195 おバカだが、学習能力はゼロではなかったということか?w
まあまあ、エリス。そう言わずに。僕たちも三太さんには世話になったじゃない。R-2号呼んであげなよ。
「ほーっ、オキムネはサンタクローズのじいちゃんに世話になったのか? あたしからするとじいちゃんはずっと厨二ネタ連発していただけだぞ。すりすり」
はあー、言われてみるとその通りなんだよね。だけどこのままじゃ下総屋の信用問題にもなりかねないし、せっかくのバイト先がなかったりしたら嫌じゃない? R-2号呼んでよ。
「ふーん。すりすり」
これにはエリス。さすがに少し考え込んだ様子。これはうまくいくか?
「分かった。ならオキムネがあたしに『金塊』をくれたらR-2号さんを呼んでやる」
うぐっ、そう来たか。と言われてもこっちも「はいそうですか」とは言えんぞ。ならばこれでどうだっ?
「エリス。R-2号を呼ばないと。おまわりさんが来るぞっ!」
◇◇◇
「ふっ」
お、不敵に笑ったなエリス。むう、この手は通じなくなったか。
「ふはははは。ここに来るおまわりさんは駅前交番のおまわりさんだろう? あれはオキムネのとーちゃんのこーはいだが、目ん玉もつながっていなかったし、角刈りで眉毛もつながっていなかったぞ。いきなり拳銃も乱射してこなかった。わはははは。おまわりさんが来ても大丈夫なのだ。どうだ。参ったか? オキムネ。ふはははは」
くう。現実のおまわりさんは目ん玉がつながっていたり、角刈りで眉毛もつながっていて、拳銃を乱射しないことを学習してしまったか。エリスはおバカだが、学習能力はゼロではなかったということか。
「待て」や「お手」は犬より出来なそうだが、どっちにしてもこれで手詰まりか。くっ。
「さっきから聞いていたけど絵栗鼠ちゃん。絵栗鼠ちゃんは三太さんが言うところの別のイケメンを呼べるの?」
あ、犬咲店長。
「おおっ、呼べるともさあ。わんわん店長。あたしは『皇帝』だぞっ! 何故か今は『女王』コスをしておるが」
「私は『皇帝陛下』のカッコいいところ見てみたいなあ。ちょっとこの先端に宝石つけた杖振って召喚してみてくれない?」
「うっ、うむ」
うまいっ! 犬咲店長。伊達に下総屋の店長やっていませんね。
もちろん僕は召喚するのは『サモナー』であり、『皇帝』ではないと気付いていた。杖の先端の宝石がプラスチック製であることも。しかし、ここでそれでツッコむほどのおバカではない。
ただただ心配なのは空気を読むことより、厨二魂がはるかに優先する老谷のじいちゃんと三太さんの義兄弟が余計なことを言い出さないかということだ。
エリスは正位置に立ち、今にも杖を振らんとしているが……




