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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

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彼女の秘密と家族のケジメ

 お互いに、沢山話したら喉が渇いてしまった。


「喉が渇いたわね?何か飲まない?」


 とアルゼを誘うと


「あ!私良い物持ってるよ?えっと、名前なんて呼べばいい?」


 アルゼは、私の名前を尋ねてくれた。


「あ、そういえばお互い名前教えてなかったね?私はチャコです。チャコでいいよ」


 苗字は、要らないわよね?


「私はアルゼ・エンゲ・アウスヴェーク。元々アルゼだったのに養子に入る時に名前が短いからってオマケがついたのよ?だからアルゼでお願いね?」


 アルゼはかなり気が抜けたのか、お互い元々日本人だからか、なんだかのんびりしてしまう。


「ハイこれ。チャコにあげる」


 そう言って、アルゼが瓶入りの飲み物を蓋を外して渡してくれた。


「何これ?ジュース?」

 薄い茶色?黄色?の液体が入っている。


「飲んでみて?」

 アルゼは嬉しそうにニコニコしている。


「ん、ジンジャーエール!」

 ピリッとシュワっとスッキリする。


「美味しい!凄い、有るんだねジンジャーエール」

 意外とこの世界、色々有るよな?


「これは私が作ったのよ?炭酸水を作る時の配合に苦労したわ」

 何と、アルゼが作ったらしい!


「凄いわねアルゼ!」

 私には出来ないわ!


「今はまだあまり出回って無いけど、もうすぐ量産体制が整うから待っててね?」

 彼女は綺麗な微笑みで素敵な事を教えくれた。


「……ねぇ、アルゼ?さっきペリルに逆らったのは魂の転生と勇者パーティーの事を知られたくなかったからでしょう?今後ペリルを仲間にしたら?」


 アルゼは、ペリルと聞いて少し不安な顔をした。


「彼も私を助けてくれた人だから、召喚や転生に対して理解があるわ?もし、アルゼに酷いことするなら私が退治するからどう?」


 私達には、味方は1人でも多い方がいい。


「それならいいかも?チャコが私の味方なんでしょ?勇者が味方なら大丈夫な気がする」


 アルゼは、可愛らしく微笑んだ。


「同じく勝手にパーティー組まされた者同士だもん勿論味方するよ。アルゼも無理に戦場に行かなくていいよ。だって怖いじゃない?ホラーよ?」


 争いを知らない日本の乙女に、血みどろはNGです


「でもチャコは行くんでしょ?……何かごめん」


 アルゼは申し訳なさそうに、下を向いた。


「謝らなくていいよ。私は遠方からやるだけだし。近くは嫌だと言ってあるし、か弱い乙女だから守ってって言ってあるの。じゃなきゃやらないって」


 嫌な物は嫌ですよ?


「チャコ凄いわね……あの巨人とイケメン達によくそんなハッキリと言えたわね?」


 巨人とは、エストラゴンの事かな?


「勇者の力かしらね?この力が、めちゃくちゃ強いから安心感なのかな。いや、元々の性格かも?」


 私、何も考えず発言していただけだったわ!


「とりあえず、ペリルさんに来て貰って話をしない?きっと分かってくれる筈よ。それかお家の事情もあるし一旦2人で話す?」


 貴族関係は私には分からないから……


「ケジメの為にも一旦、2人で話してみます。自分の事なのにチャコに頼るのはダメだと思うから」


 偉いな。甘えたっていいのに


「分かった。何かあったら教えてね。後、ソージュさんにこの事話してもいい?隊長なのと、私の保護者代わりの人で、ペリルさんの上司。信頼できる人だから安心して?」


 言わないと、多分後から面倒くさい


「チャコがその方がいいなら任せる。チャコが勇者バレしない様に私を警戒した位だし、チャコの事を信じたいから、貴方の信じる人を私も信じる」


 アルゼ……ありがとう


 私は、荷馬車の前方へ行き、幌を掻き分け顔を出しペリルを呼ぶ 


「ペリルさん、ちょっと来てください。アルゼがペリルさんに話が有るので、私と交代して下さい」


 ペリルは、急に横から生えた私にギョッとした。


「アルゼが?何で?」

 ペリルさんは困惑顔だ。


「勇者召喚と、魂の前世の話です」


 ヒントを話すくらいならいいだろう。ペリルはサッと顔色が変わり


「……分かった変わろう」


 と言って、私を荷馬車から御者席に座らせ、ペリルは代わりに中へ入って行った。


 横を見たらソージュさんが何があったか気にしているのが丸わかりな程ソワソワしている。


 微笑ましく感じるし、初めから守って貰える自分は幸せなんだなとありがたく思う。


「ソージュさん……私を保護した上、私の我儘なのに勇者で有る事を隠したり、自由な発言を許してくれたり本当に色々ありがとうございます。転移して直ぐ、はじめに出会ったのがお兄さんで良かった」


 本当に、しみじみ思う。


 ソージュさんは、何か感じ取ったのか、黙って私の頭を抱き寄せてくれた。


「初めも、今も、チャコは1人で知らない所へ来たんだ。不安だっただろう?チャコが、余りにも平気そうにするから、我々は甘えてしまっている」


 ソージュは穏やかに言葉を続けた。


「争いや諍いが嫌いなのに、この世界に巻き込んでごめん。チャコに勇者の能力が、あろうがなかろうが必ず守り通すから、不安な事があれば俺に任せてくれ」


 日本人の魂に触れたからだろうか?


 ふと、ずっとコチラの世界のままだったらどうしようか?と不安に感じ泣きそうな気分だったんだ。


 ソージュにはバレていたのかもしれないな


 あちらの世界に、帰れるとは限らないんだよな。


ペリルはハーレム出身だけど、父親はヴィント魔導国の高位貴族です。母がハーレムから出たがらなかった為ハーレムで育ちました。アルゼは実は腹違いの妹です。


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