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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
勇者見参

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21/201

聖剣と聖具おかしくない?後編

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

「チャコちゃんは驚いてないね?もしかして聖具だと言う事気付いていたのかな?」

 ぺリルさんさんが興味深そうに顔をのぞき込んできた。


 どうしようか?トングのことを話すべきだよね格好悪いし嫌なんだけどな……


「知っていたというか、まぁそうなんじゃないかな?と思ったところです」

 トングが……おかしかったから。


「チョコちゃんは鑑定できたのかい?」

 ぺリルさんは意外そうに聞いてきた


「鑑定はできません。ただ1人でこちらに飛ばされて来た時、色々試したんです。トングがちょっと?かなり?おかしかったので……」


 だから、きっと手袋も何かおかしいんだろうなって。


「おかしい?トングがか?」

 エストラゴンは訳がわからないと首を捻る


「何がどうおかしかったの?」

 ソージュさんは、とりあえず話を聞こうとした


「木を素振りで倒したんです」

 冗談でただ振っただけ


「ん?それはどういうことかな?」

 ソージュさんがどんどん混乱していく


「言ったままです。軽く振っただけで、太い木が倒れました。その後、トングで木を削り、槍を作って、山猪に投げました」

 自分で言っていても意味がわからない


「ちょっと理解しにくいけれど……実際そうなんだろうな」

 エストラゴンさん。ちょっとではないです。


「トングと言うのはこれか?」

 ソージュさんさんが籠の横にかけてあった。トングを持ってきた。


「それです。そのトングです」

 それ以上でも、それ以下でもないです


「ぺリル鑑定はできるか?」

 ソージュさんは振り返り、ぺリルさんに尋ねた


「そのサイズなら何とか入るかな?」

 ぺリルさんはそう言うと、小さい箱に呪文を唱えて、箱の形を細長く変化させた。


 ——魔法は便利すぎると思う


 ぺリルさんがトングを入れようと手に持った瞬間


「これは調べるまでもなく、聖具の力の気配がすごくある。手に持つまではあまり感じなかったけれど、鑑定の能力があるものが、触ったら、手に持った瞬間に圧倒的な力があることに気づくよ」


 うわーと言いながら、トングを眺めてカチカチ開閉している。


「そうなのか。存在を隠したいなら気をつけなきゃいけないな」

 

 ソージュさんが言うまで考えてなかった。気をつけなきゃ


「せっかくだから鑑定してみるよ」


 ぺリルさんは丁寧にそっと、箱の中にトングを入れた。トングはその様に丁寧に扱うものだったかな?


「聖剣?剣じゃないのに……剣じゃないのに聖剣扱い?なんだこれ?」

 ぺリルさんが困惑している


 その気持ちはよくわかるだって私はトングが聖剣と言われても、納得できないし、


 ——恥ずかしくて使いたくない。


 どんなイケメンがかっこよく戦ったとしても、手元にトングじゃねえ?


 だから、私はトングが聖剣だとは認めたくない。でも……


 ——現実はトングが聖剣なんだよ


「あの、歴代の勇者って討伐した後、歴史に残ったりするのですか?」

 他にも、私みたいな人いるのかな?


「そうだなぁ。その勇者の活躍は歴史書として書籍にして残してあると思う。

 それをもとに、演劇や民話など、大衆向けに加工されてるものが多いぞ」 

 エストラゴンが腕を組みながら、箱の中のトングを見つめている


「その場合、勇者の武器はそれぞれ違うのですか?」

 そもそも、トングは武器なの?


「いや、ほとんどが剣か槍だな」

 ソージュさんは即座に否定した。

 

 デスヨネー、トング、私だけだよね


「詳しい話が知りたければ、勇者資料館が隣国ゴルドファブレンにあるよ?魔王討伐するなら、参考になるかもしれないよ」

 ぺリルさん行った事あるのかな?私以外の転移者がいるなら知りたいけど……


「栗の木の遠征は先に行かなくていいのですか?急がないのですか?」

 知りたいけど、それどころじゃないのでは?


「早いに越した事は無いけど、資料館はヴァルド国から近いから。資料館で、1日調べたとしても、追加で5日ほどあれば足りるだろう」

 ソージュさんが言うなら大丈夫なのかな?


「歴代の勇者のことを知っておくのは必要かもしれんな。わしらが見るよりチャコちゃんは同じ世界の人間だろうから、捉え方が違うかもしれん」


 エストラゴンさんの言う通りかも


「そうだね。反対側に行くことにはなるけれど、栗の木を先にするよりは効率が良いかもしれない。僕も資料館に行って調べるのは賛成だな」

 よかった。みんながそう言ってくれるなら安心して見に行ける。


「それじゃあ、明日はゴルドファブレンへ行く準備をして、向こうで栗の木遠征の準備をしてもいいな。そのほうがチャコは色々見れて楽しいかもしれない」

 ソージュさんもこう言ってるし、隣の国を見るのも楽しそうだ


「準備するのは良いのですけれど、私一文無しなので、買い物は全くできません。お借りしたとして返すあてもありません。栗買ってくれますか?」


 全部お菓子にしちゃった!どうしよう?


「それはさすがにこちらが全て持つよ。本来なら、国を挙げて勇者は歓迎するべきことだ。今回は内密に行動するから国の支援は無いけど、隊の遠征費用は有るし、チャコの生活の全ては俺が保証するよ。欲しいものがあったら、すぐに言うんだよ?」


 おお、太っ腹だ。さすがボンボン。


「わしだってチャコちゃんになら何でも買ってやるぞ?限度はあるがな!」


 おじいちゃん?おじいちゃんなのかな?


「資金面ではソージュ隊長にお任せすればいいと思うよ。お金持ちだし」


 ぺリルさんが意味ありげに発言した


「何かトゲがある言い方だな?」


 ソージュさんが苦笑いする


「気のせいですよ」


 ぺリルさんは笑って何のことかなぁととぼけた


「それじゃあ、一旦解散だな」

 エストラゴンは立ち上がりトングをカチカチ鳴らしながら籠に仕舞いに行った


「明日はどうしますか?」

 ぺリルさんは箱を腰にあるポーチにしまった。サイズ合わないのに入るんだ不思議だよね?


「明日市場が開く時に、時計塔で集合」


 ソージュさんの一言で、今日は解散となった。


次あたりからちょっとドキドキ?


ブックマークと反応ありがとうございます!

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これからも頑張ります!



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