表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/201

万能な優男は好きですか?

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 武器屋を出て西門に辿り着くと、既にオリガンと、ペリルが幌馬車と共に待っていた。


「待たせたか?」


 ソージュに、ついて馬車に近寄って行く。


「いえ、今丁度馬車を移動させたところです」


 ペリルは何やら作業をしていたみたいだ。


「ペリル、術式は刻んだのか?」


 ソージュは、事前にペリルに何が頼んだようだ。


「運ぶ前に刻んでましたよ。隊長、これすごいですよ。乗り心地は抜群です」


 オリガンが、幌馬車の良さを語った


 ——普通のと、何が違うのかな?


「荷物は、空間魔法のカバンに入れるんですよね?幌馬車の必要はあるんですか?」


 馬で移動するのに、何のためなのか不思議だった。


「荷物じゃなくて、これは人を運ぶんだよ。遠征の時は一気に進むから、御者役以外は後ろに待機するからね。馬車じゃ人数が乗れないだろう?」 


 ペリルが、私の質問に答えてくれた。


 乗り合い馬車のようにするのか……納得だ


「ソージュ隊長がチャコが乗るから、振動が少ないようにと魔方陣を刻むように言ったんだ。僕達だけだったらそんなことしないんたけどね」


 ペリルは、そう言ってウインクしてきた。さすがはイケメンだ。ウインクが似合う。


 わざわざ気を遣ってくれたのかな?ありがたい。


「そんなこともないぞ?今回は少数精鋭だし、長期間になる。少しでも皆の負担を軽減しようと思ってな。普段から幌馬車を使おうとしたら、大人数だし、ペリルが大変じゃないか。だからやらないだけだ」


 ソージュは、心外だと、説明していた。


「そんなことより、はよ行くぞー!」

 私達は、御者をするエストラゴンに急かされた。


 街から少し離れ、荒野へ向かう。


 道はガタガタしているのか、音だけは響いてくるが、車内は全く揺れていない。


「ものすごく快適ですね?通常の馬車もこのような魔法陣を刻んでいるのですか?」


 電車より揺れないって……すごいな


「チャコ、ペリルは特別なんだ。国内でこの魔方陣をかけるのは、ペリルとあと2人位だ魔導国のヴィントなら、数名位はいるかもしれないな」


 知らなかった。ペリルって凄い人だったんだ。


「チャコ、尊敬してくれてもいいんだよ?」


 にっこりとペリルが微笑みかけてきた


「……そうですね。考えておきます」


 笑顔が不穏なので、考えるだけにしますね……


「チャコちゃんは手厳しいよなぁ?さっきペリルから聞いたけど勇者なんだって?こんな可愛い子が勇者だなんてびっくりだよ」


 そう言いながら、隣にいたオリガンは、私の頬を触ろうと手を伸ばして来た。


 バシッと音と共にその手は払われた。


「勝手に触るな」


 ソージュが、シッシっとオリガンを遠ざけて私の隣に座った。


「えー、隊長だけズルく無いですか?俺もチャコちゃんと仲良くしたいですよ?」


 ねー、と私を見て首を傾げて私に手を振っている。


 手を振り返しながら気付いたが、オリガンもかなりイケメンだった。


 でも、ソージュのせいでイケメン慣れしたのか普通に感じる様になっている。


 私のイケメン耐性は、かなり上がったらしい。


「もう着くぞー」


 エストラゴンが馬車を止めたのは、最初に辿り着いた櫓ではなく、また別の櫓だ。


「ここら辺なら多少暴れても問題あるまい」


 エストラゴンが4頭引きで幌馬車を引いていた馬のうちの、1匹の留め具を外した。


「この馬はそのまま乗ることもできる。騎馬とは違うが安定感はあるだろう。少し休ませたら乗ると良い」


 そう言いながら、エストラゴンは馬に鞍をつけ替えている。


「チャコ、的はどうする?馬に乗りながら弓を射るんだろう?」


 ソージュは、私のやりたい事の内容を確認しにきた。


「そうですね、何か目印になるようなものがあれば良いのですけれど」


 的になる物が有ればいいけど……どうしようかな?


「俺たちが散らばるのはだめか?」


 オリガンは、自らを的にと言い出した。


「やめたほうがいいです。私の力だと的になると下手したら命を落とします」


 オリガンを的にしたら、絶対吹き飛ぶ


「じゃあ僕が魔法で敵を作るよ。命中したら消えるように設定出来るし、大きさはどうする?」


 ペリルがサラッと問題解決をしてくれた。


「ペリルさんは万能すぎますね?お願いします。大きさはお任せします。可能なら弱点の位置に印を付けれますか?当たりを確認したいので、敵は残るようにできますか?」


 自分の軌道の結果が見たい。


「大丈夫だよ。敵は動かす?止めとく?」


 ペリルは、話をしながらペンで空中に魔法陣を構築し始めている。


「どちらも適当に入れてください」


 ——ペリルさん本当すごいや。


 尊敬出来るけど……言わないぞ。


「わかったよ。ちょっとだけ待ってて」


 魔法陣を1つ書き終わる度に、キラキラした光が飛んでいく。


 アレがきっと敵になるんだろう。


「チャコ、無理するなよ。落馬も気をつけろよ?」


 ソージュは心配症だな


「チャコ、準備できたよ」


 ペリルが、終わったと、こちらを向いた。


「仮想敵だから、一応向かってくるけど襲わないから来ても慌てないでね?」


 襲わないのか……優しいな。


「分かりました」

 向かって来ても安全なら、楽しそうだ。


「チャコ、馬の準備も、もういいぞ」

 エストラゴンは既に乗っている。


「チャコと俺とエストラゴンが1人で乗るから、ペリルとオリガンは相乗りで頼む」


 馬は4頭だから仕方がない。


「敵の場所には、僕とオリガンが先導するよ!」


 ペリルは、後ろにオリガンを乗せ先導した。


「じゃ、その後チャコ、俺、エストラゴンで動くぞ」


 実際の行軍みたいだ。興奮するわね


「よろしくね?」


 私は、今から乗せてくれる馬に挨拶して、その背に乗った。


「では今から、チャコの訓練に出発する!」


 4頭の馬は縦に一列になって駆け出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ