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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
勇者資料館

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一歩前へ進むには味方が必要です

 妹か……現実味が無くぼーっとバングルを見つめていたら


「チャコ姉、そろそろ行かないと私の迎えが来る頃だわ。資料室に居ないと心配されちゃうから。さっき伝え忘れたけど、私の能力は国の結界に阻まれるから、国外ではこれを使ってね?」


 ティトは想定外の話が出てきて、帰宅の時間が少し押してしまったのか、それを気にしながらも私にバングルの使い方を教えてくれた


 これがあれば、ティトと連絡が取れるんだ……


「また、ゆっくり会えるかな?」

 もう少し……話がしたかったな


「うーん、私がもう少し大人になったら会いに行けるし、時間も作れる筈よ?だから、チャコ姉こちらに残ってよ。アウスリーベン様はどうなのよ?チャコ姉の事物凄く好きみたいだし。かなりのオススメだよ?」


 ティトはソージュをオススメしてきたが、彼女の能力のせいなのか、彼の行動のせいなのか、ソージュが私の事を好いている事まで知っていた。


「それは、まだ分からないわね……」

 まだ付き合うとか無理だわ、どうしたらいいかわからないのよね


「……何があったかは……まあ、察するし、臆病になる気持ちは分かるわ。けど、どうせ何したって後悔するなら行動してから後悔した方がいいよ?やらなかった事って後々引きずるから」


 彼女は私の心の内を読んだのだろうか?私の過去には言及せず、理解だけ示している。便利な能力だね?ティトの話を聞いた限り、彼女は前世はかなり苦労したんだよね


 だからこそさらっと難しい事を言う。


 私は臆病風に吹かれて、いつも、肝心な事は人任せにして、無関心を装う事で甘えていたんだ。 


 このままで良い筈がないし、自分も嫌だな。


 自分に自信持つためには、一歩でも前へ進まなきゃね?


「ありがとう、少し前向きに考えてみるよ。後、ティトの事、ソージュにはどこまでなら話していい?」

 

 全て説明するのは無理でしょ?


「うーん、能力に関しては表向きには私は観察眼が凄いとしてあるから、追加できるのは念話が出来るまでかな?能力はそれ以外は秘密。前世姉妹は……アウスリーベン様には話していいわ。今後味方になって欲しいし。彼以外との関係性は?」


 心の声が聞こえてるのは秘密で念話は大丈夫、よし覚えた。


 ソージュを味方にする?まあ、あの人色々な意味で強いもんね?


「ペリルは良く世話してくれる強い味方。エストラゴンは私を養女にしたいって言ってる。オリガンは?友達?かな?」

 エスドラゴンの養女の話も、この際しっかり考えよう。


 ティトがこの世界にいるのなら、いつか私のこの力も必要になることがあるかもしれない


「アウスヴェーク様とクレフティッヒ様になら聞かれても良いわ。後の方は、私自身がどんな方か知らないからまだ言わないで頂戴」


 家名、長いのによく覚えていられるわね?賢者って、やっぱり頭いいんだろうな。


 オリガンの事は、私もまだイマイチよく分からないけど、気がいい脳筋で、ソージュの事をリスペクトしてるのはわかる。


「ペリルとエストラゴンの家名初めて知ったわ」

 なんだか家名を聞くと貴族感が増すわね?


「ま、あの3人を纏めて名前呼び出来るのは、チャコ姉位だと思うよ?あー私ももっとチャコ姉と話がしたかったなぁ、私の愚痴も聞いて欲しかったよ。時間が足りないよぅ」


 ティトが子供の様に足をバタバタさせて文句を言う。


 ——あ、この子10歳の子供だったわ


 中身に引っ張られて同世代と勘違いしちゃうわね?


「でも、ティトの前世が私の妹だと知れて本当に良かった。声を掛けてくれて、教えてくれてありがとう」

 こちらの大切な繋がりが、また一つ増えたわ


「……また、必ず、絶対会おうね?」

 ティトが、帰るな!と目で訴えてくる。そうだよね、お互いにもっといろいろ話したいよね。


「……そうね、会いたいしまたゆっくりお話したいわね」


 本当に、心からそう思っているわ。


 丁度区切りがついたタイミングで、入り口ドアがノックされた


「まだ、時間がかかるか?」


 ソージュの声が聞こえてくる。

 

 ソージュは気配を読むのが上手いから、話に区切りがつくのを、聞こえないなりに何かを察知して、待っていてくれたのかも知れない。


「いま、丁度出ます」


 扉を開けると、するりとティトが前に出た。


「アウスリーベン先生、ありがとうございました!チャコ姉の事、必ず!絶対!捕まえて離さないで下さいね?姉を幸せにしてあげてください!じゃ、私は、こちらから失礼致します。アウスリーベン先生、お姉様、またお会いできる日を心よりお待ちしております。では、ご機嫌よう」


 勢いよく伝えた後は、口調が最後にはお嬢様へと変わり、貼り付けた笑顔と綺麗な礼をして滑るように足早にティトは出口に向かっていった。


「ありがとう。ティトまたね?」


 私の声は小さくて届いてないけどそれでいい


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