恋愛の話?飲みながら話そう!
眠らされたソージュは、軽量化されてペリルに担がれ運ばれている。
「チャコ、今の、忘れさせた方がいい?」
ペリルがソージュの記憶を消すかどうかを聞いて来た。
「実際どっちがいいのでしょうか?忘れると、また同じ事を繰り返すのか、忘れた方が対処しやすいのか。
どのタイミングで、ソージュのスイッチ入るのかが、わからなくて」
普段は違うのに、あのモードになると、中々止まらないから……
「最初は我慢できたでしょ?何で、ソージュ様は止まらなくなったの」
ペリルは不思議そうだ。
「うーんと、私が全力で拒否したら、怪我させちゃうかなって思って……
嫌じゃ無いなら、まあ好きにさせるか?って対応が不味かったのかな?」
止め方も分からないし?
「チャコ……本当は嫌ではないの?さっきは、震えてたよね?」
やっぱりバレてた?
「嫌ではないけど、望んではいないかな?」
たとえ彼氏だったとしても、外で、不本意に襲われたくはない。
「あー、うん。分かった。確かに気乗りしない時は嫌だよな」
理解出来ちゃうんだよ。ペリルは人の気持ちをよく分かってるよね
「勢いついた男性って止めるの難しいじゃ無いですか。ペリルは違うの?」
ペリルはコントロール出来るの?
「それを僕に聞く?まあ、いいか、僕は元々自分の気持ちを抑えるのが得意だし、人の顔見るから、相手が望まない限り手は出さないよ?」
ペリルら感情のコントロール上手すぎるよね
「ある意味誠実なんだろうけど……それって相手が望んだら、その望みのまま、誰でも大丈夫な人の発言よね?」
なんでかな?ペリルの意思は感じられない。
「よくわかるよね?経験済み?」
ペリルは、チラッとこちらを見た。
——うっ、そう来たか
「似たような感覚はあるかな?だから断れなくなるの。ソージュみたいなタイプは、思いをぶつけてくるから止めにくい」
本当に一直線なんだもの……
「ソージュ様が、一方通行の行為の虚しさを理解出来ればいいけど……多分無理かな」
ペリルは肩に担いだソージュを見ながら無理だと言う
「どうして?ペリルが無理とか言うと、ソージュには希望すらないじゃない」
いつもソージュの味方なのに
「初恋だよ?恋愛初心者なんだ。配慮なんて出来ると思う?」
ペリルは私を見たまま困ったように笑う。
……それは確かに難しいかも。
慣れてない分、相手が見えなくて、自分の気持ちぶつけちゃうよね
「ペリルは初恋は散ったの?」
ペリルにもそんな頃があったのかしら?
「初恋も何も無いよ?僕は素敵だったらすぐに口説くよ。片想いとかした事もないな。
そもそも僕の基本的な考えは、ハーレムの人間だから、独占欲が湧かないんだよね」
ペリルは、初恋のもどかしさすら感じた事もなかったのか……
「素敵な人がいたら、他の人がその人を求めるのは当然だし、それは当たり前だと僕は考えてるからね?
僕は、僕といる時にその子が幸せならそれでいい。真実の愛だって、ソージュ様と僕だと捉え方が違う」
ペリルの言っている事には、間違いは無さそうだけど……
「そもそもの愛し方が違うって事?」
何それ?参考までに教えて欲しい
「ソージュ様は、多分チャコを物凄く必要としてくれるだろうし、実際必要としてる。
一緒になるなら、全力で愛したいし愛されたい人。側にいる限り、愛されてる実感もあるだろうし、満たされると思う」
それは……そうかもしれない。
「ちょっと周りが見えなくなりやすいから、注意が必要。下手すると火傷する。後、闇堕ちすると、あの人平気で監禁すると思うよ?」
凄く納得出来るけど……
——最後の言葉が怖過ぎる!
「ペリルは?」
彼はどんな感じなんだろう?
「僕?!それ、自分で説明するの?それって凄く恥ずかしくないかな?でも、チャコが後から自分の事話してくれるなら話してもいいよ?」
ペリルは頬をかきながら、照れ臭そうに交換条件を出してきた。
うん、確かにそれは恥ずかしいや
「んー、確かに恥ずかしいわね?シラフでは無理ね」
酒の席なら、いけるかな?
「あれ?チャコ飲めるの?」
ペリルが私を意外そうに見る。
「程々に飲めるわよ。これでもとっくに成人してるし。ペリルは飲めるの?」
ペリルがお酒を飲んでるの見た事ないや
「ふーん、じゃあ後で飲みながら話そうよ」
あ、いいなこの軽い飲み会な感じ
「そうね?ペリルと飲むのは楽しそう」
お酒はいっぱいあったし、何飲もうかな?
「で、これ、記憶どうする?」
ペリルがソージュを指差している。
「んー、どうしよう?任せていい?」
申し訳無いが、今はもう考えたくない。
「とりあえず消しとくし、一旦置いてくる」
ペリルは、記憶を消す事にしたみたいだ。
まあ、その方がいいだろう。
「ん、よろしく。なんかお酒に合うおつまみ作っとくわ」
話をしながら部屋に入り、ペリルはソージュを部屋に運んで行った。
私はキッチンに来て、おつまみ作りだ。
食材を見る。手で摘んで食べれるやつがいいよなと、ジャガイモを手に取る。
「ポテトフライは基本だよね」
チーズも手に取る。カリカリに焼こう。
野菜スティックも良さそう。
ディップソースにはレモンも欲しい。
ご飯食べた後だからこの位にするかな?
さっさと準備したら、ペリルがやってきた。
「切り方教えて?切るから」
ペリルは手伝ってくれるみたいだ。
「ありがとう。お願い。じゃがいもと野菜は全部スティック状に切って?レモンは果汁だけ絞って欲しい」
とりあえず、全部同じでいいか。
「切ったよ?これでいい?」
見ると野菜は全て。綺麗にスティック状になっている。
「ありがとう、後は簡単だから、とりあえず飲みたいお酒選んでおいて?」
ペリルにお酒を選んで貰う
「分かった。チャコなんでも呑める?」
ペリルはお酒の棚を見ながら私に尋ねた
「強すぎなければ大丈夫かな?」
強過ぎると酔い潰れちゃうしね
炒め鍋に、チーズをパラパラ広げて温度を上げる
横で鍋に油を入れて温度を上げる。温まるのが早いから直ぐにイモを入れて放置
野菜スティックはお皿に置いて
卵黄、レモン、塩、ブラックペッパーを準備する。卵黄をかしかし泡立てオイルを混ぜ入れてレモン汁を足す。塩胡椒をして味を整える。
爽やかなレモンマヨだ。とりあえずカップに入れて持って行く。
チーズがカリカリになったのでブラックペッパーをふりパキパキ適当な大きさに割る。
ポテトはこんがりしたら油から引き上げ、油を切り塩を振る。お皿に盛って出来上がり
保存のバックに詰めて今使った調理器具を洗浄機に運ぼうとしたら、既にペリルによって洗浄されていた。
ペリルには洗浄機すらいらない。
「どこで飲む?ソファ?部屋?」
ペリルに尋ねると
「僕を部屋にあげても大丈夫?」
なんて聞くから、
「ペリルは相手が望まなければ手を出さないでしょ?だから大丈夫よね?
私の部屋なら靴脱げるしくつろげるから、部屋の方が都合いいわ」
なぜかペリルなら大丈夫だと思えるのよね?
気分は女子会なのよ。なんでだろ?
実はチャコは過去にトラウマありありだから、ソージュはある意味地雷を踏み抜きました。ペリルは大丈夫、その意味をチャコはまだ分かっていないけど……
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