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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

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31/201

職人は寡黙な頑固親父でいい

見つけてくれてありがとうございます

応援よろしくお願いします

 エストラゴンが武器屋の親父さんと私の弓の調整のやりとりを終わらせて戻ってきた。


「すぐにできるらしいぞ。他に何か見るか?」


 そう言いながら、エストラゴンは近くに展示されている大きな大剣に手を伸ばしている。


「ありがとうエストラゴン。チャコそういえば、さっき見つけたんだが、これなんかどうだ?」


 ソージュの手元の箱には、撒菱のようなものがあった三角形のトゲトゲが沢山入っている。


「これも投擲用の武器らしい」


 箱をこちらに渡してきたので、まじまじと中身を観察する。


撒菱(マキビシ)ですか?」

 

 私は撒菱を1つ摘んでみた。


「飴玉投げるより良さそうですね?これも戻ってくるなら……欲しいですね」


 飴玉より、威力はあるだろうけど、お値段的に投げて終わりは勿体ない。


「オヤジ!これも回収の魔法陣出来るか?」


 エストラゴンが私から箱を受け取り、再度カウンターに向かった。


「あっ!栗のトゲトゲってあれ武器にできませんか?」

 

 ダーツの針の代わりにしたら、いい感じになりそう


「どのような武器にするつもりなんだ?」

 

 ソージュは気になったのか、詳しく聞きたいようだ。


「何か書くものありますか?」

 ソージュからペンと紙を貰った。これは、あとから自分用にも準備して貰おう。


「こんな感じかな?」

 私はダーツの矢を絵に描いた。針の部分に栗のトゲをくっつけてある。


 イラストは、思った以上に上手く書けた。


「こんな感じにできたなら、正確に飛ばせるし、遠方からもある程度魔物を潰せると思うんです」


 描いた絵を見せソージュに説明をしていたら


「どれだ?どんな武器が欲しいんだ」


 カウンターの中から、話を聞いていた武器屋の親父さんが声をかけながらこちらに来た。


「これです。できますか?」


 親父さんの顔が怖いので、私は恐る恐る絵を見せてみた。


「簡単な作りだな?通常の矢より太いから細かくて繊細な注文でなければすぐにできるぞ。いくつ欲しいんだ?」


 パッとみて直ぐ判断する。流石プロだわ


「この棘は今自宅にあるから、後で武器屋に持って来させよう。作れるだけ作ってくれるか?

 棘はかなりたくさんあるんだ。明日から遠征に行くから、10日ほど後に1度寄るよ。

 出来た分だけ受け取ろう。後に作った分は、全て買い取るから頼む」


 ソージュが、武器屋の親父さんと話をしながら、カウンターに値段の交渉をしに行った。


「帰ったら、トゲをバラバラにしなくちゃいけない?」


 エストラゴンに尋ねてみた。沢山あるから大変そうだ


「ペリルなら魔法でなんとかできるかもしれん。無理ならお願いする事になるかもしれんな。後でぺリルに聞いてみよう」


 辺りを見回すと、いつの間にかペリルとオリガンがいない。


「あの2人は、どこに行ったんですか?」

 いつの間にかいなくなっていたな。


「あいつ等は遠征中、皆で使う魔道具や、生活用品の仕入れだ。もう少し後に西門で集合だ。その後、チャコちゃんの力を見せてくれよ?楽しみにしていたんだ」

 

 エストラゴンは、よっぽど勇者の力が気になるようだ。ぺリルとオリガンは買い出しに行ってくれているらしいし、ちゃんとお礼を言わなきゃな。


「私も弓を撃てるのが楽しみです!」


 早く、あの弓を使ってみたいわ


「チャコ!ちょっといいか?」


 ソージュさんが、カウンターから呼んでいるのでそちらに向かうと


「親父がこれも必要じゃ無いか?って」


 ソージュさんが、弓を引く時に嵌める手袋を見せてくれた。


「あ!あるんだ!あるならお願いしたいです」


 よかった。さすがに素手だと慣れてないのよね


「サイズは今これしか無いらしいから、一度嵌めてみて」


 渡された手袋を嵌めたが、ブカブカだった。


「ブカブカですね」


 私が、がっかりしていると


「失礼するよ」

 と、武器屋の親父さんがペンで何か手袋に書き込んでいる。


 描き終わったら手袋がカッと光り、光が消えた時には手袋はピッタリなサイズになっていた。


「凄い!ピッタリです!」

 グーパーしてみて馴染みを見るが、扱いやすそうだ。


「どうだ?」

 武器屋の親父さんが装着具合を伺ってきた


「ピッタリです!凄い!ありがとうございます!」


 武器屋の親父さんは、うむ、と言って中に戻って行った。


 口数が少なさに職人魂を感じる。


 多くは語らず、行動で示す。カッコいい


「とりあえず、買った物をカバンに入れたら西門に向かうよ」


 ソージュさんがカウンターの上にある購入品を指差した。


 結構な量だ。


 最初に見た投げナイフは、全部買ったらしい。


「とりあえず10ずつ戻りの魔法陣が刻んである。沢山陣を刻むならゴルドファブレンの商会に得意な者がいるから、そこでやった方が早いって。親父さんが紹介状を書いてくれたよ」


 親父さん、フォローまで完璧だわ素敵!!


「ありがとうございます!」


 カウンターの奥の作業場に声をかけると、武器屋の親父はこちらを見ずに片手を上げた


 無言の背中に、ふと、優しかった祖父を思い出した。


職人っていいですよね?いつか職人に話も書いてみたいなぁ


次回、チャコの能力。多分



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