23 ジャ〇アンにかあちゃん。じいちゃんに……w
「わし。深夜アニメで見て知ってるもんねー。高校には麻雀部があって、女子高生たちが活動してるんよ。全国大会もあるんだよね」
はいはい。そんな深夜アニメもありましたね。でもあれは架空の世界の話だからね。
「知らんもん。おいちゃん。絵栗鼠ちゃんと麻雀やりたいんだもん」
子どもですか? 老谷のじいちゃん。絵栗鼠。帰るよ。高校生は雀荘に入っちゃいけないんだよ。おまわりさん来るよ。
「なっ、何っ? おまわりさん? ヤバイ。逃げるぞ。Rー1号。Rー2号」
「なーに言ってやがる。オキムネちゃん。おいちゃん。おまわりさんなんか怖くないぞっ!」
うわっ、老谷のじいちゃん。何てこと言うんだ。絵栗鼠たちに説得出来なくなっちゃうじゃないかっ!
「おいちゃん。昔は今の警察署長に駄菓子屋で一円のペロペロキャンディーをよく奢ってやったのだっ! だから警察署長はおいちゃんに逆らえないのだっ!」
それ何十年前の話? 少なく見ても半世紀以上は経ってるよね。その金額じゃ収賄罪も成立しないと思うよ。
「だから、絵栗鼠ちゃん。おいちゃんと麻雀の続きをやるのだっ! 後一枚でおいちゃん全脱なのだっ!」
もう、八十にもなってこのスケベじじいがあ。本当におまわりさん来ちゃうよ。これじゃあ。かくなる上は最後の手段っ! ちょっとこの場を離れてと。
◇◇◇
「ロンッ! その中当たり! 三暗刻!」
「おおっ、絵栗鼠ちゃん。凄いなー。おいちゃん。また振り込んじゃったなー。やっぱ中単騎待ちかあ」
老谷のじいちゃん。絶対、わざと振り込んでるな。もうしょうがない。
「では、おいちゃん、最後の一枚いっちゃうよー。お宝、御開帳ーっ」
「だっ、大丈夫か? 老谷。おまわりさん来ないか?」
「だーいじょうぶよ。絵栗鼠ちゃん。おいちゃん、今の警察署長に二十回はペロペロキャンディー奢ってやったのだっ! だから、奴はおいちゃんには逆らえないのだ」
それって二十円ってこと? それで警察署長を言いなりにするって発想も凄い!
「ではいきますっ! おいちゃんのお宝っ! オープンッ!」
◇◇◇
ドカッ
不意に食らわせれた頭上からの一撃で老谷のじいちゃんの野望は阻まれた。
「何やってんの。あんた。いい齢して。孫みたいな女の子相手に」
「あっ、ばあさん」
これだ。「おまわりさんが来るよ」が効かない老谷のじいちゃんにはこの方法しかないっ!
ジャ〇アンにかあちゃん。じいちゃんにばあちゃんだ。
隣のマンションに住んでるとは言え、すぐに駆けつけてくれたのはありがたい。
と言うか老谷のじいちゃんがこういう行動に出るのは珍しくないってこと?




