187 制服コスプレ結婚式かと思ったw
「バンザーイ」
「バンザーイ」
「バンザーイ」
バスから降りて下総屋に向かう道中でも「バンザーイ」の連呼を受けるエリスと僕。あのみなさん、意味をご存じで「バンザーイ」言っておられます?
「え? 分かんない」
「まあ、みんな言っているし」
「めでたいことはみんなで祝ったことがよくない?」
「え? 君たちが結婚するからじゃないの?」
結婚ってよく見てくださいよ。僕たち、高校の制服着ているじゃないですか。高校生が結婚するわけないでしょう。
「え? 制服コスプレ結婚式かと思った」
何なんですか? それ? 普通の人からそういう言葉が飛び出す? 本当に大丈夫かな。この町。
「ええいっ、そうではないっ!」
わあっ、エリスが出てきた。
「このオキムネはなあ。あたしと『推しカプ』になりたがるくせに、『金塊』は寄こさないのだぞ。全くこのスケコマシが」
どこから「スケコマシ」という言葉が出てくるの? って、わあ。
「スケコマシ?」
「『金塊』?」
「あの男の子が?」
ヤヴァイ。行くぞ。エリス。
「な、何をするっ? オキムネッ! 急に腕を引っ張るな。でもなでもな……」
?
「そういう強引なところ嫌いじゃないぞ」
頬を赤らめて言うなっ! エリスッ!
「「「「「キャーッ」」」」」
たちどころに上がる黄色い悲鳴。わあ、騒ぎを聞きつけて人が集まってきた。ええい、とっとと下総屋に入るぞっ! エリスッ!
「あ、ああー、どこ行くの」
「『下総屋』に入って行くぞ」
「ついていこう」
「面白そう。見ていこうよ」
かくてエリスの手を引き、下総屋に入る僕についてくる人多数。
「いらっしゃいませー」
「いらっしゃいませー」
「いらっしゃいませー」
満面の笑みで続々と入って来る人々を迎える犬咲店長と琴理さん。それに何故か店員でないにも関わらず「いらっしゃいませー」と言って、頭を下げる老谷のじいちゃん。
それに外から見た時には分からなかったけど、三人とも既にコスプレ変換済だ。琴理さんの悪役令嬢コスは一昨日と同じ。それに加えて、犬咲店長は黒い執事コス。余裕があればじっくり見たい気もするナイスコスだが、今はそれどころじゃない。そして、何故か老谷のじいちゃんがローブに杖のコス。気になるぞ。
老谷のじいちゃん。それ何のコス? 仙人?
「何? 分からんのか? オキムネちゃん」
分かんないよー。
「ほっほっほ。まだまだぢゃのお。厨二の道は高く険しい。わしはな『賢者』ぢゃ。『賢者』。思い知ったか。勇者オキムネ」
いや「賢者」って、老谷のじいちゃんから一番遠い職業じゃあ。




