180 週末、非行は心配していないが、奇行が心配だw
「と・に・か・くっ!」
力を込める鵜鷺先生。
「あまりにもいろんなことがあったもんだから、鵜鷺先生自身も勘違いしそうになるけど、まだ高校入学してから五日しか経っていないんだよ。このクラスの場合、非行はあんまりなさそうだけど、まともな人が理解に苦しむ奇行に走って補導されることのないように」
「ピョンちゃん先生がそう言っているぞ。気をつけんか。オキムネ。スリスリ」
エリスのことを言っているんだよ。鵜鷺先生は。
◇◇◇
ショートホームルームが終わると僕とエリスは鵜鷺先生に声をかけられた。
「新田君、剣汰瓜さん。犬咲が今日は『下総屋』に来られるか聞いてきたから、行くか行けないなら連絡してやって。まだ履歴書書いてないんだって?』
履歴書書けてないのは、一昨日、犬咲店長がいきなりコスプレさせたからなんですが。まあ、履歴書書いていないのは事実ですからね。
「あーそうそう。また、ねこやが怒っていたわ。女生徒たちがみんなアールニゴウさんにキャッキャ言っているって。言ってもどうにもならないかもしれないけど行ってやって」
はい。エリスはR-2号がどうなろうが知ったこっちゃないって考えだし、僕が行っても女生徒のみなさんのパワーに圧倒されるだけだと思いますが。
◇◇◇
保健室の扉をノックすると「はーい」とねこや先生の明るい声。
しかし、保健室の中に入り、しかもエリスが僕にスリスリをしているのを見ると、ねこや先生、大きな溜め息。
「いいわねえ。絵栗鼠ちゃんは新田君を独り占めできて」
「いや、にゃんこ先生。オキムネはあたしに『金塊』をくれないのだぞ。スリスリ」
「それでも羨ましいわ。でも、嘆いていても仕方ない。もう放課後。アールニゴウさんのところに行くよ。新田君、剣汰瓜さん」
やはり、僕らも行くんですね。お役には立てないとは思いますが。
◇◇◇
前任の三太さんが左肩の上に残っているとはいえ、今日からR-2号は正式な校務員。何をしているのかなと見れば、ぶっ。
R-2号は校庭に水を撒いていた。ま、それはいいのだ。校務員なのだから。
問題は水を撒く管が直接R-2号の腹部から伸びていて、勝手に動いて水撒きをしているんだ。これは。
ありがたいことにR-2号フリークの女生徒のみなさま方はこの怪奇現象を全く気にしておられない様子。
「キャー素敵―っ!」
「水を撒くお姿も凜々しいわ」
「三太さーん。どこから水を取っているのー?」
あ、本質を突く女生徒の方もいた。
「ほっほっほっ、ほーっほっほ。いい質問ぢゃ」
相変わらずR-2号の左肩に乗る三太さんはご満悦。
「それはだな。ひ・み・つぢゃ」
「えーっ、教えてよー」
何なの? このやり取り。




