バレバレだから告白します!
見つけてくれてありがとうございます。
更新は不定期になります。出来る時に頑張ります
私がつるっと口にした事を、ここにいる3人が聞き漏らすはずもなく……
「チャコ?一体何を言ってるんだい?」
ソージュさんは、ぎょっとした顔をして慌ててますねぇ
「チャコちゃん?言ってくれればって何だ?!」
エストラゴンさん、混乱してます?
「チャコたん、まるで自分のことみたいだね」
ペリルさん、わかってるんでしょ?それ聞いちゃいます?
3人とも当然気付いちゃったよなぁ、まあどちらにしろ、ぺリルさんの追求からは逃げれなかっただろうけど……
「言うか言うまいかものすごく悩んだのですが……多分、私勇者です、別の世界から召喚されてきました。とりあえず私の話聞いてくれますか?」
何を言われるのかな……怖いけどちゃんと話そう。
「あぁ、話してみてくれ」
ソージュさん……すごく真剣だ
「わかった聞こう」
エストラゴンさんは、心配そうだね
「やっと話してくれるんだね」
ペリルさん、めちゃくちゃ笑顔だわ。やっぱわかってたよね
「私は、自宅の裏庭で栗拾いをしてました。そうしたらつむじ風が吹いてきて、目を閉じて開けたら森にいました。初めは気づかずそのまま栗を拾っていました。でも、その時兵士が見えました」
私は、ぽつぽつと、自分に起きたことを話し始めた。
「私の住んでいる世界では、鎧を着た兵士は、その辺にはうろついていません。何かがおかしいと思い、とりあえずあちこちを調べてみました」
兵士を見たとき、見なかったことにしたくなったわ。
三人は、黙ったまま話を聞いている。
「石を投げれば。すごく飛ぶし、大きな石を投げれば爆弾のようになります。実は千里眼のようなものもあります。魔王の存在も認識できるみたいです。かなり遠方まで見えます」
自分の化け物じみた盲力の話をしているから、緊張で喉が渇く。小休止で茶を飲んでいたら
「まさか」
エストラゴンさんが、話しかけてきた。
「もしや、あの巨大なボアを倒したのは、お主か?兵士全体で討伐していたら、いきなりボアが吹き飛んだんだが……」
驚愕しているエストラゴンさんを見て、あの時、彼はあの場にいたんだな……なんて呑気なことを考えてしまう
「はい、あの時は木を削った槍を投げました。その後同じ山猪を2匹同じ要領で倒しました。1カ所は確か15キロ先でもう1カ所が30キロ位だったと思います。そのぐらいまでなら投擲で倒せます」
多分100キロ位までなら……余裕だと思う
「え、あれやったのチャコなの?あの時のボア、数キロ先まで飛んで行かなかったか?」
ソージュさんが驚きでそわそわと落ち着かない。
「あの後の2回の地鳴りはチャコちゃんだったのかぁ」
ペリルさんは「凄いね!」とテンションが上がっている
この人は……一人だけ感性が違う気がする
「正直、本当は言いたくありませんでした。だって……か弱くて、守られる存在でいたいし、乙女にこんな力はいらないです。でも呼ばれちゃったから……やるしかないじゃない。正直逃げ出したかったです」
本当なら、今だって逃げたいよ
「でも、この力は魔王を倒すためにあるんだと今は思います。でも私はソージュさん達から離れるのは怖いです。どんな扱いされるか分からないし……だから召喚した国に送らないでください。もし可能なら、皆さんの傍で魔王を討伐させてくれませんか?ちなみに、私は弓や投石や、やり投げが得意です」
ソージュさん達が守ってくれないかな?そうしてくれるなら……
「私、死角から魔王暗殺しようと思ってます!」
羽田氏は心を奮い立たせて宣言したのに
「チャコ暗殺はどうかと思うんだ」
ソージュさんは正々堂々と戦うタイプらしく……
「チャコちゃんを砲台にしてわしが抱えて走るのがいいかもしれんな」
エストラゴンさんは私をどう使うか考えたけど、私はロケランじゃないです
「魔方陣の書いてある石をチャコちゃんに投げてもらうのが便利そうだなぁ」
ペリルさんが……1番実践的かもしれない。でもこの人が一番容赦ないと思う。
「こっそり倒すのはダメですか?後、私の処遇はどうなるのでしょうか。このまま皆さんと一緒にいてもご迷惑にはなりませんか?お隣の国から、返せとか文句言われたり、それによって誰かが傷ついたりするのは、困ります。でも私の望みは皆さんと一緒にいる方が怖くないので、できればこのままがいいです」
お願い……大丈夫だと言って欲しい
「チャコ、大丈夫だ。はじめに言ったと思うが、チャコの事は俺たちが守る。実際は俺たちよりもかなり強いかもしれないけれど。
こっそり倒すのも良いのではないか?血みどろは嫌なんだろう。戦いは怖いんだろう言ってたもんな。ごめんな。俺たちの世界の戦いに巻き込まれてしまって。
帰りたいよな。魔王を倒したら、必ず帰り方を探すからそれまで俺たちに付き合って欲しい」
ソージュさんは最初からずっと優しい。私が大人だとわかっても、やっぱり子供のように扱う。
「ちなみにどれほど強いんだ?ちょっと試してみたいんだが……能力は把握しておいた方が良い。明日にでも一度試してみないか?」
エストラゴンはそう言って、ワクワクした顔をしている。さすが脳筋ね?
「僕もそのほうがいいと思うよ。守るにしても、いざと言う時に、自分の力をしっかり理解していたほうがいい。僕も協力するよ。チャコちゃん怖い思いさせてごめんね?話してくれてありがとう」
ペリルさんもずるいなぁ。
そんな優しい顔で、温かい言葉を言われたら許しちゃうじゃないか。
ずるい男が現れた!相手は手慣れている様だ
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