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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

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偽造?冒険者のカード

 ソージュと御者台で言い争いをしていたら、後ろからペリルに怒られた。


 大声を張る彼の声を初めて聞いたので、びっくりしたし、冷静になったら随分と恥ずかしい話を大声で話していたなと反省……


「怒られましたね」


 小さな声でソージュつたえる。


「怒られたな」


 お互いちょっと気まずい……


「……冗談はさておき、もし、良かったらなんだが、帰れなかったら俺の部隊に入らないか?皆んな居るし、勇者の力が無くても、弓の能力は相当だろう?」


 入隊のお誘いをソージュからもらった。


「なんなら教育に回ってもいいし……もちろん、近距離での戦闘は無しだ」


 ソージュは先の事も考えてくれるみたいだ。


「教育もあるんですか?弓なら教える事が出来るかも知れません。あちらでも似た様な事していました」


 弓の先生になれるなら、それもいいのかな?


「俺達の部隊は基本的にギルドの運営と、人員派遣部隊なんだ。山脈に連なる5国の繋がりが深いから、あちこちに有事の際には派遣されるが、平穏な時は近隣の魔物討伐や、学園での教育にも駆り出される。今も学園には交代で何人か行ってるよ」


 この隊は、教育が出来るくらい優秀な人材が集まっているのね?


「人材に恵まれているんですね?今すぐに返事は出来ないけど、考えてみます」


 ……残るなら、仕事はしなくちゃね


「そうか、さあ、そろそろ着くぞ」


 周りの木々が開けたら、前方に石壁と、大きな門が見えてきた。


 オリガンかアルゼの荷馬車から降りて待っている。


 その直ぐ横に荷馬車をつけると、後ろからペリルとアルゼが降りてきた。雰囲気から見て、話はうまく行ったんだろう。


「ソージュ隊長達は一旦ギルドと宿の手配に行ってください。僕はアルゼと怪我した御者を商会に連れて行きます。あちらで色々準備しておくので。後、はいこれ、作っておきました」


 ペリルは、アルゼと行くらしい。良かった。


 ソージュはペリルから何か受け取っていた。


 カードの様な物だ。


「ありがとう。必要だったな、助かる」


 門に入るのに必要なのだろうか?


「頭の中がピンク色だから忘れるんですよ、しっかりしてください」


 ソージュがお礼を言うも、珍しく叱られている。


 しゅんとした残念イケメンの出来上がりだ


「では、先に行ってきますね」


 ペリルは商会の荷馬車に乗り込んで行った


「チャコ、ペリル様としっかり話ができたよ、ちゃんと理解してくれた。今までの対応とか謝られちゃったわ。きっかけをくれたチャコのおかげね!ありがとう。また後からお店に来るのよね?待ってるわ」


 そう言って彼女も商会の荷馬車に乗り込んで行った。急ぎの荷物があるのだろう。


 ペリルとちゃんと話が出来て良かったね。


「チャコ、これ、ここの魔法陣に指を当てて?」


 ソージュからカードを渡された。見てみるとツルッとして硬質で、まるでクレジットカードみたいだ。


 真ん中に黄色い魔法陣がある


「何ですか?これ?」


 この国はカード払いなのかな?


「冒険者用のカードだ。身分証の様な物だな。通常、国から出る時に冒険者ギルドで冒険者登録をするんだが、転移して直ぐだと勇者だとバレてしまう可能性が高いから、ヴァルドのギルドでは登録しなかった」


 確かに、探していると言っていたわね


「ただ、ゴルドファブレンに入るには身分証が必要になる。通常なら冒険者登録して旅に出るんだ。代わりにこの予備のカードに仮登録しておけば、門での検問は冒険者カードを無くしたと言えば入れる。入国したらギルドで冒険者登録をしよう」


 そんな簡単なのかな?


「予備のカードで疑われずに入国できるなんて、そんなに簡単なものなのですか?」 


 あまりにもいい加減すぎないかな?


「予備のカードは初めに貰うから、皆、空間魔法のカバンに入れている。かなり貴重なものだから、やすやすと他人には渡さない」


 そんな貴重な物、渡していいの?


「冒険者になる場合も、基本的には後見人が必要だ。身元がしっかりしていない者には冒険者カードは発行されない。だから予備のカードを手に入れること自体が難しいんだ。簡単に手に入って破落戸が安易に国を渡ったら困るからな」


 それぞれの国に関所があるのも言われてみれば当然のことだよね


「だったらこの予備のカードは誰のなんですか?」


 貴重なカードなのよね?大丈夫なのかな?


「これは、誰のカードでもない。このカードは、ペリルが作った。力の強い魔導師が魔法陣を刻む事で偽造ができない仕組みだ。それぞれの国にいる大魔道士が製作を任命されているんだよ」


 ペリル、本当に凄い魔導師だった!


 あの歳で大魔導師って……凄すぎない?


「私がこれに無断で登録する事で、ペリルさん国家反逆罪になりませんか?」


 国から任命されてるお仕事だから、横流しなんてしたら絶対だめだよね?


「本来はダメだな。今回は勇者絡みだしな。隊長である俺も認めているんだ。だから大丈夫」


 とても良い顔でにっこり笑っているけれど……


 ソージュが認めたら大丈夫って、何で?


 王子だから?





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