71 R-2号の筋肉(にく)に熱視線w
「ところでアールニゴウさんはお仕事は何をされてるの? ボディビルダー? プロレスラー? 役者さん?」
校長先生、笑顔で質問。うーむ。
「こちょこちょ先生」
わっ、エリスが出て来た。
「こちょこちょ先生ではなく、校長先生ね。何かしら? 剣汰瓜さん」
「R-2号さんは絵栗鼠の護衛用アンドロイドなのだ。それが仕事なのだ」
「あら、剣汰瓜さん。SF系の厨二なのね」
「でも、それだけでは地球ケンタウリ帝国を建国するのにお金が稼げないのだ。このオキムネはもったいつけてなかなか金塊くれないし」
「えーとえーと。かなりディープな厨二ねえ。思考が宇宙空間だわ」
ここの校長先生、相当理解がある方だけど、これはさすがにきつい。さてどうするか。
◇◇◇
エリスはかなりの遠隔地から出てきていきなり一人暮らしを始めることになったんですよ。それを心配したご両親がちょうど海外から来日した親戚の男性に同居してもらうことにしたんです。
「ふーん。剣汰瓜さんとアールニゴウさんは昔から面識があったの?」
「当たり前なのだ。R-2号さんは絵栗鼠が生まれた時に護衛用アンドロイドとして作られたのだ。しかも、どんどんヴァージョンアップされてたんだぞ」
「相変わらずディープな厨二だけど、要はアールニゴウさんは剣汰瓜さんが生まれた時からご存知ってことね」
そうなんです。だけど、暮らしていくのに生活費が足りないので、エリスもアルバイトしますが、R-2号にも何かいい仕事がないか探しているのですよ。
◇◇◇
校長先生は何やら腕組をして、目を閉じ考え込む。でもまたすぐに口を開いた。
「ちょうどいい話があるにはあるのよね」
え?
「この学校で長くやってくれている校務員の三太さんが最近腰痛が酷くなってきちゃって辞めたいって言ってきてるのよね。力仕事も多いけど、アールニゴウさんの見事な筋肉なら大丈夫そうだし」
「!」
すぐに反応したのはねこや先生。
「こっ、校長先生っ! それではあたしの彼ピの見事な筋肉がキャッキャウフフフの女子高生たちの熱い視線にさらされてしまいますっ! 危ない妖しい危ない妖しい」
キャッキャウフフフって、その言葉まだ生きてたんですか?
校長先生、腕組をして目を閉じたまま。
「それはねこや先生。これだけの筋肉となれば、どこで働いても熱い視線浴びますよ。むしろ学校で仕事した方が『生徒は恋愛対象外』って言えて安全かもですよ」
鵜鷺先生、笑顔でねこや先生の肩をたたく。
「ねこやー。あんたの恋、私も応援するから、この話受けようよ。いい話だよ。逆にねこやの目の届くところにアールニゴウさんがいた方が安心かもよ」
「でもねえ」
校長先生、腕組をして目を閉じたまま憂い顔。
「それとは別の問題が一つあるのよねえ」
まあもともとが異星から来たエリスの護衛用アンドロイドなんだから問題の塊なんだけど、何を気にしてるのかな?




