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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
ツァオバライ商会

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爆買い。シリーズコンプリート

 今、商談室の卓上は、テレビの通販番組の様に有りとあらゆる魔導調理器具が並んでいる。


 私が物思いにふけっているうちに、指示して持ってきてもらったのだろう。


「この際、必要な物を買った方がいいと思って一式出してもらったが、使えない物はあるか?」


 ソージュに促されて見た卓上には、魔導ナイフから始まり、ミキサー、フードプロセッサー、泡立て器にオーブンまである。


 なぜかドライヤーみたいな物が混ざっているが、間違えたのだろうか?


「……どれも使えますが、こんなに買って頂くのは気が引けます」


 全て魔導シリーズだ。一体幾らするのよ


「チャコ、この先、俺達はそこそこ長い旅路が続く。購入品で繋ぐ事も出来るが、何日も同じ物を食べる事になるぞ?それでも平気か」


 それは……ちょっと嫌かな?肉ばかりだと飽きてしまいそうだ。


「僕達は、遠征に慣れてるし、何なら食べなくても風呂に入らなくても平気だ。でもチャコにはそのような生活は無理だろ?」


 うん無理。現代っ子舐めてもらっては困る。


「素材と調味料と機材があれば、自分好みの食事が取れるし、作ってくれたら俺達も助かる。料理をするのはチャコの仕事だと思ってくれたらいい。勿論毎日じゃ無くていい」


 ソージュさんは気が引けている私に理由をくれたんだな。


 ——仕事か、確かに働かざる者食うべからずだ。


「わかりました!では出来る限り作ってもいいですか?料理を作る時間は取れますか」

 その間、待たせるのはどうなんだろう?


「だったら荷馬車の振動を無くすのと、空気の換気を魔法陣に追加するよ。移動中暇だったろ?」


 ペリルは簡単なことのように言うけれど、そこまで出来るのか……


「チャコ1人でやらなくていい。料理は俺もやる」

 ソージュは楽しみなのか張り切っている。


 そういえば、コッホさんがソージュが勝手に作って困ると言っていたな?


「わしは……済まんが料理は全くだから御者をやるぞ!」

 エスドラゴンは、確かに出来なさそうね?


「俺も、料理は無理だけど味見なら出来るぞ!」

 オリガン、貴方はそんな感じだよね


「僕も得意ではないけど、お手伝い程度なら頑張るよ」

 ペリルは器用そうだからきっと使えるわね


「分かりました。嬉しいお仕事を頂きありがとうございます。折角だし、しっかり働きますよ?」

 何か協力できるのは助かるな


「では、それを全部と、魔導水瓶があればそれも追加で」

 ソージュさんは従僕に追加で何かを注文した。


「あの、これはなんですか?」

 私はドライヤーみたいな物が気になっていたので、尋ねてみた。


「これは、洗浄・浄化の風です。魔法が使えなくても、風があたれば食器でも体でも、何でも洗浄されます。魔力が心配な時でも清潔に保てますよ。


 何だそれ?シャワーみたいな物?便利そう


「魔道具って凄いですね」

 何だか、ひたすら感心してしまった。


「お待たせ致しました。撒菱の刻印が全て終わりましたので、お確かめの上お納め下さい」

 デアマギアが戻って来た。手には綺麗に染められ商会の刻印が入った、柔らかな革製の袋がある。


 ソージュさんが中を確かめてから、私に手渡して来た。


「袋に防御の陣がある小さめの空間魔法の袋だから、当たっても大丈夫だ。ナイフと一緒に腰に下げておくとすぐに使えそうだぞ」


 凄い、便利すぎるわ!


「ありがとうございます。腰に下げて使います」


 この服にはベルトがない。どうやって下げようかな?と考えていたら


「こちらはいかがでしょう?」


 デアマギアがすかさず、小さなケースが付いた、腰ベルトにも、肩掛けにもなるポーチを渡して来た。


 柔らかな色味だからどんな服にも合わせやすそうだ。この人商売上手だな……


「チャコ、これでいいか?付いているポーチには、時止めの空間魔法がついてる様だから、今の荷物も一まとめに出来るぞ?」


 素晴らしい!けど、買いすぎじゃ無いのかな?


「便利そうだし、助かるけど……」

 さすがに買いすぎだと言おうとしたら


「ではこれも頼む。すぐ使うからこのまま貰うよ」

 と、私の膝にポーチを置いた。


「え、ちょっと……」

 慌てて制止しようとしたけど


「今まで使っていたポーチに調理鍋を入れるから、今、入れ替えしてくれ」

 と、言われて


「……はい」

 ソージュの余りの勢いに、渋々引き下がって荷物をポーチに移して鞄はソージュに渡した。


 デアマギアは手早く鞄に購入品をしまい、鞄鞄はソージュに引き渡され、流れるように連携した動きで鞄は再び私の元へ来た


「請求書は後で家へ送ってくれ」

 ソージュが満足げに頷き請求書を求めると、商会長は恭しく頭を下げた。


「畏まりました」

 お貴族様は現金の手渡しなどでは支払いはしないのだろう。


「そう言えば、アルゼは?」

 いるって言っていたのに……


「アルゼは、行きに盗賊に襲われたから、今回は商会が護衛を雇って先に帰ったみたいだよ」

 そっか、確かに御者と2人じゃ不安だよね


「残念です。色々お礼が言いたかった……」

 また会えるかなぁ


「後から荷馬車で声を届けてあげるよ」

 ぺリルは卓上の書類をひとまとめにしながら約束してくれた。


「よろしくお願いします」

 あの蝶々かな?ありがとうペリル


「よし、各々買い物は済んだのなら、次に行こう」

 ソージュが声を掛け、皆商談室から出る。


「本日は、色々とご購入頂きありがとうございます。何か有りましたら最寄りの商会にて何でもご相談下さい。ご来店誠に有難う御座いました」


 商会長デアマギアに見送られ荷馬車で資料館へ向かった


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