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トングが聖剣?使わないけど〜最強女勇者はイケメン達に守られていたいんです〜  作者: 黒砂 無糖
勇者見参

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18/201

さすがプロ仕上がりが違う

見つけてくれてありがとうございます。

更新は不定期になります。出来る時に頑張ります

「チャコ、話したくなかったのに、俺達を信用してくれてありがとう。エストラゴン、ペリル、明日は遠征の準備だ。遠征には少数精鋭で行く。人数が多いとチャコの素性がばれてしまうかもしれない。俺と今ここにいる三人で行こう」


 さあ、冒険の始まりだ!とでもいえばいいのだろうか?


 勇者であることを、この人たちに話せてよかったかもしれない。ソージュさん、受け入れてくれてありがとう。と心の中で感謝を伝える。


「あー、でもオリガンを連れて行かないと拗ねますよ。あいつ拗ねると面倒くさいです」


 ぺリルさんは、なんだか嫌そうだ。きっと、オリガンさんは寂しがりなんだな。


 私の中で、オリガンさんはかまってちゃんなんだなと、インプットされた。


「あいつには、お前から連絡しとけ、秘密はどんなことがあっても、絶対厳守だ。命にかけても守れ」

 ソージュさんが、ちゃんと隊長をしている。やっぱり……かっこいいな。


 話すべきことは話したので、それぞれ落ち着いて、なんとなく力が抜けてきた頃、レヒテハントさんが部屋までやってきた


「チャコさん、料理長から菓子の仕上がりを見てくれと伝言を授かりました。もしお話がお済みのようでしたら、いちど厨房まで足をお運びください」


 そうだ!栗!できたんだ。どうなったかな?


 真面目な話をしていたから、栗きんとんの事をすっかり忘れていた。

 

「チャコ、もういいぞ。一度コッホのところに顔を出してこい。栗の菓子楽しみにしてるよ」


 ソージュさんの顔見ると、にっこりと笑顔で送り出してくれようとしている。エストラゴンさんもペリルさんも笑顔で頷いている


「ありがとうございます。ちょっと行ってきます」

 私はソファーから立ち上がり、一度頭を下げると、レヒテハントさんと共に厨房に向かった。


 ——レシピは渡したけど、上手くできたかな?


 厨房にたどり着くと、コッホさんが満足げな表情でこちらを見ながら手招きしている


「チャコちゃん、こんな感じに仕上がったんだけどどうだろうか?」


 そこには、綺麗に四角く整えられた栗きんとんと、瓶詰めされた甘露煮があった


 「凄い、美味しそう……」


 形は違うけど、栗きんとんは滑らかそうでとても美味しそうだ。


「とりあえず味見用に取り分けておいたんだが、一緒に食べようと思って待っとったんだ」


 コッホは早く食べろとそわそわと、私が口の中に入れるまで周りをくるくる歩き回っている。


 味見用の栗きんとんは口に含むとホロリと崩れ、中に栗のつぶも入っていてとても美味しかった


 正直、私が作った時よりも断然おいしかった……


 ——"さすがプロ"だな


 栗の甘露煮は、控えめな甘さで使い勝手が良さそうだ。もちろんそのまま食べてもいい。


 コッホさんも、栗きんとんを整えたキレ端を口に放り込み


 「ん!これは……!」


 そう言ったきり、無言で咀嚼している。きっと色々考えているのだろう


「とても美味しかったです。私が作るよりも美味しいです。さすがに料理人には叶いませんね」

 私が、求めていた以上の余りの美味しさにホクホクしながら伝えたら


「そうか、そう言ってくれると頑張った甲斐があるな。味もさることながら、こんな調理法があるなんて知らなかったよ。こちらも勉強になった。ありがとう。ご主人様達はまだ話をしてるんだろう。これを持っていってみんなで食べてくれ。残りの分は乾燥しないように包んで魔法陣に保存しておくよ」


 そう言って、コッホは茶菓子として、切り分けたものを渡してくれた。


「あまり食べ過ぎると夕飯が食べられなくなるから、ほどほどにしてくれよ。今夜はチャコちゃんも来てくれてることだし、腕に寄りをかけて作るから、楽しみにしていてくれ!」


 むん!と力こぶを出して見せたコッホさんの料理が今から楽しみだ


「ご協力ありがとうございました。夜ご飯も楽しみにしています。ありがとうございました」


 私は、コッホさんに、しっかりとお礼を伝えた後、栗きんとんと甘露煮を人数分持って、皆で一緒に食べてもらおうとさっきの部屋まで戻った。


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