196 オタクはそういう用語の使い方には厳しいのぢゃw
「はっはっは、絵栗鼠ちゃーん。召喚するのは『サモナー』で『皇帝』じゃないよーん」
わあっ、どっちだっ? 余計なことを言い出したのはっ? 老谷のじいちゃんか? 三太さんか?
「何? じいちゃん。『皇帝』は召喚はしないのか?」
「そうそう。オタクはそういう用語の使い方には厳しいのぢゃ。これも師としての『南華老仙』の教えって、え?」
調子に乗ってベラベラしゃべる老谷のじいちゃんに鋭い視線を浴びせるのは、当然犬咲店長。そりゃ怒るよね。やっとエリスをその気にさせたのにオタク発言でぶち壊しにするんだもの。
「お・い・た・に・さ~ん。その辺でお静かにしていただかないと『出禁』にいたしますわよ」
「へっへっ、へへー。それだけはご勘弁を」
真っ黒な執事服を身にまとったスリムな犬咲店長に土下座する「南華老仙」コスの老谷のじいちゃん。今更ながらシュールな光景だ。
お調子者オタクの老谷のじいちゃんの討伐を終えた犬咲店長。一転して満面の笑顔でエリスの方に向き直る。
「絵栗鼠ちゃ~ん。いらんこと言いのオタクは退治しました~。ここは一つイケメンを呼び出しほしーなー」
「わんわん店長。あたしは『皇帝』だぞ。『皇帝』は召喚なぞせんのだ。あたしは『サモナー』ではないのだ」
あーこれでまた振り出しに戻った。
◇◇◇
さすがに苦悩する犬咲店長。しかしすぐに顔を上げた。なんか「男前」だ。
そして、通りすがりさまに僕の肩をポンとたたく。
「新田君、恩に着るわよ」
え? 何ですか? その発言? 何か怖いんですけど。
犬咲店長。そんな僕の言葉を華麗にスルー。あ、何か嫌な予感がする。
「絵栗鼠ちゃん。絵栗鼠ちゃんがイケメンを呼び出してくれれば、新田君がデートしてくれるって」
「デート? それで何かいいことがあるのか?」
「そりゃああるわよー。うまく立ち回れば宿願の新田君の『金塊』が手に入るかもよ」
ピキーン
エリスの目が光りだすって、店長にはバイトの監督責任もあるんじゃないんですかあ? いいんですか? そんなことけしかけて。
そんな僕の肩を再度ポンとたたく犬咲店長。そして、一言。
「新田君、恩に着るわよ」
まっ、まさか。それですまそうって言うんですかい?
「おーい来るんだー。R-2号さーんっ!」
え? 呼ぶわけ? それでR-2号を呼ぶわけ? エリス?
♪じゃじゃんじゃん じゃじゃんじゃん じゃじゃんじゃん じゃじゃんじゃん
♪じゃじゃじゃ じゃじゃじゃじゃじゃじゃー ちゃーたらった ずん ずすんずん
うぐっ、R-2号登場のテーマソングが。




