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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
聖なる栗の木への旅路

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99/201

誰よりも優しくてズルい男

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 チャコは犬猫に対する愛情と一緒だと言うが、そもそも僕は犬猫にキスはしないよ?


 僕が、今は男に見えてるんだよね?そんなの当たり前じゃないか。  


 目の前に、簡単に触れる位置に、好きな女がいるんだ。僕にだって欲はあるよ?


 絶対に表に出さないようにしてるけどね。だからこそ、自分の行動に驚いたんだよ。


「チャコ、自分を犬猫と一緒にしないで?チャコはとても魅力的だから……だからキスしたんだよ。でも、それはチャコの同意を得ずにしたから……ごめんね?」


 彼女にとっては、何とも思わなかったかもしれないけどね?


「謝らなくてもいいよ?ペリルにとっては挨拶みたいな物なんでしょ」


 確かに?挨拶代わりに求められたらしたよ。


 でもね、違うんだよ。


「あの時は、エッさんとソージュ様2人の諍いを止めるためにと思ったんだ。

 別に、頬でも鼻先でも良かったのに、咄嗟に口にしちゃったなって」


 吸い込まれたんだ。


 選択肢が無くなったんだよ


「結果、二人を止められたなら良かったんじゃない?私はあの時助けられたし」


 チャコはお酒が回って来たのか、頬は赤く目が潤み、どことなくフニャっとしている。


 この距離で直視するのは、触れたくなるからちょっときついかな?


「で、そろそろ酔ってきたし?ペリルの恋愛観について聞こうじゃないの!」


 チャコは、楽しそうにクスクス笑いながら、もたれていたベッドに肘をついて、コチラを覗き見ている。


 ——誘われてると勘違いしたくなる状況だな


「僕の恋愛観というか、僕の愛し方だね?」


 僕もベッドに、肘をつきチャコと同じ姿勢で向き合う。


「そう、それ!ソージュとは違う愛し方なんでしょ?」


 そのままの姿勢でずいっと近寄る。


 チャコ、異性に対しての距離感じゃ無いよ?


「僕は……自分の願いや気持ちを相手に押し付けたりはしたくないかな。

 愛するなら、全て受け入れたい。相手が移り気で自分を選ばなくとも、幸せになって笑っていてくれるならそれでいい。

 たとえ身を切る様な思いがあっても、相手の望みを叶えると思う。それによって苦しい気持ちがあっても、好きな相手への思いなら大切にしまっておくかな?」


 僕はチャコの目を見て、心の中で君の事だよと呟いた。


「ペリル……とても素敵だけど、ペリルは?

 そんな自己犠牲なんて、悲しくて泣けてきちゃうわ?その場合のペリルの幸せは?あなたはどうなるの?」


 チャコが、僕のシャツを掴んで涙を流しながらいい募ってくる。


 これは……酔っ払ったかな?


「僕は相手が幸せなら幸せだよ?僕の力で幸せに出来ないなら仕方がないよね?

 ただ、僕が幸せに出来るなら……どうかな?想像した事すらなかったや」


 そんなのあり得ないから……


「何言ってるの?ペリルなら誰だって幸せに出来るでしょ?ペリルと一緒にいて幸せになれない人ってどんな人よ。

 そんなのは、基本的に不幸体質な人くらいじゃない?認識に驚きだわ」


 チャコは、僕で幸せになれる?


「チャコ……は?」


 しまったつい口に出てしまった。


 ダメだ、ハイペースで色々飲んだから、僕も結構酔ってるな……


「私?ペリルといるのは居心地がいいし、いつも助かるし、感謝してるし、幸せだよ?」


 それは……家族としてだよね?


 ダメだな、もっと聞きたいや。


「男として、俺は?」


 あ、しまった、俺ってつい出ちゃった


「ん?俺?酔うと一人称変わるのね。ペリルが男としてって、カッコいいし、スマートで優しいし、かなりハイスペックよね。

 完璧だからこそ、執着が無さすぎて、相手が不安になるくらいじゃない?」


 バレちゃったか、ま、いいや。執着か……


 でも、それはチャコが困るよね?


「執着すると相手が困るだろうから、今は無理かな。僕の事を求められたら考えるよ」 


 困らせたくないんだ。


 チャコは話を聞きながら、酒を飲んでキッパリ言い切った。


「ペリルは優し過ぎて損するタイプだね?」


 まあ、ソージュ様が相手じゃなきゃとっくに本気出してるんだろうな。


 と苦い気持ちになったが、俺は、酒と一緒に飲み込んだ。


「そうかもね。チャコは、僕とソージュ様だとどちらが良い?

 エッさんは、二人のどちらかしか認め無いって言うけど」


 俺……ずるい聞き方してるよな


「ペリルその聞き方は狡いわ?」


 シャツを握ったままだった手で、ペシペシ俺の胸元を叩きながら抗議してくる。


 なんだそれ、可愛いな


「じゃあ、今度はチャコの恋愛感について聞こうかな?」


 顔を寄せて首を傾げる。


 うん、ソージュ様の気持ちが良くわかった。


 チャコは無防備すぎる。これは、耐えるのに忍耐力がいるや


「私は、どうなんだろう?そもそも男親が奔放だったし、元彼もその前も浮気したし。周りの話聞いても、男はその……下半身で物事考えるって思っていたから。

 ソージュとかまさにそうだし、ペリルはちょっとなんか違うけど、誰でもいいのかなって思っていたの。」


 ……耳が痛いな。


 逆だよ。何とも思ってないから、誰でも良かったんだ


「ペリルが言っていた「相手が目移りするのはコチラの努力が足りない」の言葉、凄く納得出来たんた。そのお陰で色々納得出来たし、前に進めたんだよ?」


 チャコは俺の目を見て嬉しそうに笑う。


 俺は邪な考えから、気を逸らすためにも頷く


「だけど、私は私だけを女性として好きでいてくれて、私が大切だと感じる事に共感してくれて。嫌な事はしない人」


 ——俺はチャコが嫌がる事はしないよ


「ダメな時は甘やかすだけじゃなくて、理由を教えてくれたり?そんな人がいいかな?」


 ダメでも、チャコなら甘やかしたいかな


「私の相手への愛し方は多分ペリルに近いかもしれない。本当は相手に合わせたいのかな?前は上手く出来なかったけどね」


 照れながら、俺に向かって、えへへと笑う顔が余りにも可愛くて


「チャコ、キスしていい?」


 顔を寄せて、目を見て思わず聞いてしまった

あーペリルの鉄壁の理性が完全に落ちた!酒の力だなぁ

この2人はそもそもの考え方が近いのでソージュと相性が良かったので。


もし良ければ、ブクマ、★評価よろしくお願いします

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