148 水に濡れると透け透けになるのだw
プシュー
それはもう全く前が見えないほど水が噴き出してきた。
「オイ、オキムネ」
何だR-2号っ! こういう時に僕を呼ぶな。三太さんに相談しろっ!
「コレドウスル?」
ぶっ、それバルブじゃないか? 固くて三太さんが動かせないって言っていたやつ、もぎ取っちゃったのか?
つーか三太さーん。R-2号が怪力でバルブごと取っちゃったんですけど。どうしましょう?
「うーむ」
三太さん、豪快に噴出した水を浴びながら腕組。何だか滝行みたい。いや、豪快に水を浴びているのは、僕もエリスもR-2号もなんだけど。
「オキムネッ!」
わあ、何だ? エリス。今は明らかに緊急事態だから、不要不急のボケは後にしてほしいんだが。
「オキムネッ! オキムネはあたしの透け透けが見たかったのかっ? このドスケベっ!」
いっ、いやっ、地球人の姿のエリスが水浴びてブラウスが透けるなんて、今、エリスに言われるまで気づかなかったぞ。ほらもう、そういうこと言うもんだからかえってそっちに気が行っちゃうじゃないか。
「オキムネッ! 見たかったのだなっ? それでR-2号さんに噴水を作らせたのだなっ?」
ちょっと待てっ! 一刻も早く水を止めなければならないという緊急事態にそういう多層構造なボケを持ち込むなっ! 混乱するっ! えーとだな。
まず、R-2号は噴水を作ったわけじゃないぞ。それにR-2号に水を噴出させる指示を出したのは僕じゃなくて三太さんだ。
「分かった。オキムネ。オキムネは透け透けが見たかったのだな。なら『金塊』よこせっ!」
そして、こっちの言うことを全然聞いてくれないのね。さあ、どうするべ。
◇◇◇
とにかく三太さん。どうやったら水が止まるんです? これじゃ校庭まで水びたしですよ。
「ゴーレムが引きちぎったバルブを元のようにはめれば止まるとは思うんだが、こう水圧が強いと近づくのも難しいわな」
いえ、三太さん。それは普通の人間の常識です。R-2号にはそういうものは関係ないので、R-2号っ! 今、三太さんに言われたように、その持っているバルブを元のようにはめろっ!
「分カッタ」
予想通りにR-2号は強力な水圧をものともせず、あっさりとバルブを元のようにはめた。
「ゴーレム。おまえってやつは」
明らかに普通ではなく変人のカテゴリに所属するであろう三太さんにして、あきれ顔。
「これで直ったかな?」
三太さん、蛇口をひねるも水は一滴も出ない。
「ゴーレム。きつく締め過ぎだ。バルブを左に回せ。いや待て。まだ回すな」
「……」
「ゆっくりとだ。0.1ミリずつ動かせ。そう。それでいい。やれやれ。直ったのはいいが、ここにいた全員びっしょりだな」
そうですね。洗い場の蛇口が直ったのはいいけど、これじゃもうこれ以上校務員業務の引継ぎもできないって、わっ!
やめろ、エリス。後ろからすりすりするな。体が濡れているとまた違った感触が。わあっ。
「オキムネー。見ろー。透け透けを見ろー。見たいのだろうっ!」
いや、エリス。それはって、わあっ。




