113 アールニゴウさんの裏切り者……w
「きゅうううん」
「だいぶ良くなってきたな。あと一歩」
ようしじゃあ、この辺で終わりするぞ。「きゅうううん」
「ぜんっぜんダメッ“! 一からやり直し」
何べんやっても、どの「きゅうううん」がいい「きゅうううん」で、どの「きゅうううん」がよくない「きゅうううん」なのか、さっぱり分からん。
◇◇◇
ざわざわざわ
そうこうしているうちにざわめき声が大きくなってきた。そうか「きゅうううん」でエリスに合格点もらえないでいるうちにもう学校に着いちゃったんだ。
! いつの間に用意したのか「新田興宗リア充! 入学式で出会った彼女と妖しいいちゃつきを激写!」「女子生徒のみなさん新田興宗はリア充彼女持ちです。近づかないようにしましょう。その点、本堂貞義は安心です」という横断幕が下がり、その下でサダヨシは「よろしくお願いしまーす」。R-2号は「ヨロシクオ願イシマース」と言ってチラシを配っている。
むう、どんなチラシを配っているんだろ。見てみたいけど、あの状況のサダヨシやR-2号の近くに寄りたくないなー。
「オキムネッ! 『きゅうううん』が止まっているぞっ!」
いやエリス、あれ見てくれよ。あそこでサダヨシとR-2号が何かチラシを配っているんだよ。どうも僕とエリスが写った写真関係らしいけど。
「それがどうかしたのか?」
それがどうかしたのかって気になるじゃない。どんなチラシ配っているんだか。チラシ受け取った人たちが何人かで集まって盛り上がっているみたいだし、うかつに近寄れないよ。
「要はあのチラシが見られればいいのか?」
ま、それもあるんだけどって、え?
「おーい、R-2号さん。オキムネがそのチラシを見たいのだそうだ。すぐ持ってきてくれ」
わーエリス。そこででかい声だしちゃ元も子もないって。
◇◇◇
「ハイッ! 絵栗鼠様」
R-2号はいい返事をすると共にその場でジャンプ! くるくるくると空中で三回転するとエリスの前に降り立ち、ひざまずくとエリスにチラシを差し出した。
「絵栗鼠様。チラシデゴザイマス」
「「「「「キャーッ」」」」」
たちどころに沸き起こる女子生徒の大歓声。筋肉質の金髪碧眼美形の兄ちゃんが空中三回転のアクロバット。盛り上がらない方が無理だね。ってそう言う話をしている場合じゃない。エリス、そのチラシを見せてくれ。
「ほれオキムネ」
ほれって本当に興味を抱かないものへの対応はどうでもいいのよね。エリス。えーとなになに「新入生新田興宗十五歳激写。入学式で出来た彼女と四日目朝にしてラブラブリア充不純異性交遊疑惑」。やっぱ朝方エリスが僕にのしかかっている写真が付いているわ。
「ねえねえあなたが剣汰瓜絵栗鼠ちゃん?」
わっ、多分三年生とおぼしきお姉様が近づいてきたぞ。
「うむそうだが」
「キャーッ、やっぱりこの娘が絵栗鼠ちゃんだってー」
あっというまにお姉様方に囲まれるエリス。うーむ。四日目にして、うちのクラスばかりでなく学校中にその名を馳せたか。他を見るとR-2号も女子生徒のみなさまに囲まれているし。
「アールニゴウさんの裏切り者……」
わっ、サダヨシ。いつからそこにいた?




