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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

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29/201

仕事の出来る男はかっこいい

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 徐々に間合いを詰めて、男を刺激しない様に近づいて捕獲する。


 その予定だった。なのに……


 ドゴッ!! 「ぐわぁ!」 ズズンガラガラガラ……

 

 なぜか直前で……男が吹き飛んだ。


 思わぬ攻撃に驚き、ぺリルの仕業かと顔を見るが、違うと首を振っていた。


 捕らえられていた子供は、母親が抱え込んだので落下は免れたようだ。


「何が起こったんだ……?」


 あたりは騒然となった。


 当然だ。全くもって、なんで吹き飛んだのかわからなかったのだ。


 万が一に備え、警戒したまま周りを見るが、これ以上攻撃されることはなさそうだ。


 とりあえずエストラゴンが吹き飛んだ男を捕縛して、近くの駐在所に連れて行く。


 ペリルは怪我した男とその家族を、急いで診療所に連れて行った。


 オリガンには、問題を起こした男の情報を集めるよう、辺りでの聞き取り調査を指示した。


 俺は、一人で待たせていたチャコを迎えに行く。


 チャコのいる方に足を向けると、彼女はこちらをみていて、ひらひらと呑気に手を振っている。足早に近づいていくと


「お疲れ様でした。大事にならなくてよかったですね」


 などと、呑気に飴玉を舐めながら言っているが……何となく違和感を感じて


「チャコ?何かやったのか?」


 そう口にしてみると、それ以外考えられない


「あ、バレましたか?」


 やっぱりか……小首をかしげて……可愛いふりをしても無駄だ!


「一体何をしたんだ。あの巨体の男が吹き飛んだんだぞ」


 どうしたらあの様になるんだ?魔法でも撃ったのか?


「飴玉を投げました、こう、この様に」


 何やら投げる素振りをするが……常識では考えられない。


 俺自体が非常識の強さだと言われているが、チャコの力は理解の範疇を超えている。


「それで……なんで吹き飛ぶ?」 


 申し訳ないが理解ができない。さっきの動きを見る限り、威力のある投げ方ではない。


「さあ?力が強いんじゃないですかね?大丈夫ですよ。誰にも見られていません」


 それならいいんだけれど……いや違うな。そういった問題ではない。


「お前、もしかしてむちゃくちゃ強くないか?俺でも飴玉では相手は吹き飛ばせ無いぞ?」

 

 それに、なぜ飴玉が砕けなかったんだ。飴玉ってそんなに強度があったのか?


「それが勇者の力なんでしょうねぇ」


 それで済ますのか?!それで良いのか?


 困惑していたら、ペリルが診療所から戻ってきた。


「ソージュ隊長、子供の父親と、母親、念の為子供も診療所で診てもらう事にしました。治療が終わり次第、駐在所で話を聞くそうです。他の兵士に引き継ぎも終わりました」


 ペリルは相変わらず仕事が早いな。いつも俺が望む以上の事をしてくれる。


「休日なのにご苦労だったな」


 何はともあれ、とりあえず被害が拡大しなくて良かった。


 俺がほっとしていたら、ぺリルはチャコに近づき


「チャコ?やったよね?」


 ペリルがチャコをニヤリとして見た


「やりましたね」


 チャコもニヤッとした。


 この二人、相性がいいのか、性格が似ているのか、同じような感性な気がするぞ?


 ——どっちの方が強いんだろうな?


 なんて考えながら見ていたら、聞き込み調査をしていたオリガンが戻ってきた。


「ソージュ隊長、さっきの男は、どうもこの辺りでよく[当たり屋]みたいな事をしていた様です。人にぶつかってはイチャモン付けて金をせびっていたらしく。今日は子供を人質に店の売り上げ寄越せと高額な要求をして居たらしいですね」


 オリガンが集めてきた情報を教えてくれた。自分勝手でひどい奴だ……他の余罪もありそうだ。


「オリガンも休日にご苦労だったな。ペリル、今回の報告と余罪がないか、しっかり追求するように連絡しておいてくれるか?」


 つい、休みでも皆を働かせてしまうな……


「了解しました」


 ペリルが、蝶々を出して駐在所に連絡を入れた。


「皆さん、お仕事中はかっこいいですねー」


 チャコの呑気な声が聞こえて来て、一気に気が抜けて皆の意識は休日に戻った。


「褒めてくれるのは嬉しいが、決定打はチャコだよね」


 ぺリルに褒められてチャコは嬉しそうに微笑んでいるが……


 もしかしたら彼女は意外と好戦的なのかも知れない。認識を改めなければ。


「エストラゴンはちょっと時間がかかるだろう。武器屋に行こうか?」


 エストラゴンが来るまでに、チャコの武器を見よう。


「連絡しときます」


 ペリルがエストラゴンにも蝶々を送る


「頼んだ。ありがとう」

 

 ぺリルは気が利く。しっかり俺のフォローをしている。


「いえいえ、ところで彼女どうなっているんです?何かしたのはわかりましたが、何をしたんですか?何か聞きましたか?」


 ペリルは小声で訪ねてきた。意味がわからないらしい。


「飴玉を……投げたらしいぞ?」


 俺もぺリルに合わせて、こそっと伝える。


「飴玉……さっきの?瓶ごと?」


 あの威力だ。そう思うのも仕方がないよな。と納得していたら


「一粒ですよ?瓶ごとなんて勿体無い。一粒でも勿体無かったのに!」


 俺たちの話が聞こえていたチャコは、減った飴玉が惜しかったらしく文句を言っている


「また買ってやるから、落ち着け」


 ブーブー文句を言っているチャコを見て、ぺリルは顔を引きつらせていた。


 その気持ちは痛いほど良く分かるぞ。目の前で見ても凄い威力だったからな?



 後から判明したが、男の拳の骨は粉砕骨折らしく、2度と物が持てなくなったと聞いた。


仕事が早い男ペリルが、チャコのアンテナにかすめました。どうなるかな?

次回武器のお買い物です。


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