156 そこに厨二魂はあるのか? 宇宙翔ける美少女戦士が聖剣をその手に持ち、雄々しくも凛とした姿で立っているのか?w
TMRが引き上げてしまうと野次馬たちもぞろぞろ引き上げ始めた。うーむ未だにテレビ局の影響力は侮りがたしというところかな。
それを見た父さん。がっくり。
「えー? 何でみんな帰っちゃうのさ。俺の描いている萌えイラストも見ていってよ」
「また見に来るよ」
「ここ名所になるんじゃない?」
「観光地になるかもね」
むー、宇宙から来た皇帝エリスの住んでいる一軒家が観光名所になるのか? R-1号は多分マジモンで「秘密基地」だと思っているだろうし、いいのか? エリス?
「王宮に国民が観光に来て何が悪い。我が国は大らかな国なのだぞ」
まあ皇帝がそう思っているんならいいけどね。R-1号はテレビ中継で「秘密基地」と言ったし、そう考えても皇帝を尊敬する国民が集まる場というより、遊園地のアトラクションに近いものがあるような気がするが。
「そうかそうか。観光名所か。じゃあうちで穫れた米と野菜を売る直売所も作りたいな。おーい、アールイチゴウ。外側に米と野菜の販売コーナー作ってくれよ。賃借料は払うからさ」
「何? 賃借料? オ金クレルノカ? 分カッタ。作ル」
いやいやいや、父さん。魔改造されたから忘れているかもしれませんが、ここはもともと老谷さんの家ですよ。R-1号とだけ相談して決めちゃダメでしょう。
「おおそうか。おーい。老谷のじいちゃん。ここにうちの農産物直売所作っていーい?」
老谷のじいちゃん、目を閉じたまま腕組み、やがてカッと両眼を見開くと
「新田さん。そこに厨二魂はあるのか? 宇宙翔ける美少女戦士が聖剣をその手に持ち、雄々しくも凛とした姿で立っているのか?」
それを聞いた父さん、老谷のじいちゃんに向かって、真っ白な歯を光らせ、眩しい笑顔でサムズアップ。すみません。僕の力ではお二人の会話の意味するところがまるで理解できませんでした。
「ソレデ一体私ハ何ヲ作レバイイノダ?」
珍しく意見が合ったなR-1号。僕もそう思うぞ。
「今ある銀色の建物と一体化した15坪の建屋を作ってくれ。中には電気水道ガスを通してな。箱型の冷蔵ショーケースを2台。加工場も欲しいな。キッチンで加工用の大きい作業台をついているやつだ。それとレジだが……」
父さん、さすがはプロと言いたいところだけど、老谷のじいちゃんとの会話との落差は何? この父さんの指示に当たり前のようについていけるR-1号も凄いが。
◇◇◇
「わー。アールニゴウさん。これが私たちの『愛の巣』? 一面銀色でかっこいいね。さすがはあたしの彼ピ」
うわっ、相変わらず赤フン一丁のR-2号にぶら下がったねこや先生。
うーむ。この建物にまた別の認識を持った人が現れたか。




