121 このあたしにキスしようってのかっ? うっ、うっ、うっ、受けて立つっ!w
「そりゃあ私は分かりますよ。ただ、ここにいる生徒たちや鵜鷺先生や根小屋先生もよく知らないんじゃないかな? と言うか新田君は何で知っているわけ?」
校長先生、いっぺんにフォロー&ツッコミありがとうございます。何故僕が知っているか。それは「主人公補正」ならぬ「ここらでトラブルシューティングしとかないと話に収拾がつかない補正」です。
「何だかよく分からないけど、KISSがどうしたって?」
ありがとうございます。そのKISSのジーン・シモンズがですね。ステージ上で火噴きの芸をやるのはご存じで?
「そうねえ。昔は随分話題になったわ。予め口の中に石油みたいなものを含んでおいて、それ噴きだしたものにライターとか火を付けて火を噴いているように見せるのよね」
そうです! そうです! 他にプロレスラーのミスター・ポーゴがやっていますが、これはジーン・シモンズ以上にネタがマニアックなので、こっちを使ってみました。
「うーん。つまり今、アールニゴウさんがやってみせたのはその『火噴き芸』なわけ?」
さすが校長先生、理解が早いっ! まさに今R-2号がやったのは、「火噴き芸」なのですっ!
「そう言えば新田君、アールニゴウさんは『奇術師』やっていたとか言っていたよね」
鵜鷺先生、ナイスフォローッ! もうこの際、R-2号は「奇術師」だということにしといた方が後々説明が楽になるぞっ!
「何を言っているのだ。オキムネッ! 失礼なっ! R-2号さんは『奇術師』などではないっ! ケンタウリ星最新鋭のあたし専用護衛アンドロイド……モゴモゴモゴ」
ええいっ、エリスッ! せっかく話がいい方向にまとまりかけているのに、蒸し返すんじゃないっ!
◇◇◇
「「「「「キャーッ」」」」」
なっ、何です? 三年生のお姉様方、その黄色い悲鳴は?
「新田君が剣汰瓜さんを『顎クイ』したあ」
「キスよ。これはキスをするんだよ」
「さっきKISS、KISS言っていたもんね」
お姉様方、そのキスではありません。あくまでアメリカのハードロックバンドの話です。
「キース」
「キース」
「キース」
何なんですか? この盛り上がりって思っていたら、泣きっ面のサダヨシが音頭取っているし、何のためにそこまで頑張るのだ? サダヨシ?
「オキムネよ。男には負けると分かっていても戦わねばならない時もあるのだ」
サダヨシ。それは言葉の意味を含め、いろいろ違うぞ。
「オキムネーッ!」
わあっ、エリスがいきなり顔を近づけてきたっ!
「オキムネッ! 皇帝であるこのあたしにキスしようってのかっ? うっ、うっ、うっ、受けて立つっ! だけど、やる以上、『金塊』はもらうからなっ!」
何で勝負事みたいになってるの?




