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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
家族

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天才がいると全て簡単になる

 エストラゴンが、御者をしに表に出ていった後、慌ただしさが過ぎた余韻に、残された3人は立ち尽くしていた。


「とりあえず座るか?」


 ソージュがソファーを指差し尋ねてきた。


「じゃあ、お茶入れます。2人は座ってて?」


 キッチンに行き、カップにレヒテハントから貰ったお茶を注ぐ。


 残りは少なそうだな。


「レヒテハントさんから渡されていたお茶が、少なくなってしまい、後一杯程でなくなってしまいます。茶葉は何が分かりますか?」


 ソージュにお茶の種類を尋ねると


「ペリル、レヒテハントに茶を武器屋まで持って来るように伝えてくれ」


 当たり前にペリルに伝えるが、レヒテハントは忙しくないのかな?


 お願いしてもいいのかな?


「茶葉が分かれば、私が入れますよ?」


 お茶だよね?


「レヒテハントがチャコにわざわざ持たせたのは、茶がなくなったら、ソージュ様に顔を見せてくれの印なんだ。だからレヒテハントに茶を持って来させるのが正解なんだよ」


 ペリルはそう言って、蝶々に伝言を吹き込んで飛ばした。


「一応当主だからな、屋敷の事はレヒテハントに任せてあるから、報告もあるんだろう」


 ソージュがそう言ったが、ペリルを見るとどうやら違いそうだ。


「ソージュ様は放置すると、全く帰って来なくなるから、レヒテハントは心配して、お茶を予測して必ず必要量持たせるんだ。無くなったら必ず連絡する様にと約束させられたんだよ?」


 クスッと笑いながら、ペリルが理由を教えてくれた。


「ソージュめちゃくちゃ心配されてるじゃ無いですか。ちゃんと連絡取らなきゃレヒテハントさんが可哀想ですよ?」


 屋敷の管理を任されっぱなしも可哀想だと思って、思わず口にしたら


「レヒテハントに感謝はしているが、あいつは何かと口うるさいんだ、だからついな」


 レヒテハントは、お母さんでしたか……


 ソージュは思春期の息子かな?


 そんな事を思いながら、この後、時間があるから何をしようかとの話になった。


「そうだ!レヒテハントさんをただ待ってるだけなのも暇だし、何か作りましょうか?」


 手持ち無沙汰なんだよね。暇つぶしにお菓子でも作ろうかな。


 私は、食糧庫をいそいそとのぞく


「あった!コーンスターチと、薄力粉、バターと、砂糖」


 ぶつぶついいながら材料を集める。


「何作るんだ?」


 ソージュが興味津々で、ついてきた。


「簡単に出来る、コーンスターチの入ったホロホロクッキーです」


 すぐ出来るのよね


「そんなに簡単なの?」


 ペリルも後を付いてきた。


「混ぜて、焼く。以上」


 作業台に材料を置く。ビニール袋が欲しいと思ったけど、まあ、いい。


「ペリル、このバター溶ける前位の温度に出来る?部屋の温度と同じくらい」


 ペリルになら出来るかな?


「部屋と同じ温度?これでいい?」


 さっさと手を振って完了した様だ。手早いな


「ありがとう、あ、丁度いい」


 バターはちゃんと室温になり柔らかくなっていた。それを撹拌していたら


「変わるよ」


 とソージュが横から手を出したので


「そのまま混ぜていてください」

 と、いい、そこに砂糖を少しずつ加えた


「その粉を振るって入れてもらえますか?ペリルはオーブン180度にして、天板に油塗っといて!」


 ペリルをコマ使いにし、ソージュに粉ふるいをさせる


「二つの粉をいっぺんに振るっていいのか?」


 大丈夫だとソージュに伝え、撹拌されたバターの中に振るってもらい、切る様に混ぜた。


「まとまったら、本当は時間置くんだけど……レヒテハントさんは直ぐに来ちゃう?」


 到着時間を2人に聞くと、


「物質の時間経過させようか?」


 と、ペリルが事も無げに言う。


「そんな事まで出来るの!すごいね?じゃあ1時間お願い」


 何それ、私も出来るならやってみたい。


 多分無理だけど


「出来るよー。出来たよー」


 ペリル早いよ、早過ぎるよ


「ありがとう、驚く間もなかった。早いね?」


 生地を触ったらいい具合になっていた。


 生地を摘んで、コロコロと2センチ程の球をひとつ作る。


「ペリル、これを天板に並べる事出来る?」

 あっという間に球が天板に整列した。


「これで15〜20分焼くよー」

 あっという間だった。ペリル様々だ


「本当に早いな?」


 ソージュがオーブンに天板を入れながら、簡単すぎて驚いている。


「最後に焼けたら粉砂糖塗すんだけど、ペリル、この砂糖、粉になる迄細かく出来る?」


 ペリルを使いすぎに感じるが、遠慮はしない


「これでいい?」

 ペリルは既に砂糖を粉砂糖にしていた。


「ペリル、先読みが早いわ?すご過ぎよ?」


 ペリルは嬉しそうにニコニコして、まだある?と聞いてきた。


「砂糖だけだと甘過ぎるかもしれないから、少しだけコーンスターチ足すから、満遍なく混ぜてくれる?」


 ペリルはいいよーと言い、混ぜてくれた。


 勿論魔法で


「後は焼けたら、まぶして冷めたらおしまい」


 もうすぐ焼けるわね?


 お茶を飲み、ほんの一息ついた頃


「焼けたぞー」


 オーブン前で陣取っていたソージュが天板を出していた。


 いい色に焼けている。


「柔らかいからそっと砂糖にまぶします」


 熱いからフォークで拾って砂糖にまぶし、バットに一つ並べたら


「……あっという間に出来上がりね?」


 次の瞬間、全てのクッキーが綺麗に砂糖にまみれて並んでいた。


「……ペリル、室温にできる?」


 冷ませば完成だから、最後までペリル頼りだ


「はいよ」

 出来てるんだよね?触るとちゃんと固くなっていた。


「ん、美味しく出来ました」


 3人で味見をして、ちょっとだけレヒテハントさん用に包んでソージュに渡した。

読んで頂きありがとうございました。

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