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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
隣国へ

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27/201

バラさなくていい。

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

 勘違いではあるけれど、そんな事はお構いなしに、オリガンさんは私達の元へ突進してきた。


「いつの間に、隊長はチャコちゃんと、良い関係になったんですか?昨日ですか?昨日の夜ですか?だから持ち帰ったんですか?ナッツを食べるといいながら、チャコちゃんを美味しく食べたんですか?」


 物凄いテンションのオリガンさんが煩い。


 無駄に声か大きいので、広場で食事をしている人々が何事かとこちらを伺っている。


「落ち着け!」


 ガコンと、音が聞こえた。


 エストラゴンさんが物理的に黙らせたようだ。


 オリガンさんは、痛みで言葉を忘れた模様。確かに相当痛そうだ。そのまま、色々忘れてくれればいい。


「ところでソージュ隊長?いつまでチャコの事抱きしめてるの?」


 呆れた様な言い方で、ペリルさんがソージュさんの事を咎めた。


 ——あれ?いつの間に私を呼び捨て?


「あぁ?あ!」


 パッとソージュさんが離れた。急に離れたから、外の風を感じて少し寒く思えた。


「チャコはソージュ隊長に抱きしめられたのに、何とも感じないんだね?前は違ったでしょう?」


 ペリルさんが尋ねてきた。確かになと感じた。


「初めは、兎に角色々パニックだったので、冷静さを無くしていただけです。冷静になれば平気でした」


 あからさまに拒否とか、どうかしていたわ。


「なんて言うか、異次元な美しさだから騒いだ所で労力の無駄というか。今は「あーイケメンやっぱ凄いなー」って感じですね」


 まあ、昨夜の色気が全て吹き飛ばしたんだけど


「抱きしめられた所で「流石イケメンだー」ってなるけど心は平常心保てていますよ?現実味が無いんです。いちいちドキドキしていたら身が持ちません」


 私が至って平常心な様子で返すと


「でも、いきなり過ぎない?昨日の今日でしょう……見るだけなら分かるけど。抱きしめられても平気なのは……何で?何かあったの?」


 ペリルさんは、気になったのか更に追求してくる。


「んー何というか、疑われていそうなので、ソージュさんの体裁を守る為にも言いますけど、何も事は起こっていませんよ?」


 襲われかけましたなんて、言わなくて良い。


 なのに、本人が暴走した……


「俺の理性が飛んで、彼女を押し倒したな」


 この人に羞恥心は無いのでしょうか?


「何で!余計な事言うんですか?!」


 バカなのかな?


「本当の事だし?」


 ソージュさんはけろっとしている。男の人って、平気なのかな?


「押し倒しただけで、取り立てて卑猥な事は何もして無いじゃ無いですか!」


 肩とかチュッとはしたけど……


「次はわからんじゃ無いか」


ソージュさんは爽やかに笑いながら否定するけど……


「確かに分からないけど、ん?や、次があるの?」


 え?……そうなの?


「さてな?」


 ソージュさんがニヤリと悪い顔で笑っている。


「……とりあえず理解出来た。あー、とにかくメシ食べようか?」


 ペリルさんは、全てを理解したみたいだ。


「チャコちゃん、肉の串焼き食うか?」


 エストラゴンさんは、若者のやり取りは見ない事にしているのか、全く気にせず


 焼きたてでホカホカな、肉の串焼きを渡してきた。


「あ、僕はジュース買って来たよ?」


 ペリルさんも私にジュースを渡してくれた。


 何のジュースだろう?可愛らしいピンク色だ。


「チャコ、俺はサンドイッチ買って来たぞ?」


 ソージュさんは野菜がたくさん挟まれたサンドイッチを買って来た。


「ねぇ?何で誰も2人の関係に何も言わないの?」


 オリガンさん……もう、オリガンでいいや。

 

 頭の中なら、みんな呼び捨てでいいよね?呼ぶ時には気をつけよう。


 オリガンは、納得出来ずにまだ吠えている。


「え?だって見てたら分かるよね?」


 ペリルが肉を齧りながら、何言ってんだコイツ?と見ている


「敢えて口にしなくても良いだろう?」


 エストラゴンはこの件には関わらないつもりだ。


「あ、この串焼き美味しいですね?」


 私はピリッと香辛料の効いた肉を楽しんでいる


「それとペリルが買ったジュースは良くあうぞ?」


 ソージュは私の世話を焼いてくれる。


「ねぇ、チャコちゃん……どう言う事?もしかしてもう隊長といい仲なの?俺の居ない間に……もう俺の出番は無いの?」


 オリガンは望みを捨てられず、私に言い縋る。それを聞いた他のメンバーが、


「無いな」

 ソージュは一喝する


「無いね」

 ペリルはソージュに賛同する


「どう見ても無いだろ?」

 エストラゴンすら賛同した


「えーチャコちゃん!違うよね?そんなに早く籠絡されてないよね?」


 必死に私に縋る様は、色男台無しだ。


「籠絡はされてないけど、オリガンさんの出番は無いですね」


 ちゃんとイケメンだとは思います。


「そんな!酷い!今日会えるの楽しみにしていたのに!やる気なくなる!」


 オリガンは最後に泣き落としをした。


「余計な事ばかり言うし……やる気無いなら帰るか?オリガン」

 ソージュがシッシと追い払おうとする


「我々だけで充分ですし、帰って貰いましょう」

 ペリルも邪魔するなら要らないと言う


「規律を乱す奴は足手纏いだな」

 エストラゴンはもう考えるのは辞めている


 オリガンがすがるような目を向けて来たので、


「あ、オリガンさんお疲れ様でした」


 と、笑顔で挨拶をしておいた。


 来たばかりなのに、散々ね?


「まだ朝!もう、誰か引き止めてよ?理解はしたし分かったよ。ちゃんとしますよ」


 無駄だと分かり、仕事放棄も出来ず。オリガンは不満ではあるけど、全て受け入れたようだ。


 皆の目が、イタズラに笑っていたのに、オリガンには見えていなかったようだった。

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