193 本日はご多忙のところ、三国志コスプレライヴにお越しいただきありがとうございますw
「ちょっとちょっとと呼ばれたら答えてあげるが世の情け。なんですかな? 犬咲店長」
相変わらず芝居がかる老谷のじいちゃん。
「いえね。チェキはいいんだけど。CDはまだ出来ていないし、せっかく盛り上がってるのに、うちの店はあんまし儲からないのよね。何とかならない?」
うわ。商魂たくましいというか。まあでも犬咲店長だってここの店長だもんね。
「うーむ。それではこの下総屋で何か買ってもらったら、アールイチゴウと握手できることにしょうかね」
BOOOOO
わっ、またブーイング。
「さっきはライヴ終わったら握手させるっていったじゃん」
「後から何か買わなきゃダメってズルい」
「買うったって、孔明様グッズ売ってないじゃん」
これは女性陣の言ってらっしゃることが正しいですね。どうするんですかあ。老谷のじいちゃん。
◇◇◇
「ふほほほほ。ほーっほっほ」
下総屋の店内に響き渡る高笑い。これは老谷のじいちゃん、この事態を打開するギャグを思いついたんだろうか。
と思ったら……
「ふほほほほ。よきかなよきかな」
高笑いしていたのは、いつの間にやら白いひげつけて、中国の文官服コスしてるのはうちの学校の元校務員三太さん! いつの間にコスプレしてたんですか。何です? そのコスプレ?
「ふほほほほ。分からぬか? 少年。わしは水鏡先生。司馬徽ぢゃ」
何だか三国志コスプレ大会になってきましたね。三国志知らない人を置いていくのはよくないですよ。ちなみに水鏡先生司馬徽というのは人物鑑定家。主人公(?)の劉備に有能な軍師孔明と龐統を紹介した人です。
「ふほほほほ。よきかなよきかな。それよりぢゃ。だいぶ困っておるようぢゃのお。老谷のー」
「ぐっ」
唇を嚙んで見せる老谷のじいちゃん。しかし、顔は笑っているような。
「そういうそっちには何か策があるというのか?」
「ふほほほほ。ここはわしの任せてもらおうかの。よきかなよきかな」
何やら自信満々の三太さん。やっぱりノリが老谷のじいちゃんに似ているなあ。さすがは義兄弟。
「あーお集まりのみなさま。こんばんは。水鏡先生こと司馬徽でございます。本日はご多忙のところ、三国志コスプレライヴにお越しいただきありがとうございます」
三太さんの珍妙な挨拶に毒気を抜かれそうになる女性陣。
「このライヴが終わったらアールイチゴウと握手できる。そう言われていたのに、やっぱり何か買わなきゃ駄目とか言われてはさぞやお腹立ちでありましょう」
ざわざわ
ざわめく女性陣。
「しかしっ! しかしですぞっ! ここにもう一人イケメンが来て、二人と握手できるとしたらどうですか?」
ざわざわざわざわ
大きくなるざわめき。
「そして、そのイケメンはっ!」
ズッキーン
「痛、痛たた、腰が痛いーっ」
ほらほら腰痛もちなのに、慣れないかっこつけやるから。で、まさかそのもう一人のイケメンって三太さんのことじゃないですよね?




