147 あたしはオキムネの全裸イラストがほしいのだ。赤フンはいらないのだw
三太さんを左肩に乗せたまま、のそのそと動き出したR-2号だが、やはりべたべた触りまくる女生徒のみなさまがいらしては進みづらい。
「エーッ、オッホンッ」
校長先生、ここで大きな咳払いを一発。
「ここでアールニゴウさんから離れてくれた娘から順にコミケ作家まっそー薔薇園描くアールニゴウさんの金髪碧眼筋肉質赤フンイラストをプレゼントッ!」
これは対応が分かれた。ササッと校長先生のところに駆け寄る女生徒さまとなおもR-2号に触りまくる女生徒さま。しかし、勝負はすぐについた。
最初に校長先生のところに駆けつけた女生徒さまが受け取った金髪碧眼筋肉質赤フンイラストを高々と掲げたことで流れはこちらに。女生徒さまたちは校長先生のところに大行列。
公立高校の校長先生がもう一つの自分の顔がコミケでの売れっ子BLマンガ家であることを堂々とカミングアウトしたことには何も言いますまい。
「新田君、剣汰瓜さん。私は手を離せなくなったから、三太さんのアールニゴウさんへの校務員業務の引継を見届けて」
はいはい。いろいろツッコミどころはありますが、校長先生のおかげでR-2号の問題が何とかなりそうだし、ここはこちらも出来るだけのことをします。って、あ、エリスが前に出た。
「こちょこちょ先生。サンタクロースのじいちゃんとR-2号さんを見張るのにご褒美がほしいのだ」
うわっ、ずうずうしいな、この皇帝。自分とこの部下がちゃんと就業できるように骨折ってもらっている人にご褒美要求するのか?
「んー。何かな? 剣汰瓜さん」
校長先生、ドローイングの筆を止めずに応答。すみません。うちの皇帝が。ご迷惑を。
「こちょこちょ先生。あたしはオキムネの全裸イラストがほしいのだ。赤フンはいらないのだ。『金塊』もバッチリ頼むのだ」
わああああ。何てこと言うんだエリスッ! いかな有名BLマンガ家とは言え、相手は校長先生だぞっ!
これに対し、校長先生。右手でドローイングの鉛筆を走らせたまま、左手でサムズアップ。ええんですか? それでええんですか?
◇◇◇
かくてぞろぞろと三太さんを左肩に乗せたR-2号についていく僕とエリス。三太さんが案内してきたのは手洗い場だ。
「ここの手洗い場の水の出が悪くてな。何とかしてくれって言われているんだが、大元のバルブが固くてな。わしじゃあどうにもならんのよ。アールニゴウなら怪力だから何とかなるんじゃないか?」
R-2号はゆっくりと三太さんを地面に下ろす。これはさすがに学習したか。
そして、手洗い場の下にR-2号が潜り込んだ時に僕は気づいた。
このパターンはひょっとして……




