表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
勇者資料館

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/201

都合悪い事は忘却魔法で叩きましょう

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 エストラゴンを盾にしてソージュから逃げたが、その位で諦めるソージュではない。


 両手をだらんとしたまま、瞬きもせずにこちらを凝視しながら、ジリジリと合間を詰めて来ようとしていた。その時


「ソージュ隊長、無理強いは良くないです。嫌われちゃいますよ?」


 ペリルから、スパーンと音が聞こえる程のフルスイングのツッコミが入る


「はっ!?あれ?何だろう?一瞬意識が飛んでいたような?」


 どういう仕組みなのか?!ソージュの意識が戻った。


 ペリルを見るとソージュさんの後ろで、内緒と人差し指を立てている。


「……忘却か」


 エストラゴンが小さく呟き、深いため息を吐いた。ソージュはどうやらペリルによって忘却の魔法を物理的に叩き込まれたようだ。


 ペリルは、もしかしなくても1番敵に回すと厄介な人かもしれない。味方で良かったと考えていたら、エストラゴンがこちらを見た


「チャコ、ソージュ相手に余り軽はずみな事をするんじゃないよ。アイツは飢えた獣だからな。あっという間に喰われるぞ?ちゃんと拒絶しなさい。ペリルは……許したくはないがあれは挨拶だ。気にするな」


 エストラゴン、ペリルに対しては何かをグッと飲み込んだようだ。


「ごめんなさい?」


 謝るのもなんか違うかな?と思いながらも一応謝っておく。迷惑は掛けたし。


「謝らなくていいぞ?チャコは何も悪くない。アイツらが底抜けに馬鹿なだけだ」


 エストラゴンは首を振りつつそう言い切った。


「そうだ!チャコ、話していて伝え忘れたが、魔王討伐後にゲートが開くらしいぞ!」


 ソージュさんは私と話した後の事は上手い事忘れているらしい。


 残念な人だと思うのは可哀想かな?


「私もそれっぽい事が書いてある書を見ました。余り詳しくはありませんでしたが……魔王討伐後は、数刻だけ、転移した場に帰りのゲートが開くと。転移者のその後として記載されていましたよ」


 皆、話しながら自然と部屋の中の席に座り、4人でそれぞれが調べた事の情報交換をした


「後、さっき私が話をした少女ですが……」


 私と彼女の前世の関係も伝えたけど……


 エストラゴン。顔が般若です。


 全身から私達の父への怒りが溢れて、隣にいてもチクチク刺さって来ます。


「チャコ、お前さんが慣れている元の世界に帰りたい気持ちは分かるが、わしは絶対チャコを娘にする。

 わしの娘としてなら妹の、シュピネル家の娘と会うのは簡単になる。わしが話を通してやる。チャコが嫁に行く時は、わしが全部やってやるし、孫が出来たら全力で可愛がるぞ!だから、だからこちらに残って、ペリルでもソージュでもオリガンでも、他の奴でもいい。絶対幸せになるんだ!」


 エストラゴンは椅子からガタン!っと立ち上がりブルブル怒りに震えながらも、私に取って嬉しい条件を、沢山つけてくれた。


 てか、私の相手は誰でもいいんだ。思わず笑っちゃった。


「エストラゴン、そこはせめて俺かペリルまでにしてくれ?」


 ソージュ、ペリルは認めるんだ?あんなに怒っていたのにね?


「チャコ、僕もチャコのおかげでアルゼと本当の兄妹になれたんだ。この先、僕はチャコと彼女を繋ぐ役回りならいつでも引き受けるよ?だから頼って?」


 ペリルは魔法使いだから、何なりとできるんだろうな。


「ペリル、ありがとう。そうだ、これティトから貰ったの。声が届けられるみたい」

 

 ティトからもらったバングルを見せたら


「あー、これは家の商品だね?ちょっとかして?」


 手首からスルッと外して、何か魔法陣をペンで書き足している


「はい、これで一方通行じゃなくて同時に回路が開くから、普通に会話できるし、ここをこうやって触ると普通のメッセージも送れるよ」


 そう言いながらペリルが、私の手首にバングルを付け直した。


 メールが、通話になったのかな?ガラケー?


「ありがとうペリル。凄いわ?あっという間に」


 驚きながら、さすがは万能ねと褒めると


「後から商会に、シュピネル家の娘に同じ物を俺から送っておくよ。アルゼに良くしてもらったお礼も兼ねてね?」


 パチンとウインクする。様になっているし、カッコいいのが凄いと思う。


「チャコ、俺は……俺も何か手伝えるなら何でも言ってくれ」


 ソージュは、自分は役立たずだと考えていたのか控えめだ。


「ソージュ、貴方は私を引き止めるのでしょう?こちらに残りたいと思わせて下さいね?」


 ——よし、一歩前進だ!


「お?少しはこちらの世界に残る事に脈アリか?ソージュ!ペリル!やるぞ、わしらが本気になって落とせない敵はいない!」


 うおーと吼えてソージュの頭をバチンと叩き、ついでにペリルもバチンと叩いて


「よし!次に行くか!」


 老後の目標が出来た!とエストラゴンはガハハと笑いながら


「ほれ!早くせんか!後でチャコが料理してくれるんじゃないのか?」


 なんて、楽しみなご褒美を追加するから


「あ、早くしないと時間がないか?」

 ソージュは慌てて


「オリガン、干からびてないですか?」

 私は買い出しに行った友人を心配し


「多分、ナンパしてるんじゃない?」

 ペリルは、失礼な事を言いながら


 3人並んでエストラゴンの後に続いた。


読んで頂きありがとうございました。お話が気に入って頂けるようなら、

反応、★評価、ブクマ、コメントして頂けると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ