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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
家族

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考え無しとハッキリした拒絶

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 私は、さも、自分が運営してるかのように振る舞って、その気になってただけで、実際は無知の極みで騒いでた事を恥ずかしく思った。


 穴があったら入りたい。


『チャコ姉と私一つ違いでしょう?チャコ姉今21歳だったよね?』


 何か年齢は関係あるの?


『少なくとも、私は19歳で家を出たの。

 チャコ姉の世界の私はまだ20歳よ。私が20〜21歳の時は、何度も種が私の元へ金の無心に来たわ。

 その度に居留守を使ったのを覚えてる。職場に現れた時、職場でもいいように利用されていていたから……嫌になって男に逃げたんだ。 

 ま、結果男にも騙されたけどね?』


 前にも思ったけど、ティトの過去って


 私なんか比較にならないくらいにキツイわ


『チャコ姉が心配しているように売り払っていたなら、あの男、私の所なんか来なかったんじゃ無いかな?』


 私は、ハッと、ある事に気付いた。


「ティト、私が今戻ったら、あちらの世界の貴方に会えるわよね?」


 なんとかできないかな?


『チャコ姉、気持ちはありがたいけど、会いに行くのはやめておいて?

 私は26歳まで生きて、最後は比較的平穏だったわ。今は幸せだから、チャコ姉を好きになれるし、話を聞いても相談に乗れるわ。

 こちらで出会えて良かったと思ってる』


 あ……私、また独りよがりな事……


『でもね、20歳の私は、チャコ姉が同情するくらいには悲惨だったの。

 当時の私からすると、幸せに育って見える異母姉をどう思うかしら?

 少しだけ考えてみてくれる?もしも逆なら会いたいと思う?』


 ——声が出なかった。


 私、自分の気持ちしか考えてないや……


『間違えないでね?謝ったりもしないで。

 私にとっては過ぎた事なの。もし、この先私の記憶が変わったりしたら、私はチャコ姉の事を恨むかもしれない』


 ティトはハッキリと拒絶している。当然だ。


『あの頃の自分を、私はあなたには見られたくない。何で前にお墓の話をしたか分かる?

 チャコ姉は、私の気持ちに気付いてなかったから誤魔化せると思ったんだよ。

 それを聞いても、まだ前世の私に、チャコ姉を知らない私に、会いたいと言える?』


 ティトはこんな事は、きっと言いたくなかったはずだ。


 悪い事しちゃったな……


「……ティト、色々教えてくれてありがとう。私、正直帰る意味が分からなくなったわ。

 こちらの世界に残る事も、真剣に考えるよ。

 あちらでは、ティトには絶対会わないけど、こっちのティトにはまた会いたいわ。

 ……その時は会ってくれる?」


 これじゃあ、どちらが姉が分からないわ


『本当にこっちに残るなら、またそのうちゆっくり話をしよう?

 チャコ姉と話したい事はたくさんあるよ?

 前世の愚痴も聞いてよね?

 あと、その時は頑張ったって褒めてね』


 ティトは急に妹っぽくなった。


 もしかして、気を使わせたかな……


「こんな恥ずかしい私を、まだ姉と呼んでくれるの?

 そもそも数ヶ月しか違わないし、実際の魂の年齢だと、ティトの方が年上じゃない」


 もう、ティトが姉でいいのでは?


『嫌よ?私は姉に憧れていたんだから』


 え、憧れ?姉に?


『学生の頃、父親に『お前には姉がいる。姉は母を亡くし、口煩い祖父母といる。お前には両親がいるんだから幸せだと思え』と、よく言われたわ。

 姉は大変で頑張ってるんだ、私も頑張らなきゃって考えてた。実際は違ったけど……』


 んー、私、本当に甘すぎたな。


 自分ばかりが大変だと考えていたわ。


「私の考えってかなり甘いわね。自分ではしっかりしているつもりだったけど。

 ティトの話を聞くと、ハリボテ過ぎるし、私の傷なんてちっぽけ過ぎて情けないわ」


 なんだか自分の悩みが馬鹿らしくなるわ


『そればかりは仕方がないんじゃない?

 子供に、生まれてくる環境は選べないわ。

 たまたま私に運が無かっただけよ。だから気にしないで。

 悩みだって比べるものじゃないし、人それぞれでしょう?』


 うん、その通りだわ。


 でも、やっぱり私は甘えていたのよ。


「ティト、大人だね」


 前回もティトと話をした後、道が開けたよな


『まあ、26歳まで生きたし?色々経験はしたわ。だから人よりもちょっと大人かも。

 でも、まともな育ち方しなかったから、今生き直せて本当に良かったんだよ』


 流石に、苦労した分達観してるよな。


『あ、ごめん、もう少し話をしたいけど、そろそろ連れが痺れを切らしてるから、通話切るね?』


 随分と、私に付き合わせちゃったな


「ティト、本当にありがとう。ティトに話すとなんだかスッキリするわ。

 助かりました。して貰ってばかりだからいつかお礼させてね?」


 本当にありがとう。ごめんなさい。


『おおげさだよ?私が大変になったらチャコ姉も助けてね?じゃまたね』


 そう言って、ティトは通話を切った。


 1人になって考える。


 私は本当にあちらに帰る必要があるのか。


 寧ろいない方が、叔父さん達はやりやすいのではないか?


 そもそも好きに生きろって、祖父母は言ったんだ。こちらにいてもいいのでは無いか?


 もう、私はこの世界でエストラゴンの子供になったんだ。


 ちゃんと向き合わなければ失礼では無いか?


 浮気した彼氏がなんだ!


 ナトゥーアは浮気される奴の努力不足なんて聞いて考えたよ。


 看護を理由に、彼氏をほったらかしにして彼氏に甘え過ぎていた。


 浮気されて当然だったかもね?


 ムカつくけど……


 ちゃんとやってみよう。


 過去の傷に逃げずに……


 一瞬、思い出したくない事が頭によぎった。


 ——怖いよ


 ……無理かもしれない。


 でも、このままじゃ前に進めない。


 ソージュとペリルに向き合おう。


 いつかティトに会えたら、頑張ったねって言われたいわ


 今まで、自分の気持ちなんて、考えたこともなかった。


 でも、今は自分の気持ちに、真っ直ぐに生きてみたい

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