62 ねこや先生 ハードでディープに苦悩するw
「新田君と剣汰瓜さんは三時間目はあたしが担当の『現代社会』だから一緒に教室に戻るけど、ねこや、あんたはどうするの? 窓ガラスも割れたまんまでしょ」
「うむっ!」
ねこや先生、スリスリを中断、腕を組んでドヤ顔。
「あたしはこの彼ピを連れて、そこのホームセンター行って材料買ってきて、窓ガラスを直す。証拠隠滅。ノープロブレム」
うわっ、養護教諭とは言え、生徒二人が聞いてる前で堂々とそれを言いますか? ねこや先生。どこまで鋼メンタルなんですか?
つーか、ねこや先生、R-2号を捕まえとく気満々だ。しかし、大丈夫なのか、もともとエリスの護衛用アンドロイドだろう。
僕がついてる時はエリスの遠い親戚だの、ヨーロッパの小国育ちで日本の風習に慣れていないとか言ってごまかしたが、ねこや先生はR-2号と二人きりになりたいんだろうし、そこでR-2号の正体が割れるとまずいんじゃあ。
エリス、ねこや先生がR-2号連れってっちゃうみたいだぞ。いいのか?
「うーん。そうだなあ。それだと困るかもなあ」
おっ、エリス。一応は自分の護衛用アンドロイドを気にかける気持ちがあったのか。
「にゃんこ先生」
エリスはねこや先生の方を向く。
「『にゃんこ先生』じゃなくて、ねこやだけど、何かな? 剣汰瓜さん」
ねこや先生、R-2号をがっちりホールドしてから返答。
「あたしもR-2号さんも、母星から地球に来て、そこにいるオキムネの隣の家に住むことになったのだ。そしたら老谷のばあちゃんから家賃とか電気料とか水道料とか払えと言われているのだ。お金がいるのだ」
「ん? んんん?」
ねこや先生、小首を傾げる。確かに何を言ってるのか分からないでしょうねえ。
「かなり厨二が重症化しているようだけど、要は生活費が必要だってことね」
「あたしはそのお金をオキムネの持っているという二つの『金塊』で調達しようとしたのだが、オキムネはなかなか手強い。『金塊』を手に入れる道は遠い」
「ん-? んんん? ん?」
ねこや先生、更に首を傾ける。さっき以上に何を言っているのか分からないでしょうからねえ。
「言葉通りに取れば、高校に入ったばかりの女の子が、大胆にも養護教諭と担任教諭を相手に彼ピに性行為を迫っているのを受けてもらえないと言っているわけだけど……」
「うーん」
ねこや先生、首を傾げたまま腕組み。
「あたしもオタクの端くれなんだけど、ハードでディープな厨二だわ」
訳分からんですよね。厨二だとしたら相当こじらしてということですね。




