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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
ゴルドファブレン王国

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49/201

有能で手が早い臣下

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 ガタ、ガタン!


 何かが倒れる音がしたけど、私は目の前にいるペリルから目が離せない。


 この人、余りにもナチュラルに、顔色ひとつ変えずにおでこにキスしたわよ?


 ペリルは女性の扱いがスマートだ。今も、ギリギリ手を振り解き難い力加減で手を握っている。


 嫌なら簡単に外せるが、感謝されてると思うと、振り解けない。どうしようなかぁなんて考えてたら、急にグイッと後ろに引かれた


「うゎっ!っと」


 と色気のない声が出た。


 ソージュは慌てた際に椅子を倒し、こちらに来たようで、今は私を後ろから抱き込んで、ペリルに対して威嚇している。


「お前、チャコに何してる」


「お礼のキスですよ。しませんか?」


 ペリルは相変わらずケロっとしている。


 本当に、ただの感謝の挨拶だったのだろう。


「お前のは、なんか違う」


 ……どう違うのかな?


「あのね、ソージュ隊長、いえ、ソージュ様、貴方はもう少し自身の御立場を考えて行動してください」


 あれ?ペリルのソージュへの呼び方が違う?


「チャコが欲しいのは分かっています。ですが、今、何かして、万が一子でも宿したら、魔王討伐に差し支えます。事が終わるまで大人しくしてください!」


 ペリルがものすごい勢いでソージュに詰め寄ってる


「仮に口説くのは良いです。でも、今後淫らに触るのは禁止です。惚れた女くらい、体を使わずに籠絡させてください」


 体で籠絡って……そんなに簡単じゃないよね?


「仮にも貴方はナトゥーアの、美と愛の女神に愛された王子でしょうが!万年発情した国から、何の為に出て来たのですか?

 僕は万年発情した主人を支えたくありませんよ。そんなにところ構わず発情したいなら、ハーレムに帰ればいい!真実の愛を見つけるのではないのですか?

 貴方は、顔だけのハリボテですか?肉体使わずにやり遂げて下さい!」


 はあはあ息と荒げるペリルは珍しい。彼は全力でソージュに説教した。


 そっか、ペリルはソージュの家臣だったんだね。


「ペリル、ごめん。お前に怒られてなんだかスッキリしたよ。焦りの余り、どうかしていたな。

 でも、チャコに触るなは約束できない。子ができる様な事は討伐するまでは絶対しない事を約束する」


 うん?今までと変わらなくないか?


「ソージュ様、仰っている事が何一つ今までと変わりがないと思いますが?」


 ペリルのソージュを見る目が怖い。


 でも、言っている事に間違いはないわね。


「今、触らないと、もし居なくなってしまったらもう二度と触れなくなるんだ。初めて人に触れたいと思ったんだ。せめて、今だけは触れていたいんだ」


 ソージュは切実に言葉をペリルにぶつけた。ペリルが悲しそうな表情で返答を考えている。


 ペリルの怒り、私にも責任があるよね……


「私がちゃんと拒否しないからいけなかったですね。ペリルさんごめんなさい。ありがとうございます。

 今後もやり過ぎな場合は私が止めます。手を繋いだり、今みたいなハグなら大丈夫です。

 ただ、行き過ぎなければいいです。万が一勢いがついてきたら、忠告の後吹き飛ばします」


 調教師みたいだね?でも、必死さが見ていて辛くなってしまったのよね


 ペリルは、フッと息をつきやれやれと、頭を振り


「チャコ、甘やかさないでくださいね?この脳内ピンクのロマンス王子、チヤホヤされ過ぎて距離感が麻痺してるので、死なない程度にやって良いです」


 なかなかに、パンチの効いた言葉をくれた。


 脳内ピンクのロマンス王子!


 ダメ!笑っちゃいけない!


 そんなやり取りをしていたら、エストラゴンが声を掛けてきてくれた。


「あー何だ、皆でとりあえず飯食うか?」


 エストラゴン、貴方は神ですね?


「ほら、隊長!ご飯だからチャコちゃんを離して!」


 オリガンにまで……


「ソージュ、隣に座りますか?」


 不憫に思ったから誘ったら、ソージュはピッタリ横に張り付いた。


 ま、これで良いか


 ペリルもエストラゴンもオリガンもソージュを見てやれやれって顔をしている。


 ある意味平和だ。


「チャコ?なんか凄い事になってるんだね?」


 あ、アルゼの存在を忘れてた!恥ずかしい!


「……後から話すわ」


 あー、アルゼがニヤニヤしてるわ……


「……了解」


 笑いを堪えながらぽそっと小さな声で伝えてきたわ


「ペリルさんとソージュさんは、生まれ故郷が同じなんですか?」


 万年発情期って……どんな国よ?


 私が質問をしたら、横にいたアルゼが、


「……チャコってやっぱり勇者だよね」


と、ため息混じりに呟いた。


「どこがよ?」


 何を見てそう感じたのかしら?


「いや、何でも、いや、なんというかソージュ隊を平気で袖にしてるとか、今は侯爵位を名乗ってるけど、仮にもその人王子様だし。

 5国最強で軍部の実働隊のトップの実力で、力も権力もあるんだよ?それを侍らせておきながら、無視とか勇者じゃなくても強すぎるよ」


 まあ、ソージュの肩書きは凄すぎるけど……


 私は懐いているソージュをチラッとみた。


「そう?かしら?」


 やっぱり、そんなぬ凄いとは思えない……


「そうだよ」


 2人で話していたら、横にいるソージュが私の頭にぐりぐりとさらに懐いていた。


ソージュ見せつけられた上に怒られた。

因みにペリルは慣れてるし、女性に手を出しても失敗はしません。

大魔導師だから……色々なんとかなります。


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



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