覚していた?



 172 名無し

 他にも変装した連中が出て来た

 普通の装備持ってるけど、確かに雰囲気は【魔弾】っぽい

 ジンさんが穏やかな顔で会話してるし



 173 名無し

 という事は、金髪イケメン少年は【魔弾】の新メンバーかも?



 174 名無し

 何話してんだろうな

 会話の内容は?



 175 名無し

 >169

 それな



 176 名無し

 >173

 【魔弾】新メンバーとか……俺も入れてくれないかな



 177 名無し

 >169

 わかる



 178 名無し

 >174

 そこまで近付いて聞ける雰囲気じゃないし

 ちなみにその集団……人数が十三人なんだよな



 179 名無し

 >176

 その為には銃と社会的信用が必要だな



 180 名無し

 >178

 うん?

 【魔弾】は九人のギルドだったよな?

 で、そこに金髪君が加わって十人……じゃあ、三人多いな?



 181 名無し

 >176

 現実は非常である

 アキラメロン



 182 名無し

 >178

 意気地なし!!

 行けばいいじゃない!!



 183 名無し

 >180

 残り三人も新メンバーかな?


―――――――――――――――――――――――――――――――


 システム・ウィンドウを開いて掲示板の様子を窺っていたハヤテは、その内容に苦笑する。

「流石ジン兄、普通に歩いてるだけで注目されてるッスね」

 そんな感想に、ヒイロも苦笑しつつ頷いてみせた。

「ジンは目立つ上に、知名度も高いからね。堂々と歩いていたら、話したい、見たいってプレイヤーは多そうだ」


 そう言って[ランドル鉱山]に入ろうとすると、近くに居たらしいパーティの声が耳に届く。

「おい!! [ホルン]に【七色】のジンが居るってよ!!」

「マジで?」

「でも今から町に行っても、もう居ないって可能性があんだろ」

「いや、何かゆっくり歩いてるみたいだぞ」

「生で忍者さん見るチャンスじゃんか!!」

「戻るぞ、急げ!!」

「いや、ポータルで飛べば良いだろ」

 そう言って彼等は、そのまま鉱山入口のポータル・オブジェクトを使用して[ホルン]へと飛んだ。その様子を見た他のプレイヤー達も、笹食ってる場合……もとい、攻略してる場合じゃねぇ!! とばかりにポータル・オブジェクトに駆け寄る。


 そうして彼等が去った後の鉱山は、静寂に包まれた。何これ。

「ジンさん、大人気ですね」

「まぁ、ジンさんだからね」

「はい、流石ジンくんです♪」

 レンは苦笑気味、アイネは納得とばかりに、そしてヒメノは甘い甘い笑顔である。


『仁君の方は、大丈夫なのだろうか? こんなに騒ぎになっているのだと、相当な人数に囲まれているんじゃ……』

『そうですね……普段は仲間と一緒に行動しているのに、一人で居る事が知られたら……良からぬ考えを持つ人に、ちょっかいを出されたりするのでは?』


 そんな懸念を口にしたのはネオンの父・修と、アイネの母・友子だ。二人はジンが注目を集めた事で、彼に何か危害を及ぼす輩がいた時は……という不安を覚えたらしい。

 しかし、ヒメノがそれに対して笑顔を向ける。

「大丈夫です、ジンくんなら」

 それは確信に満ちた、穏やかながらも力強さを感じさせる断言。その一言に込められたものを察したのか、修も友子もそれ以上は何も言えない。


 とはいえ、不安が払拭されたわけではないだろう。なので、ヒイロが補足説明を入れる。

「ジンは現在、AWOにおいてほぼ確実に最速のプレイヤーなんです。そんじょそこらのプレイヤーでは、本気を出したジンには追い付くだけがやっとでしょうね」


『確かに、動画でもとんでもない速さだったな』

『そうですね……正直、姿が消えたようにしか見えなくて……』

『うーん、しかしそれだけの速さなら、デメリットもあるんじゃないかしら?』

『あー……攻撃の威力が低いとか、防御力が低いとかですか』


 親達の不安は再燃し、そして広がりつつある。この後すぐにジンが追い付くだろうし、それを待ってもいいのだが……ジンの事となったら、引かない少年もここに居た。

「それも、無問題ッスね。ジン兄は、とんでもないレアなスキルをいくつも持ってるッスよ。装備も激レア装備だったり、生産界のトップ勢が製作した一級品揃い。言い方悪いかもッスけど、ぶっちゃけトップランカー以外は相手にならないッス」

 具体的なジンの強みを聞いた親達は、いまいちピンと来ないといった反応だ。そこで、レンとアイネが笑顔で親達に呼び掛けた。

「まぁ、後で実際に見られますのでご安心を」

「私達がジンさんなら安心だと信じている、その理由が見られると思います」

 そこまで言うのならばと、親達はこれ以上の言及を控えるらしい。


 ちなみに彼等は現在、ジンを除いたメンバーで三組に分かれて行動中だ。


―――――――――――――――――――――――――――――――

 1班

 ジン・ヒメノ

 ヒイロ・レン

 ハヤテ・アイネ

 センヤ・ヒビキ

 ネオン・ナタク


 2斑

 シオン・ダイス

 カノン・クベラ

 リリィ・コヨミ

 ミモリ・ヴィヴィアン


 3班

 ケイン・イリス

 ゼクス・チナリ

 フレイヤ・ゲイル

 レオン・ヒューゴ

 マール

―――――――――――――――――――――――――――――――


 バヴェルとゼクトが不在であり、混成含めて三組のパーティに分かれる事ができた。ジンは単独行動中だが、パーティには入っている。

 そして、乙姫が用意したVRギア……もっと言うならば、配信ソフトをインストール済みのVRギアが三つあるのだ。

 一つは配信者のコヨミが使用し、残る二つをヒイロ・ケインのギルマスコンビが使用している。


 ちなみに[ランドル鉱山]は四つのルートが存在し、その内の三つのルートで分散しつつボス部屋を目指して歩き始めていた。装備や武器含めて変装しているので、一見すれば普通のパーティに見えるだろう。

 こうしてジン以外のメンバーは、オーディエンスルームの親達に見守られながらダンジョンを進んでいくのだった。


……


 ボス部屋へ向かう道中には、当然モンスターが出没する。思った以上にリアルなモンスターの姿を見た親達は、子供達は大丈夫なのかと不安を覚え……そして、その不安は即座に吹き飛ばされた。

「おぉ……これがVRMMOの戦闘か……!!」

「結構、迫力があるのねぇ……」

 モニターに映るのは、三組のパーティによるモンスターとの戦闘。どのパーティも、チームワークと鍛え上げた実力を駆使して順調にボス部屋へと近付いていく。

「姫乃さんの矢は、本当に凄いですね」

「いえいえ、恋ちゃんの魔法こそ~!」

「ふむ……英雄君のリーダーシップは、素晴らしいものですね。指示も的確で、皆が彼を信頼して動いている」

「いや、お恥ずかしい限りで……と言いたいのですが、私もあんなに立派になった姿を見られるとは思いませんでした」

 親達が見るのは、やはり我が子……そして、そのパートナーが中心だ。

 生まれつき、全盲というハンデを背負った姫乃。

 そんな妹を守ろうと、幼少期より尽くしてきた英雄。

 幼い頃に誘拐に巻き込まれ、心を閉ざしていた恋。

 仁に対する憧憬と、自分に劣等感を抱いていた隼。

 和解する前に、厳しくも愛されていた祖父と死別した愛。

 ずっと一緒に育っていたが、別の中学になって離れた千夜と音也。

 母を亡くしてから、父親を支え続けてきた優。

 イジメに遭い、人間不信になりかけていた拓真。

 そんな我が子が掛け替えのない仲間を得て、こんなにも生き生きとした姿を見せている。それだけでも、この旅行に来られて良かったと思わせるには十二分であった。


 そして瑠璃のマネージャーである亜麻音が、瑠璃に意識を集中するのも当然である。彼女は瑠璃が、楽しそうにしているのが何よりも嬉しかった。

 彼女が通う高校は、芸能人御用達の女子高である。故に周りはライバル関係にあるアイドルが多いので、心から気を許せる相手は居なかった。芸能界の人間関係で言うと、それは尚更だ。

 そしてゲームの中では、アイドルという立場がどうしても付いて回る。ギルドや固定パーティに参加しないという、プレイ方針はそういった面が大きい。

 これによって彼女は、プライベートで大好きなゲームを楽しみつつ……アイドル活動・学校・ゲームでも、気を張らなくてはならなかったのだ。

 瑠璃は自らそれを選んだし、亜麻音も彼女の意思をし、それがベターだと思っていた。


 しかし今の瑠璃は、思いっきり素の渡会瑠璃だった。

 アイドルになりたての、デビューを目指してレッスンに励んでいた頃……そして今では家族と、亜麻音の前でだけ見せる表情。それを見せても良いと、瑠璃は判断したのだろう。

 それだけ信頼できる存在が、こんなにも彼女の周りにいる。その様子をこうして見られて、亜麻音はただひたすらに嬉しかった。


 そんな子供達を支え、見守って来た大人組や大学生組。特に【桃園】のメンバーには、深い感謝の念を抱いている。

 昨夜の酒宴で、【桃園の誓い】が結成された経緯を親達は聞いたのだ。

 【七色の橋】は実力と容姿から、AWOで注目を集めるのは間違いないと出会った当初から解っていた。そんな子供達に対して、揶揄したりちょっかいを出す輩が現れないとも限らない。

 そこで自分達が【七色の橋】の和装に対し、中華風の装備で統一したらどうか。彼等に向けられる奇異の視線を、分散する事が出来るのではないか。

 それを考え、実行に移し、子供達に寄り添い続ける。そんな彼等の存在が、本当に有難かった。


「確か瑠璃さんや舞子さん、勝守さん以外にも仲間が居るんでしたよね?」

「確か、映像で見た……あの黒ずくめの男性ですか」

「後は特殊部隊みたいな、銃を持っていたグループ……いえ、ギルドというんでしたっけ」

 撫子・勝利・雅子がそんな事を口にすると、賢が笑顔で頷いて応えた。

「黒ずくめの男性は、ユージンというプレイヤーですね。銃使いで統一されたギルドは、【魔弾の射手】というギルドになります」

「ふむふむ」

「その人達にも、会ってみたいですねぇ」

「えぇ、子供達と親しくして貰っているらしいからね」

 親達がそんな事を言っているのを、秀頼は笑顔を浮かべて見守っていた。しかしその内心では……。


――水姫達はともかく、()()()()()()()()のは無理ではないだろうか……?


************************************************************


 そうして三つのパーティが、正に快進撃と呼ぶに相応しい戦いぶりで突き進んでいく。既に攻略済みのダンジョンなので、彼等はものの二十分程でボス部屋の前で合流した。

 そこには既に、別ルートで駆け抜けて来たらしきジンが辿り着いていたのだが……ついでに、何か居た。

「ジ、ジン? 何で……()()と?」

「たまたま、ここで待っていたら偶然……ね」

 まさか親達が授業参観ならぬゲーム参観をしている中で、彼等に出会うとはジンも思わなかった。ボス部屋に辿り着いて、仲間を待っていようと思ったら、やって来たのは見知った顔だった。いや、顔を隠していたけど。


「頭領様に姫様、そして皆様方、あけましておめでとうございます。既にメッセージは送らせて頂いておりましたが、改めまして新年のご挨拶を申し上げたく存じます」

 女性……アヤメがそう言えば、その背後に控える面々も恭しく頭を垂れる。

 そう、ジンと一緒に居たのは、【忍者ふぁんくらぶ】の面々であった。勿論フルメンバーではなく、一パーティの上限である十人だ。


 メンバーはギルドマスターのアヤメと、サブマスターのコタロウ。ココロ・イズナのJKコンビと、ジライヤ、イナズマ、タスク。

 ここまでは第四回イベントで【七色の橋】の援護に駆け付け共闘し、クリスマスパーティーにも参加したのでジン・ヒメノ以外も面識があったメンバーである。


 それ以外の三人が、初めて会うヒイロ達に挨拶をする。

「私は盾職を務めております【ハンゾウ】と申す者です。昔は【グランツ】という名で活動しておりました。以後、宜しくお願い申し上げます」

「パーティでは前衛職を務めております【サスケ】と申します。タスクとは同じ大学の友人で、フリーランス時代は【ロイド】と名乗っておりました。皆様にお会い出来て、光栄に存じます」

「皆様方にはお初にお目に掛かります、【忍者ふぁんくらぶ】の弓使い【ハナビ】と申します! かつては【キャロライン】という名でございました!」

 ハンゾウは青髪短髪の男性で、がっしりとした体格の持ち主だ。サスケは細身の長身で、穏やかそうな顔立ちをしている。ハナビは口調に違わず、快活そうな高校生から大学生くらいの少女だ。


「ここでお会い出来るとは思っておりませんでした、頭領様」

「きゃー、姫様お久し振りですー!」

「おぉ……【七色】と【桃園】の方々だけでなくリリィ殿にクベラ殿、コヨミ殿までいらっしゃる」

「これでユージン殿がいらっしゃれば、第四回の再現でしたね!」


『忍者だ』

『あぁ、忍者だな』

『仁以外にも居るんだな、忍者』

『はて、()()()()()というのは?』


「あー、出会っちゃったッスね……」

「しかも、このタイミングで……な」

「これは、きついですよね……」

「ジンさん、ファイト……」


 【忍者ふぁんくらぶ】はジン達に会えてテンション上がり気味、親達は忍者装束の彼等に興味津々。こんな状況となれば、ジンも正直居た堪れない。正直このままボス部屋に入ってボスを速攻で倒し、さっさとログアウトしてしまいたい。

 そんなジンの内心を知ってか知らずか、アヤメがジンに恭しく声を掛ける。

「頭領様、この様な場で誠に恐縮ではございますが、ご報告がございます。実は先のイベントの後、新たに加入者が入りました。我々【忍者ふぁんくらぶ】も、ついに五十人です」

「そ、そうですか……」

 五十人も、自分のファンが居るのか。それも相当、突き抜けた連中が。喜ばしいですねといった表情のアヤメに反して、ジンの内心はどんよりしている。当事者としては、とっても嬉しくない。


 しかしながら、ジンも勧誘や受け入れを辞めろとは口が裂けても言わない。それは彼等の自由であり、自分が口を出すことではないのだ。

 もしも自分の名を掲げて迷惑な行為をしているならば、遠慮はしないで止めるだろう。しかし彼等は、全くもってガチの忍者だ。公でギャーギャー騒ぐような、考えなしでは断じて無い。

 せいぜい内輪でファングッズを作ったり、プレイヤーに紛れて活動しているに過ぎない。ファングッズ製作は正直やめて欲しいが、外部に売り出したりしている訳ではないのでギリギリアウtもとい、セーフである。


――それに、スパイの件や第四回では助けて貰ったし……。


 スパイ集団【禁断の果実】に迫る決め手となった、情報屋スオウ=ミチバとの取引。そして【七色の橋】を援護する立ち回りのおかげで自分はアークに勝てたし、ギルドも第二位になれたと思っている。

 そんな相手に、恩を仇で返すような真似はしたくない。したくないのだが……。


『ん? さっきから言っている頭領様っていうのは、仁の事なのか?』

『というか、【忍者ふぁんくらぶ】……つまり、仁君のファンクラブっていう事なのかしら?』

『帯なんかも紫色だし、意識して合わせていそうね……というか、くノ一衣装可愛いわ~』


 自分の両親や、恋人の両親……そして仲間達の家族にまで、彼等の存在が筒抜けた。これは恥ずかしい。


……


「成程。ご旅行先からログインするにあたり、ご家族がゲームプレイを見られるように限定配信を……」

「という事は頭領様のご両親だけではなく、姫様や()()()のご両親も!?」

「いや、ちょっと待って下さい。将軍様ってまさか俺ですか?」

 まさかきっかけは、【闇夜之翼】の連中が名付けた【幽鬼将軍ファントムロード】じゃなかろうな?

 詳細を聞いてみると、名前に”殿”を付けるのが基本スタイル。特別な呼び名はジンの”頭領様”とヒメノの”姫様”だ。しかしジンが所属するギルドのマスターを務めており、ヒメノの兄であるヒイロは特別ではないか? という意見があった。そこで忍者と姫の上に立つとなれば、真っ先に思い浮かんだのが”将軍様”だったそうな。次点で、”殿様”だったらしい。

「あの、普通にヒイロで良いんで、マジで」

 ジンみたいに流されない様に、ヒメノみたいに受け入れない様にしなければ。ヒイロは内心で、割と必死であった。

次回投稿予定日:2023/7/23(幕間)


ほーら、【ふぁんくらぶ】登場回ですよ!

これが欲しかったんですよね?←


しっかし、【忍者ふぁんくらぶ】は、本当にどこにでも現れるなぁ……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 【忍者ふぁんくらぶ】加入者が50人になったということであって、ファンの人数が50人かどうかは別ということにジン君はまだ気が付いていない
[良い点] 将軍様が嫌なら「殿」になるか、闇夜のが正式名になります(無慈悲 ジンさんという忍ばないことで周りを忍ばせる新世代の忍者w 七色の保護者、それぞれ感じるところは大きくあるんだろうなぁ…。…
[良い点] 掲示板 忍者発急行列車 か~ら〜の〜 忍者ふぁんくらぶ 推参!! これを待っていた!!( ̄ー ̄)bグッ! ♪\(^ω^\)(/^ω^)/♪♪
感想一覧
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