執事レヒテハントの謀略
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「お呼びでしょうか坊ちゃま?」
レヒテハントは何か用事か?と部屋に入ってくる。
「話がある。いいから座れ」
レティヒハントは、わざとやったのだろう。絶対に、文句を言ってやる。
「かしこまりました。で、坊ちゃん。何か不都合な事でもございましたか?」
ソファに姿勢良く、浅く腰を下ろすと、レティヒハントは、しれっととぼけてきた。
「わかっているだろう?あれは、わざとだよな?一体どういうつもりなんだ?」
きっと、彼なりに何か思うことがあったんだろう
「差し出がましいかとは思いましたが、坊ちゃんは、幼少期からの影響か、学生時代のトラウマか、慣れたもの以外近くに置く事はありません。
そんな坊ちゃんが道に迷った女性を保護し、ましてや自宅に連れて来たので"そういうこと"だと思いました。夜着が趣味に合いませんでしたか?」
レヒテハントは夜着が好みじゃなかったのか?と間違った解釈をしている。
「レヒテハント違う!違うぞ!夜着の問題ではない。そもそも、明日早朝から長期遠征だ。そんなことをしている場合ではない」
時間があったら違ったかもしれない。
いや、確実にやってたな。
「ちょっと位は良いのではないですか?むしろ目覚めが良くなるのでは?今から彼女のお部屋にお酒でもお持ちしましょうか?」
レヒテハントはそそくさと立ち上がって、準備をしようとする。
「待って、そうじゃない。そうじゃないんだ。レヒテハント!彼女はそういう相手ではない。
そういう相手では無いから、あのような気の回し方をするな、危うく理性が吹き飛びかけたぞ?」
一旦、飛んでいたけどな
「何かご不満がありますか?不手際でもございますでしょうか?まさか、シチュエーションに拘りがありましたか?」
レヒテハントは懐からメモ帳を出して、俺の、夜の拘りに対する話を聞き出そうとしている。
「だから、違うって!聞いて?俺は彼女とそのつもりはないの!だから、刺激しないで!」
次、同じ事あったら……絶対!我慢できない
それだけはかなり自信がある。
「……承知しました。しかしながら言わせていただきますと、坊ちゃまは帰宅時からずっと彼女のことを気にかけておられました。このような事は初めてです」
ぽつりと溢れるように、レヒテハントは話出すと、思いが募っていたのか、段々と勢いがついて来た。
「そもそも彼女のために、頭の装備をつけっぱなしにして帰宅するなど……そのように見ず知らずの女性に配慮する事は、今までありませんでした。
きっとこのご縁を大切にするべきだ!と思い、少々手心を加えさせていただきました。
私としましては、坊ちゃまの気を許せる女性をお手元に置く事が出来て、心を癒せるならば、この際誰でも良いのです!
——-いっそさっさと手を出してください!」
レヒテハントが居直った……
「や、気持ちはありがたいが……さっさと手を出すのは違うだろう?発想がハーレム時代になってるぞ」
レヒテハントは、俺の幼少期から一緒に過ごし、共に来てくれていた従者だ。
「なんだっていいんです。早いも遅いもありません。旦那様も彼女も良い大人。責任が取れる年齢です。
慎重になることでもありますが、勢いに任せる方が大事な時もあると思いますよ?」
こんな時だけ旦那様、呼びなんだよなぁ。
だけど言われてみればそうだ。
レヒテハントは、いつでも俺のことを心配して考えてくれたんだな。
——ありがたいことだよな
「気持ちはありがたく受け取っとく。でも、相手の気持ちを考えないで相談もなく、行動するのは精神的にに悪いからやめてくれ。
俺は自分の中の獣と戦うことで、危うく大怪我しそうになったよ」
ハハハと力なく笑う
「よろしゅうございます。獣を飼っていて下さりよかった。いつまでも眠らせたままではいけませんよ?
旅から帰宅した時、坊ちゃまから良い報告が聞けることを楽しみにしております。
明日は早いですよ。就寝の準備をいたしますか?」
保護者のような表情から、レティヒハントは、執事の表情に変わった。
「寝付きが良くなるような酒を持って来てくれ。少しだけ飲んで寝る」
レティヒハントの俺を思う気持ちを聞いたら、とっくに怒りなど無くなっていた。
「かしこまりました。すぐお待ちします」
一礼をして、レティヒハントは部屋を出て行った。
俺はソファから立ち上がり、ベッドまで歩いて行くと、そのままベッドに倒れ込んだ。
今日は疲れたから……よく寝れそうだ
策士レティヒハント、いかがでしょうか?
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