99 大活躍! TMR(テレビジョンミステリー調査班)w
「ちょっとそこのあなたっ!」
「さっき競馬場で12レース全部三連単で当てたあなたっ!」
「あなた何者ですかっ?」
「ちょっと話を聞かせてくださいっ!」
次々にR-1号に質問を浴びせるTMRのメンバー。そして、何故質問を浴びせられるのかさっぱり分からないといった顔のR-1号。
「何カ用カ?」
「そりゃ用はありますよ。あなた、今日12レース全部三連単で当てたでしょ。そのうち一つは万馬券だったじゃないですか?」
「ソレガドウカシタノカ?」
「どうかしたのかって、あなた凄いことやったんですよ。どうやったらそんなに当てられるんですか?」
「何デ、ソンナニ不思議ガルカ分カラン。タカガ馬ノ1着2着3着ヲ当テルダケノゲームダロ?」
「それが当てられないから、みんな悩んでいるんですよ。どうやって当てた教えてくださいよ」
「馬ノ体調トヤル気。騎手トノ相性ヲ演算スレバイイダケジャナイカ」
「いや演算ったって」
R-1号は早足を緩めることなく、そそくさと立ち去った。R-2号みたいに空を飛ばなかっただけまだマシかもしれないけど。
◇◇◇
「彼は一体何者だったのだろう?」
黄昏れるタヌキバヤシ隊長。
「宇宙人だっ!」
「未来人だっ!」
「超能力者ですっ!」
「○宮ハルヒの憂鬱かっ?」
「正解はアンドロイドです」と内心ツッコミを入れる僕。
「いや」
ここでためるタヌキバヤシ隊長。
「ノートルダマスの詩篇にこのようなものがある。『黒い髪のかっこいい兄ちゃん。お馬にまたがり十二の大きい的も小さい的も全部射抜くだろう』」
「「「「「おおーっ」」」」」
上がる歓声。
「でもそれってあったことがそのまま言われているだけじゃないですか?」
「いや」
ここでまた、ためるタヌキバヤシ隊長。
「これは『人類滅亡』についての恐ろしい予言だ」
「「「「「なっ、なんだってー」」」」」
「東京の上野、和歌山の白浜、神戸の王子」
「「「「「ぱっ、パンダってー」」」」」
「えらいっ! えらいっ! ナハナハナハ」
「「「「「せっ、せんだってー」」」」」
「ふん。あなたみたいな冴えない男、わたくしの眼中にありませんことよ」
「「「「「つっ、ツンだってー」」」」」
何だかよく分からないうちにTMRのコーナーは終わりを告げ、最後は競馬場関係者へのインタビューが流された。
「困りましたよ。あの人。ご自分が全レース的中させちゃうのはまあ仕方ないんですけど、あんまり当てるもんだから周りの人があの人に予想を聞きにくるんですよ。それで惜しげもなく教えちゃうもんだから、みんな当てちゃうんですよね。だけど予想教えてお金もらっているわけじゃないから、違反でもない。ただねえこのままやられちゃったらこっちも競馬が成立しなくなっちゃうし」
R-1号。パチンコ屋に続いて競馬場も出入り禁止か。まあその方がいいけどね。このままいったらろくなことにならないし。




