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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
ゴルドファブレン王国

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47/201

お一人様には慣れてます

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 馬車は止まったが、ソージュは外に出る気がない。


「外に出ないんですか?」

 不思議に思って尋ねてみた。


「エストラゴンが部屋の手続きをして来るから、そのまま待てばいい」

 過保護なおぼっちゃまかと思ったら


「さっきの女達を見ただろう?迂闊に顔を出せは部屋に押し入られる。認識阻害の眼鏡は持っているがさほど役に立たない。部屋に入る一瞬だけ外に行くんだ」


 熱狂的なファンがいるアイドルみたいだ。行きすぎた行為の場合、日常生活が大変だろうな。


「普段はどうされてるんですか?」

 不便すぎるよね?


「普段?レヒテハントが外の関係は全てやってくれるな。外に出る時はエストラゴン、ペリル、オリガンがいるし、任務中は頭装備しているからバレない。必要な時はペリルが陣を描いてくれる」


 わぁ、めっちゃ箱入り息子。


 けど、仕方がないのかも?毎日気を張り続けるのは大変だよね。美しさって本人には毒なんだな


「本当に自由がないですね……大変なんですね」


 さすがに可哀想に感じてしまった


「物心付いた時から過剰に構われていた、過剰でないなら世話される事には立場的にも慣れてる。騒がれなくてもこんなもんだろ?さほど気にはならないな」


 ソージュはなんて事ないとあっさりと言い切った。


 ——そうだったこの人王族だったわ


「私は無理ですね。1人に慣れているから、常に人がいるとか、窮屈過ぎて嫌になっちゃう」


 お風呂すら1人で入らないなんて……嫌だわ


「……1人に慣れてるとは?向こうでは1人で生活していたのか?」


 ソージュさんはどこか心配そうだ。


「私は祖父母の家で母に育てられました。父は女作って蒸発、母と祖父母と4人で仲良く暮らしていましたが、幼少期に母は病に倒れ他界し、祖父が3年前、祖母も1年前に。仲良しの夫婦だったから、直ぐに迎えが来ちゃいました」


 まだ、話すとちょっとだけ涙が出そうになる。


「私は祖父母が残した弓道場を継いで、一人で生活していたんです。でも、道場に来る人達に囲まれて楽しく生活してましたよ?あの日も栗を拾って皆に分けようと思っていたんです……皆、心配してますよね……」


 道場はどうなっているのだろう?考えない様にしていたのは不安になるからだ。


「済まない、悲しい話をさせてしまった。今、動けなくて、やり切れない気持ちなのはわかっていたのに、配慮出来てなかった。申し訳なかった。明日、資料館で帰り方があるのかも調べてみよう」


 ソージュは私の両手をグッと力強く握って帰り方を探すと言った。


「帰ってもいいですか?」


 帰さないと言っていたよ?


「帰れないのと帰らないのは違うだろ?俺が言っている"帰らせない"にはチャコの帰りたくないと言う意思が必要だ。帰り方は必ず見つける。俺が、努力してチャコに帰りたくないと言わせる。理解出来たか?」


 どうだと言わんばかりの態度だが、


「でも、一緒にいたら命狙われるんですよね?いくら好きになっても、それが分かってるのなら嫌ですよ?命懸けの恋とか物語だけでお腹いっぱいです」


 ソージュなら一夜の夢でも、思い出にお釣りが来る


 私は死にたくないから逃げますよ


「グゥッ、それを言われたら……悩むな、いっそ顔を潰すか?」


 ソージュは忌々しそうに自分の顔を撫でている。


「そこまでされたら、却って引きます」

 顔潰すとか、怖いでしょうが


「じゃあ、どうすればいいかアイデアあるか?」


 困った顔して聞いてこないでよ……


「それを頑張るのはソージュさんです。私には考える予定も、必要もありません」


 ——ちょっと、キツ過ぎたかな?


「くそ!絶対、帰還方法も、繋ぎ止める方法のいいアイデアも見つけるからな?絶対だぞ?」


 ソージュ……子供じゃないんだから


「ハイハイ、分かりました。楽しみにしてますね」


 ちょっとだけ気分が落ち込んでいたのだけど、ソージュと話していたら、何かバカらしくなったので丁度良かったかも。


 もしかして、わざとなのかしら?


 横でソージュはまだ何か考えているのか、うんうん唸ってるけどほっておく。


 そうしている間にエストラゴンが戻って来た。


「今から商会に行くのは遅くなりそうだから、オリガンに陣を刻む投げナイフだけ先に届けさせたぞ。一旦中に入ろう」


 エストラゴンは、宿の下働きに荷馬車を託して、馬を休ませるように伝えた。


 ソージュは認識阻害の眼鏡と制帽を被って外にでた。私もそのあとに続く。


 彼は背も高く、足が長いから顔を隠しても目立つ。

 

 何人か振り返っていたが、じっと見なければとりあえずは何とかなるようだ。


 宿は一階に食堂と宿の受付、客室は2階から上だ。


 エストラゴンがすぐに部屋に入れるように気遣ったのか、部屋は階段を上がってすぐだった。


 エストラゴンが先行して扉を開けていたので、ソージュは誰かに認識される事なく中に入った。


 中に入ると帽子と眼鏡は外していた。


 認識阻害の眼鏡、ちゃんと効いてるよ。


 見慣れて来たけど、眼鏡で色々隠した後に外すと、圧倒的にオーラの違いがわかる。


 美しいイケメンは何しても隠せない様だ


ソージュは見た目と行動はイケメンですが人付き合いが希薄だから中身がちょっと子供です。


ブックマークと反応ありがとうございます!

お気軽にコメントしてくれたら喜びます。

これからも頑張ります!



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