表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
勇者見参

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/201

風呂は一人で入れます!

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 軍事部に辿り着くと、隊を解散し自由となる。


 チャコを連れて帰宅する為に馬を回してくると、オリガンとペリルがチャコの相手をしていた。


「済まない、待たせた。疲れたのか?」


 チャコを見るとなんだか疲れて見える。


「大丈夫ですよー。オリガンさんとペリルさんの流れる様に口説くセリフに疲れていただけです」


 チャコの目は、座っていた……


「一体お前達は少女相手に何をしているんだ?暇なら仕事は山程あるが?」


 目を細めて2人を咎めるように見ると


「お疲れ様でしたー」

とペリルはオリガンの襟首を捕むと、引き摺ってあっという間に見えなくなった。


 あのまま、2人で飲みにでも行くのだろう。


「そんなに遠くは無いが、歩くと距離があるので馬で行こう。籠をこちらへ」


 籠を受け取り馬に縛り付ける。中身が出ない様にする為に布袋も持ってきた。


「あ、布袋までありがとうございます」


 馬に乗るのに手を貸そうか一瞬悩むが……


「自分で乗れるか?手伝おうか」


 チャコはキョトンとした後、ニカリと笑い


「自分で乗れますよ?」

 と、ひらりと跨った。


 俺は、その後ろに素早く乗り馬を走らせる。


「行商に1人で来るぐらいだ。流石に馬の乗り方が上手いな」

 逃げた馬が無事だと良いが。


「馬ってロマンがありますよね?だから好きなんです」

 馬にロマンがあるのか?


 今まで当たり前に乗っていたので、ロマン等は感じた事は無いな


「今日は遠征だったので明日は休みだ。砂糖とマッシャー以外にナッツの料理に必要な物は他にあるか?」


 約束だったので、帰ったら厨房に指示を出そう。


「お兄さんは甘い物は好きですか?好きならいくつかお礼に作りますよ。お砂糖を使うし...日持ちする物も有るけど、それはびっくりするほど砂糖を使います」


 なる程、砂糖を好き嫌いと言うほど、甘い菓子を食べた事はないな……


「普段、余り菓子を食べる機会が無いから好きか嫌いかはイマイチよくわからないな。

 砂糖は屋敷にあるのを好きなだけ使っていいぞ?足りなくなったら買いに行かせる。

 新しい菓子と言うのは気になるからな」


 食べ切れなければ隊の皆に持っていけばいい


「お兄さんてお金持ちのボンボンですか?」


 ボンボンとは……何だ?


「ボンボンはよくわからないが、金ならあるだろうな。これでも一応隊長だ」


 目の前の頭をくしゃくしゃ撫でる


「ゔぁ!ぐちゃぐちゃにしないでください!あぁ!頭が揺れる!首取れる!」


 両手で抵抗してくる。よくも馬の上で手放しで乗れるものだ。


「本当に馬上の身のこなしが素晴らしいな。男なら隊に迎えたい位だ」


 ——実に惜しいな


「兵士とかムリですよー血みどろとか嫌だし、紫の血とか怖すぎて絶対無理」


 頭を、抱えてぶんぶん振っている。


「そうだよな、普通は戦いは怖いよな。血みどろの戦いなんて、見ていても怖いよな……

 戦うのに慣れてしまうのは……良く無いよな」


 初めはそれなりに怖かったよな。


「お兄さん?お兄さんは怖く無いですよ。優しいし。お兄さんも兵士の皆さんも優しいから、戦えない人を守る為に戦っているんでしょ?」


 彼女は、こちらを見る事なく、前を向いたまま話す


「守ってくれる人達を怖いと思う筈ないですよ。戦いにおいて怖いのは、スプラッタな景色が怖いのと……

大切な人を失うかもしれない不安が怖いのであって、戦う人が怖いわけではないと思いますよ?」


 口調から、隊長の癖に何腑抜けた事言ってんだ、と背中を押されたようにも思う。


「ありがとう、そんな風に考えた事も無かったよ。無知は罪だな」


 こんな小さな娘に諭されるとは、情けないな


「無知なら学べば良いのです。知らないという事を知ったなら知れば良いのです。

 知らない事を知らないままだとずっと無知です。

 知らないを連呼し過ぎて、知らないと知らないのゲシュタルト崩壊です……」


 チャコは知らないを連呼し過ぎて混乱している。


「ごめん、真面目になんかいい事言ってくれてるのに早口言葉みたいで笑いそうになる」


 そうこうしている間に自宅までたどり着いた


 馬を降りる前、チャコは無言で口を開けたまま屋敷を見上げている。


「ちょっと?これでちょっと金持ち?基準がおかしくないか?だからボンボンは……」


 何やら空気が不穏だ。ぶつぶつ言ってる 


「とりあえず入るぞ」


 チャコの手を引いて屋敷に入る


「旦那様お帰りなさいませ」


 執事のレヒテハントが迎え出るも、俺の姿を見てギョッとする。


「旦那様何か問題でも有りましたか?」


 レヒテハントの慌てる姿を見るのは……初めてかもしれない。


「彼女は砦で保護をした。今日は屋敷に泊まるから客室を頼む。後、厨房で作りたい物があるから鍋と、砂糖とマッシャーの準備を頼む。

 彼女は、入浴後に作業しやすい服を貸してやってくれ。後で部屋に迎えに行く」


 すると、屋敷の侍女頭が現れて、あっという間にチャコを部屋に連れ去っていった。


「坊ちゃま、何があったのですか?」


 ——ようやく頭の装備を外せる


「話せば長い。とりあえず風呂に入りたい」


 外した装備をレヒテハントに渡し自室に向かう。


 途中客室近くを横切ると——


「お風呂は1人で入れますから!だから、洗って頂かなくても大丈夫です!」


 と叫び声が聞こえて来たが、


 疲れているので無視してそのまま自室に戻った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ