152 ほわちゃちゃちゃ。ほわちゃちゃちゃ。ほわちゃーw
「あー、コホン」
ここで鵜鷺先生、一つ咳払い。
「いちゃつくのもお手柔らかにね。私だって一人もんなんだから。ところで、新田くんに剣汰瓜さん。もう遅くなっちゃったから、バイトは明日でいいって犬咲から連絡あったよ」
あ、店長から連絡ありましたか。気が付けば外は真っ暗。うちの学校はあんまし校庭に照明ないし、部活動も引き上げ始めているみたい。
「オキムネ。誰が髪乾かすの止めていいと言った。まだ続けてほしいのだ。続けろっ!」
エリスー。せっかく鵜鷺先生が今日のバイトは休みと教えてくれたんだから、聞こうよー。後、いちゃつきをお手柔らかにと言われたんだから、少しは遠慮しようよー。
◇◇◇
「コホン」
今度は校長先生が一つ咳払い。
「そんなわけだから、もうみんな今日のところは解散ね。ところで三太さん、腰は?」
「ふっ、かつては異世界の闇の超特急と言われたわしも腰には勝てぬか。ふっ、ふははははっ! ひーん。ちと歩いて帰るにゃきつい-。誰か送ってほしいぞよ」
前段として厨二をやらないと会話出来ないのですかと三太さんにツッコミを入れようかと思った次の瞬間……
ジャーンジャガジャガジャガジャジャーン
何だ? この音楽?
「ブワッハハハ、何だそのザマは。三太。やはり兄より優れた弟など存在しねえ」
わっ、この声は?
◇◇◇
ババーン
後ろから光を当てられて仁王立ちしているのは何と老谷のじいちゃん。照明具を持って、後ろにいるのは老谷のばあちゃん、それに老谷のばあちゃんによく似た女性が一人、ばあちゃんの妹さん? だとすると三太さんの奥さんって話ですよね。
つーか更にそこにもう一人の女性が。それは何とうちの母さん! 何で母さんが学校に来ているの? 今日は三者面談じゃないよね? も一つ言うと僕は補導とかされていませんっ! 補導されるんなら絶対サダヨシの方だよね。
「ぬぬぬ」
三太さん、腰をさすりながら立ち上がって、老谷のじいちゃんと対峙。大丈夫? 無理しないでくださいよってっ、わっ、僕の方を向いた。
「いててて、少年よ。教えてやろう。いててて。奴の名は老谷。かつて兄と呼んだ男だ。いててて」
ご紹介ありがとうございます。でもせっかくですが、ご紹介していただかなくても、僕は老谷のじいちゃんのことよく知っていますし。それに奥さん同士が実の姉妹なら、「かつて」じゃなくて、「今も」立派な義兄弟ですよね?
「おれの名前をいってみろ! 正当な伝承者老谷さまだっ!」
「老谷。貴様には地獄すらなまぬるい」
いやだから、二人とも立ち上がって対峙しているけど大丈夫なんですかあ?
「「ほわちゃちゃちゃ。ほわちゃちゃちゃ。ほわちゃー」」
グギッ
「「いったー。痛い痛い痛いーっ」」
ほらもう言わんこっちゃない。




